(撮影/稲澤朝博 取材・文/左藤豊)
――まずは、本作への主演が決まった時の気持ちから聞かせてください。
今まで私があまり触れたことのない、演じたことのないようなキャラクターだなと思いましたし、そんな役を演じられるのはありがたいことだと思いました。
――脚本を読んで、どんな印象を持ちましたか?
元気づけられる描写が多かったですね。私自身は一般の企業で働いた経験はないんですけど、仕事をひたむきに真面目に頑張りたいという気持ちは私も主人公のちえ子も一緒で。時に打ちのめされたり上手くいかなかったりすることもありつつ、でもそれをネガティブではなくコミカルに描いているので、私自身も救われる気持ちになりました。なので、私がちえ子を演じることでそんな気持ちがたくさんの人に広がっていくといいなと思って撮影に臨みました。
――ということは、ドラマとしてはコミカルで笑える仕上がりなんですね?
そうですね。画としても斬新な映像になっているので、私も完成が楽しみです。あと、今作はモノローグも多いんですよ。おかしな出来事に対するちえ子の心の声がツッコミになっているので、クスッとしていただけるんじゃないかなと思っています。
――玉城さんの場合、例えば主人公・ちえ子のように仕事で上手くいかないことがあったり打ちのめされたりした時、どのように乗り越えるんですか?
私はちえ子のような営業ノルマを課されたことはないんですけど、まぁ死ぬ気でやってダメだったら、もうダメだったなと思って割り切るしかない(笑)。頑張ってもできないのなら、そこであがいてもしょうがないと思うので。
――なるほど。さて、映画のウェブサイトなので映画に関する質問を一つ。最近観た映画の中で特に印象に残っている作品は?
『その手に触れるまで』(2019年、ベルギー・フランス)という、ダルデンヌ兄弟の映画です。『その手に触れるまで』というタイトル(邦題)が壮大なネタバレになっていて、それに気づいた時めちゃめちゃ面白いと思いました。
――どういった内容の作品なんですか?
イスラム教の話です。思春期と信仰がテーマになっていて結構重い作品ではあるんですけど、80分程度なので長すぎず、テーマもはっきりしているのでシンプルで見やすいと思います。ダルデンヌ兄弟の作品はとてもナチュラルに物語が進んでいくので好きですね。きっとすごく計算されていると思うんですけど、洋服の色彩からも“日常”が感じられるんです。「観たらハッピーになれる」みたいな作品ではありませんが、私の中ではここ数年で特に心に残っている映画です。
社畜OLちえ丸日記
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バリキャリ営業OLに憧れを抱く主人公・築丸ちえ子(玉城ティナ)は、夢を叶えるため、猛勉強のすえ就活に成功。念願かなって、入社後すぐに花形の営業部に配属されたが、思い描いていた理想とはほど遠く、現実はきついノルマに超絶厳しい鬼上司、そして、早朝出社と終電帰りの長時間勤務という、地獄の日々が待っていた。