AKB48 柏木由紀のアイドル人生の集大成を飾る「AKB48 春コンサート 2024 in ぴあアリーナMM 柏木由紀卒業コンサート ~17年間、歩いて来たこの道~supported by イモトのWiFi」が3月16日、神奈川・ぴあアリーナMMにて開催された。コンサートには、小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみ、指原莉乃らOGメンバー15名も集結し、レジェンドアイドルの17年間の全てが詰まった卒業コンサートとなった。

2007年、AKB48 初代チームBの一員として15歳で劇場公演デビューした柏木由紀。以来、17年間のAKB48人生をチームBと共に歩みながら、2010年には派生ユニット「フレンチ・キス」を結成し、2013年にはソロ歌手デビュー。2015年リリースの39thシングル『Green Flash』では小嶋陽菜とのWセンターで初めてシングル表題曲のセンターを務めるなど、延べ52作で選抜メンバー入り。歴代最⻑のAKB48グループ在籍日数を誇り、常に最前線でグループ全体を牽引してきた彼女は、AKB48への愛に溢れ、その飾らない人柄とAKB48にかける情熱で誰からも愛された“最年⻑レジェンドアイドル”だ。そんな柏木由紀の卒業コンサートが3月16日、ぴあアリーナMMにて開催された。

超満員の会場がペンライトの光で真っ赤に染まる中、白いドレスを身にまとった柏木がステージに登場。コンサートは、故郷・鹿児島県の桜島からタイトルが名付けられた自身のソロ曲『火山灰』(フレンチ・キス 5thシングル『ロマンス・プライバシー』収録曲)で幕を開けた。ピアノとストリングスをバックに、夢を追いかけ上京した柏木の物語が詰まった同曲を大切に歌い上げる。そして、「今日は皆さん、最高の思い出を作りましょう!」と声をあげ、後輩メンバーたちが登場すると、AKB48の代表曲『ポニーテールとシュシュ』『言い訳 Maybe』『大声ダイヤモンド』、チームBの代表曲であり劇場公演でセンターを務めていた『シアターの女神』を立て続けに披露! 今度はチームBカラーの⻘色で会場が染まり、アイドルらしさ全開のパフォーマンスでオープニングを華やかに飾った。冒頭の MCでは、「17年間の最後のコンサートが今日ということで、すごくドキドキと楽しみとワクワクといっぱい混ざって。でも、今日は今のAKB48のみんなとファンのみなさんと一緒に最高の思い出を作れたらなと思います。最後まで全力で走り抜きたいと思います。今日は一緒に楽しみましょう!」と力強く宣言。

画像1: ©︎AKB48

©︎AKB48

ステージが暗転し、次のユニットパートに移る……と思いきや、一向に曲がかからず、柏木が「い、1回やり直す? みんな、見なかったことにして!」と大急ぎで捌けていくハプニングも。
仕切り直したステージでは、研究生メンバーの橋本恵理子・平田侑希・水島美結・久保姫菜乃・八木愛月・山口結愛と『スカート、ひらり』(チームB 1st「青春ガールズ」公演曲)、倉野尾成美・下尾みう・田口愛佳・福岡聖菜と『涙の湘南』(チームB 2nd「会いたかった」公演曲)、小栗有以・山内瑞葵と『ジッパー』(NMB48 チームN 3rd「ここにだって天使はいる」公演曲)、大盛真歩・千葉恵里と『口移しのチョコレート』(チームB 4th「アイドルの夜明け」公演曲)を披露するなど、思い入れのあるナンバーを、メンバーの組み合わせも多彩に、楽曲ごとに衣裳を早替えしながら次々とパフォーマンス。『てもでもの涙』では、2013年の「AKB48スーパーフェスティバル」でもデュエットしたOGメンバーの宮澤佐江と歌唱。“さえゆき”の愛称で親しまれる2人は「さえちゃん、ありがとう〜!」「卒業したら結婚しようね〜!」とラブラブな掛け合いも。そして、本日で3代目AKB48グループ総監督の任期を終える向井地美音、柏木に憧れてAKB48に入った村山彩希と『思い出のほとんど』(2ndオリジナルアルバム『1830m』収録曲)を熱唱。スクリーンには柏木から、10年以上AKB48を共に支えてきた、現在のAKB48での盟友とも言える向井地・村山へのメッセージが映し出された。

画像2: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像3: ©︎AKB48

©︎AKB48

中盤は、柏木が「今のAKB48の魅力が伝わるように、現役メンバー全員をそれぞれの個性に合った楽曲に振り分けた」という5曲をパフォーマンス。ツインテールにヘアチェンジした柏木は、『Teacher Teacher』(52ndシングル)、『ロマンス拳銃』(31stシングル『さよならクロール』収録/チームB曲)、『呼び捨てファンタジー』(24thシングル「上からマリコ」収録/チームB曲)、さらにNMB48の『イビサガール』(第65回NHK紅白歌合戦出場曲)やNGT48の『Maxとき315号』(「AKB48グループリクエストアワー セットリストベスト100 2017」第1位獲得曲)など、兼任してきた姉妹グループの楽曲も織り混ぜて披露した。

ここで、前田敦子、元NMB48の山本彩、共にNGT48で活動していた北原里英から寄せられた「卒業お祝いコメント」映像がスクリーンに流れる。さらに、柏木がアイドルを目指すきっかけとなったモーニング娘。の「一番憧れの人」石川梨華からもメッセージが!「17年……素晴らしいと思います。これからも“アイドル ゆきりん”を期待して良いですかね? 私もゆきりんをこれからも応援したいと思います」と熱いエールが贈られた。

サプライズは続く。OGメンバーの倉持明日香・高城亜樹がステージに登場し、2015年のラストライブ以来、約8年ぶりに「フレンチ・キス」が復活! 柏木の「ここで再結成するしかない!」という強い意志で実現したステージで、「フレンチ・キス」の2ndシングル『If』と3rdシングル『カッコ悪い I love you!』を披露し、ファンを歓喜させた。

画像4: ©︎AKB48

©︎AKB48

柏木のトーク映像後、初代AKB48グループ総監督・高橋みなみが凛とした姿で登場。「AKB〜!」の掛け声に、一際大きな歓声があがる。全員で「48!」と叫ぶと、AKB48初のオリコンチャート1位を獲得した14thシングル『RIVER』を力強くパフォーマンス。続いて、2代目総監督の横山由依とは映画『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』主題歌で、コンサートの定番曲でもある『少女たちよ』を歌い会場を一つに。さらにユニット「チームPB」でセンターを務めた『遠距離ポスター』(15thシングル『桜の栞』収録曲)はオリジナルメンバーの倉持・宮澤に現役メンバーを加えた7名で披露。「チームYJ」の楽曲『Choose me!』はオリジナルメンバーの峯岸みなみ・指原莉乃とパフォーマンスするなど、OGメンバーが続々と登場する展開に会場の盛り上がりも最高潮に。

画像5: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像6: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像7: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像8: ©︎AKB48

©︎AKB48

本編もいよいよラストスパート。選抜メンバー16名で『ジワるDAYS』(55thシングル)を披露すると、2011年の「第3回AKB48選抜総選挙」で3位に輝いた時のシングル『フライングゲット』など思い入れの強い楽曲をたたみかける。さらに小嶋陽菜が現役メンバーと同じ衣裳をまとって登場。小嶋とのWセンターで初めてセンターを務めた『Green Flash』を歌い上げ、切なくも優しい歌声を緑色のペンライトで染まる会場に響かせた。

画像9: ©︎AKB48

©︎AKB48

本編ラストは、初の単独センターを務める卒業シングル『カラコンウインク』(3月13日発売)をフルサイズで披露! 柏木の代名詞でもある「ウインク」を散りばめたキュートな振付と目まぐるしく展開する圧巻のフォーメーションダンスで魅了すると、ファンも柏木へのサプライズで「単独センターおめでとう」の紙を掲げながら「ゆきりん!」の大コールを送った。

画像10: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像11: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像12: ©︎AKB48

©︎AKB48

アンコールでは、17年間を振り返る軌跡映像が流れた後に、花が散りばめられた淡いピンク色の卒業ドレスに身を包んだ柏木由紀がステージに登場。そして、卒業スピーチを心を込めて語りはじめた。

画像13: ©︎AKB48

©︎AKB48

「まずは、秋元(康)先生をはじめ、たくさんのスタッフのみなさん、舞台チーム、ヘアメイク、衣裳、マネージャーさん、そしてメンバーのみんな、ファンのみなさん、見えないところで支えてくださっている全てのみなさん、こんなに素敵な卒業コンサートをさせていただけて感謝しています。本当に本当にありがとうございます。
 私は中学3年生の時、AKB48のオーディションに合格して、アイドルになるという夢を叶えた日から今日までの17年間、本当に毎日が夢のようで、幸せな日々でした。今、こうしてたくさんのファンのみなさんの前で卒業コンサートをすることができて、“あぁ、夢じゃなかったんだなぁ”って実感しています。私がアイドル活動をここまで楽しむことができたのは、総選挙や握手会、大切な場面でいつも必ずファンのみなさんが私のことを支えてくれたからだと思っています。そして、これまでたくさんの先輩や同期・後輩をいっぱいいっぱい、どのメンバーよりも見送ってきて、寂しい想いもたくさんしてきたけど、今日こうして大好きな今のAKB48のメンバーに見送ってもらえることができて、“あの時辞めなかったのは今日のためだったんじゃないかな”って思えるぐらい、今、私は本当に幸せな気持ちでいっぱいです。
 私のことを応援してくださっているみなさんへ。昔から応援してくださっているみなさんも、最近好きになってくれた方も、本当にありがとうございます。どんな時も味方でいてくれて理解してくれるみんながいてくれたからこそ、私はここまで楽しく頑張ってこれました。なかなか思うように恩返しができなかった17年だったかなって思ったりもするけど、最後にシングルの単独センターという形で、少しはみんなも報われたかなぁなんて、胸を張って「ゆきりん推しだ」って言えるような恩返しが最後にできたかなって思います。卒業してもみなさんの前ではアイドルでいさせてください。
 そして、今AKB48を応援してくだっているみなさんへ。こんなにたくさんのアイドルがいる中で、AKB48を選んでくれて本当にありがとうございます。私は17年間本当にいろいろなAKB48を見てきて、その中で活動してきましたが、どの時代も“その時のAKB48が一番だ”と思ってやってきたし、私は“今のAKB48が最強で最高だ”と心の底から思っています。それでもグループに歴史がある分、心無いことを言う人が言うかもしれません。そんな時はファンのみなさんがメンバーの味方でいてくれたら嬉しいなと思います。これからもどうかAKB48を温かく見守ってください。よろしくお願いします。
 そして最後に、大好きなメンバーのみんなへ。みんなのまっすぐなところ、一生懸命なところ、AKB48のことを心の底から愛しているところ、全てが愛おしくて、私は大好きです。いっぱい迷惑をかけちゃったし、みんなが気を遣ってくれてるなぁって感じることもあったけど、それにもいっぱい甘えてきちゃったなって思います。そんな頼りない先輩なのに、私が話すことにちゃんと耳を傾けて、しっかり話を聞いてくれて、精一杯応えようとしてくれるみんなを見るたびに、何度も私は初心を思い出すことができました。そんなみんなとだからこそ、私はこんなに⻑くこのグループにいたいと思えたし、みんなと創ってきた今のAKB48が本当に本当に大好きです。これから嬉しいこと、頑張らなきゃいけないこと、なかなか上手くいかないなぁって思うこと、いろんなことがみんなを待っていると思います。でも、みんならしく、AKB48の過去にとらわれず、みんなが心の底から楽しいと思える、そんなAKB48をみんなの力で創っていってくれたら嬉しいなと私は思います。
 改めて、17年間という⻑い時間、AKB48のメンバーでいられたこと、本当に幸せです。私にとってAKB48は人生そのものです。17年間、みなさん、本当に本当にありがとうございました」

深々と一礼すると、17年間の感謝が詰まった卒業曲『最後の最後まで』を「ファンのみなさん、大好きなメンバーのみんなのことを想って、心を込めて歌います」と披露。これまで気丈に振る舞っていたのか、2番に入ると思わず感極まり歌えなくなる場面も。溢れる感謝の気持ちを最後まで精一杯歌声にのせて届けてくれた。

大きな感動に包まれる中、柏木が「チームB 集合〜!」と叫ぶと、初代チームBメンバーの浦野一美・片山陽加・菊地あやか・田名部生来・仲川遥香・仲谷明香・平嶋夏海がステージに登場。円陣を行うと、チームB初のオリジナル公演「パジャマドライブ」の1曲目である、チームBのはじまりの曲『初日』をアイドルらしい弾ける笑顔でパフォーマンス。さらに“心友”である渡辺麻友が卒業コンサートのアンコールで歌った『約束よ』(「青春ガールズ」公演曲)を、現役メンバーも加わり歌唱。そしてOGメンバー全員も加わり、AKB48のデビュー曲『桜の花びらたち』を歌い上げた。

画像14: ©︎AKB48

©︎AKB48

画像15: ©︎AKB48

©︎AKB48

「本当にあっという間に時間が過ぎたなぁって思うんですけど、17年間の楽しい日々を思い出しながら、今日一日が17年間の中で一番楽しかったなぁって、こんなに素敵な卒業コンサートで卒業できて、本当に本当に幸せだなって思います。最後は、大大大好きな現役メンバーのみんなと、アイドルらしく、みんなと一緒に盛り上がりたいなと思うんですけど、みなさん、まだまだ声出せますか!」
最後は現役メンバー全員と『遠距離ポスター』を熱唱。本編でも披露した同曲を「最後は現役メンバーのみんなと一緒にこの曲をやって、アイドルらしく明るく終わりたい」という想いからパフォーマンスし、「私はAKB48の一員になれて本当に幸せです。みんな、愛してるよ!」と心からの愛を叫び、 “アイドル 柏木由紀”の姿を刻みつけた。

画像16: ©︎AKB48

©︎AKB48

エンディングでは現役メンバー一人一人が花を手渡していくという柏木へのサプライズも。柏木は次期総監督の倉野尾に未来を託すように肩をたたき、最後に向井地と固い握手をかわすと、「私は世界で一番幸せ者です! 17年間、本当にありがとうございました! 幸せでした!」と感謝を叫び、全力で駆け抜けてきたAKB48人生に美しいピリオドを打った。

なお、柏木由紀の卒業公演は4月30日(火)にAKB48劇場にて開催予定。

画像17: ©︎AKB48

©︎AKB48

終演後囲み取材

──まずはコンサートを終えた今の気持ちをお聞かせください。

「ほっと一安心というか……卒業コンサートという大事なコンサートで、しかも今までのメンバーの中では17年間という一番長い期間いた集大成ということで、すごく緊張していたりとかあったんですけど、とにかくまずは終わって一安心というところと、本っ当にものすごく楽しい卒業コンサートになりました。感謝の気持ちでいっぱいです」

──緊張されたということで、昨日は眠れましたか?

「めっちゃ寝ました(笑)。睡眠とご飯は大事なので、いっぱい寝て、いっぱい食べて、今日に備えました」

──今朝は何を食べましたか?

「母がフルーツを切って、用意してくれてたので、それを食べて、会場入ってケータリングを食べて、準備万端で臨みました」

──今回のセットリストはどういう考えで決めたのでしょうか?

「今回の卒業コンサートは全て、セットリストとかメンバーとか演出とかいっぱい任せていただけたので、17年間の柏木由紀のAKB48としての歴史が伝わるような。見せたいものっていうよりかは、ファンの方が求めているものだったり、今日のコンサートを終えた時にAKB48の柏木由紀の17年間がしっかり伝わるような、そんなコンサートにしたいなと思って考えました」

──OGの方がサプライズで登場されましたが、その時の心境は?

「今回、本当にたくさんの卒業生のみんなが来てくれて、同期も先輩も後輩も、一人ずつにちゃんと連絡をとってお願いしたりして、みんな本当に快く引き受けてくださって。特にたかみな(高橋みなみ)さんは、卒業発表した瞬間に“いつでも行くよ”“何でもやるよ”って言ってくださったので、お言葉に甘えて来ていただいたり。1期生の小嶋(陽菜)さんとかみぃちゃん(峯岸みなみ)とかも忙しい中来てくれて。現役のメンバーと立つ時は”先輩”という気持ちがすごくあるんですけど、やっぱりOGのみんなと立つ時は、同期だったり、後輩みたいな顔ができたのが、すごく懐かしい気持ちで。ファンの方もすごく盛り上がって喜んでくださっていたので、“本当に長い間AKB48にいたんだな”っていうのを、OGのメンバーとステージに立って、すごく思いました」

──VTRメッセージもそうそうたるメンバーでしたが、そちらはいかがでしたか?

「前田(敦子)さんは、前田さんから“卒業コンサートで協力できることないかな”って声をかけてくださって。本当に私がAKB48に入った時では考えられないくらい大先輩の前田さんからメッセージを送ってくださって、本当に嬉しいです。あとは、NMB48で一緒だったさや姉(山本彩)と、NGT48で一緒だったきたりえ(北原里英)。そして、私のアイドルの夢のきっかけになった石川梨華さんにコメントをいただけて、これ以上の幸せは本当にないっていうぐらい嬉しいですし、小学生の時の自分に言ったら、本当にビックリすると思います。嬉しかったです」

──17年間のアイドル人生で、石川梨華さんに近づけましたか?

「いや、まだ全然オタクです(笑)。あの映像を観て、後ろで“キャー!!”って叫んじゃうぐらい、やっぱりファンはファンなので、ファンとして大好きですし、アイドルとしては一生手が届かないぐらいの憧れではありますけど、常に私の中に石川梨華さんが目標としていたので、存在にすごく支えられたなっていうのは、勝手にですけど思っています」

──若いメンバーにとっては、柏木さんが憧れの存在だと思うんですけど。

「どうだろう。全然ピンと来ないというか。でも、“テレビで観ていたゆきりんさんと〜”とか、“学生の時に毎日学校に行く時に聴いてて〜”とかを聞くと、まだちょっと信じられない気持ちはあるんですけど、自分が時代をちょっとでもAKB48の中で繋ぐ役割になれたのかなぁなんていうのは、今日すごく思いました」

──今日のコンサートの後輩たちの気合いの入り様はすごかったですか?

「そうですね。みんな明日もコンサートがあるんですけど、卒業コンサートということで、みんながとにかく盛り上げようと一生懸命頑張ってくれたり、ステージで目が合うたびにみんながすごく泣いてくれて。いろんな時代のAKB48にいたんですけど、今のAKB48は本当に大好きなので、それをステージでも感じることができて嬉しかったです」

──今日のコンサートで一番グッと来たところは?

「うわっ……いっぱいあるんですけど、『RIVER』。私はたかみなさんと『RIVER』を二人で対になって歌っている時に、当時、AKB48がまだまだ知られていない時に『RIVER』という曲で、みんなで力を合わせて“この『RIVER』がどうにか世に届いてほしい!”という、みんなですごく気合を入れて頑張って歌っていた曲だったのを思い出して。あの時は後ろの端っこで、たかみなさんの背中を追いかけるのに必死だった自分が、17年間経って、たかみなさんが“一緒に歌おうよ”と言ってくれて、二人でAKB48の先頭に立って『RIVER』を歌ったっていうのが、私は本当に感慨深くて。いっぱいグッとくるシーンはあったんですけど、『RIVER』を歌っている時は結構、ジーンときました」

──今日のコンサートはイメージ通りできましたか?

「そうですね。想像よりめちゃくちゃ楽しかったです。緊張したり、もっと泣いたりするのかなと思ったんですけど、本当にメンバーとステージで歌って踊っている瞬間がすごく楽しかったのと、ファンの方が本当に今まで見たことないぐらいキラキラした笑顔でステージを観てくれているのが伝わって。メンバーとみなさんが、私が想像していたコンサートをさらに引き上げて、楽しいコンサートにしてくれました」

──やり切った感じ。

「はい。正直、“明日(3月17日)またここに来るのかな?”って思うぐらい(笑)。明日のコンサートも1曲出るんですけど、いったんやり切って、17年間の全部を出し切れたかなと思います」

──17年振り返ってみていかがでした?

「本当にあっという間だったような気もしますし、17年間って人生の半分以上はAKB48にいたので“長かったなぁ”と思う一面もあるんですけど、今日の卒業コンサートを通して、アイドルという職業がやっぱり自分は大好きで、“自分にとって天職なんだろうな”って思いましたし、AKB48のことも大好きですし、これからももっともっとAKB48が長く愛されるグループとして続いていってほしいなぁと。私はその中に17年間もいられて本当に幸せだったなと、改めて思う1日でした」

──アイドル業からの卒業ということでよろしいですか?

「“どうしようかなぁ”って感じなんですけど(笑)、ファンの方にメッセージで伝えた時に、私のことを応援してくれるファンのみなさんの前ではアイドル活動を続けていきたいなっていう気持ちがあるので、臨機応変に、アイドルやったり、バラエティを頑張ったり、YouTubeを頑張ったり、いろんな一面を見せていけたらなって。でも、歌うことは続けていきたいなと思っています。ステージに立つことがすごく好きなので、10年、20年、30年経っても、“柏木由紀って、やっぱりアイドルだよね”とか、“歌って踊ってて楽しそうだねとか、“アイドルが好きなんだね”って言ってもらえるような活動は、自分がやりたいなと思う限り、ファンの方が応援してくれる限りは続けていけたら嬉しいなと思っています」

──燃え尽き症候群みたいになったりしないですか?

「でも、17年間、先の目標を良くも悪くもあまり立てずに来て、過去を振り返らずにここまでとにかく走り抜けて来たので、ここでAKB48としてはひと段落しますけど、変わらず、“これは絶対にしたい”とか“これは絶対にしない”とか決めずに、走り続ける人生でいたいなとは思います。仕事以外、趣味とか全然ないので、まだまだ自分が楽しいと思えることをいっぱい見つけたいなぁと思います」

──17年間でパッと思い浮かぶ印象的な出来事は?

「ありすぎて難しいですけど……でも、今日だと思います。東京ドームに立たせていただいたり、選抜総選挙とか、嬉しいことはいっぱいあったんですけど、今日が一番楽しかったです。たぶん、人生を振り返った時に、一番思い出に残っている一日は今日の卒業コンサートだろうなって思うぐらい、夢みたいな幸せな一日でした」

──卒業の時に必ず出る質問なんですけど、恋愛解禁というところは?

「結婚できたらいいんですけど、近くにいる人は誰もが“できないんじゃないか”って言うので……「募集中」って書いておいてください(笑)」

──柏木さんの在籍期間を超えそうなメンバーはいますか?

「私が3期生で、次が13期生で二人いるので、一番近いのはその二人(岩立沙穂・村山彩希)ですけど、30歳超えてAKB48にいるって、結構大変だったので(笑)。同じように頑張るメンバーがいたらめちゃくちゃ応援したいなと思いますし、年齢がどうっていうのもありますけど、自分よりも長くいるメンバーがいたら本当にカッコいいなと思いますし。でも、ギリギリ踏ん張りたいですけどね。何かAKB48に記録を残したいのがあるので、最長記録を更新されるまでは堂々と胸を張っていきたいと思います」

──後輩たちに望むことはありますか。

「ステージでも言ったんですけど、私は17年間AKB48にいて、まだ誰にも知られていない時から、いっぱいいろんな方に見ていただいて、そこからメンバーが卒業して、今のAKB48ってところまで全部中にいて、どの時代のAKB48も楽しくて大好きでしたし。でも、ここからは本当に、私が卒業して、13期生から19期生のAKB48になるので、過去のAKB48の形にとらわれずに、今のメンバーが創っていきたい新しいAKB48をどんどん創っていって、外から見た時に“あ、まだもうちょっとAKB48にいたかったかもな”って思うぐらい、キラキラ輝いているグループでいてほしいなと思います」

画像18: ©︎AKB48

©︎AKB48

──柏木さんにとって、アイドルとはどんな職業でしたか?

「アイドルは、私の中で人生の全てと言いますか、“天職”という言葉を自分で言うのはちょっとどうかなと思うんですけど、17年間やってきて、アイドルをやること以外見つけられなかったからこそ、こんなに長くいましたし、AKB48をたまたま見つけて、選んで、AKB48に入れたっていうことが私の中では運命だったのかなぁと思います。“これ以上の楽しいことはもうないかもな。でも、それでもいいかもな”って思えるぐらい、アイドルをやった17年間は本当に楽しかったです」

──アイドルのどんなところに惹かれてここまで続けて来れたんですか?

「自分で“アイドルです”って言っても、私は応援してくださるファンの方がいてくれてこそ成り立つお仕事だと思っているので、無償の愛をファンの方が伝えてくれるところ。一人一人に対して何かお返しができるわけじゃなくてもずっと愛情を向けてくれるところになんとか応えたい。みんなが日常でアイドルを応援している時に、“もうちょっと頑張ってみようかな”って(ファンの方が)そういう気持ちになれるように頑張りたいっていう原動力。そういうものが、自分の中で一番やる気が出ることだったので、それがすごく楽しかったです」

──17年間のアイドル人生に100点満点で点数をつけるとするならば?

「100万点です(笑)。それぐらい楽しく、悔いなくやらせていただきました」

──コンサート冒頭のVTRは故郷の鹿児島で撮影されたものでしたが、卒業された今、故郷への想いを改めて語っていただけますか。

「私は中学3年生の時にオーディションを受けて、母と一緒に上京して、17年間東京で過ごしているんですけど、1曲目に歌った『火山灰』という曲が、本当に私の人生というか。中学生までしか鹿児島にはいなかったんですけど、地元でモーニング娘。さんのコンサートを観たその日から、私はアイドルまっしぐらというか。毎日アイドルのことしか考えられないぐらい、“私は将来、アイドル以外何ができるんだろう?”っていうぐらい、夢を見つけた大事な場所が鹿児島なので、今回、地元の鹿児島に帰って映像の撮影をしました。今まではAKB48で忙しくて地元に帰る機会が少なかったんですけど、“卒業してから一回、長めに地元に帰りたいです”ってことだけマネージャーさんにお願いしたので、AKB48を卒業してから地元にゆっくり帰るのが今の楽しみです」

──卒業セレモニーで着たドレスについての感想は?

「AKB48のメンバーは、衣裳さんが必ず最後に、卒業する前に素敵なドレスを作ってくださるんですけど、私は、加入当初からお世話になっている(茅野)しのぶさんから数年ぐらい前から“ゆきりんの卒業ドレスはもう考えているよ”って言われていて(笑)。普段から私が好きなものとか可愛いと思うものを全部わかってくださっているので、色も形も全部お任せして。で、ドレスがピンクで花でっていうところから、新曲の『カラコンウインク』という曲も、実はお花がテーマになったり、ピンク色の衣裳だったり。まずはこの卒業ドレスからスタートしたっていうのが、ドレスをしのぶさんが大事に作ってくださったからで。今まで卒業していったメンバーのドレスを着て最後のステージに立っている姿、今まで見たどの時より輝いている姿を何度も何度も見てきて。でも今日、自分もその仲間入りができたというか、この素敵なドレスを着て、たくさんのファンの方に声援を送ってもらえて、メンバーに見送ってもらえて。AKB48の17年間の頑張りをこうやってドレスに表していただいたような気がして、本当にお気に入りのドレスです」

──卒業ソロ曲(『最後の最後まで』)で涙で歌えなかったのは……。

「いや、泣いてはいないんですよ。泣いてはいないんですけど、あぶなかったんです(笑)。2番の歌詞なんですけど、“いくつもの美しい花 風に教えられて来たけど 羨ましいとは思わず 自分の花が咲く日を待った”という歌詞が、すごく自分に響く歌詞で。“なんで秋元さんはわかるんだろう”。十分よくしていただきましたけど、“あの子のあれがいいなぁ”とか、“なんで私はここにいけないんだろう”とか、それこそ“センターになんで立てないんだろう”。蓋をしてたけど“そういえば私、実は思っていたな、そういうこと”っていうのがあの歌詞に表れていて、それを思うと“あっ、やばい……”って。あそこまで全編通して泣かずに来れていたので、グッと堪えようと思って、頑張りました」

──全体的に泣いてはいないんですか?

「向井地と村山と歌う曲(『思い出のほとんど』)とかはちょっと思うところもありましたし、たかみなさんと『RIVER』とか、小嶋さんと『Green Flash』とか、OGのメンバーと一緒に歌う時はグッとくる時もありましたけど、それよりも楽しいとか嬉しいが勝つんだなって。“もっとみんな泣いてた気がするなぁ……”と思いながら、楽しいが勝ちました」

──卒業にあたって、秋元先生からメッセージはありましたか?

「卒業を考えたタイミングで連絡をして、”ここまで頑張ったんだから柏木の人生を応援します”という風に言ってくださって、『カラコンウインク』という大好きな曲でセンターをやらせていただけて、卒業ソングも書いていただいて、本当に感謝してもしきれないぐらい、頑張ったご褒美みたいなものを秋元さんにいただけたなと思います。秋元さんが10年以上前に“柏木は歌を続けていったほうがいいよ”っておっしゃったのが私の支えになっていて、“アイドルだけど歌も一生懸命頑張りたい”と思ったのは秋元さんのその言葉がきっかけなので、その言葉を大切に歌を歌っていきたいと思います」

──最後に、『遠距離ポスター』をなぜ2回もやったのかを聞かせてください。

「『遠距離ポスター』は、ユニットでたぶん、初めてセンターをいただいた曲で、すごく大事な曲なんですけど、まずは当時のオリジナルメンバーの宮澤佐江ちゃんと高城亜樹ちゃんが来ていたので、そのオリメンと一緒にやりたかったっていうのと、さっしー(指原莉乃)とみぃちゃんと『Choose me!』という曲、この2曲が昔バトルしていた思い入れのある曲だったので、対になるところを見せたかったのと。で、本当は『桜の花びらたち』で終わる予定だったんですけど、やっていって、“あれ? なんかぽくないなぁ”みたいな。“しっとり終わるのはちょっと私っぽくないかも”と思って、最後に現役メンバーと明るく楽しく、“アイドル最高!”で終わらせたいなと思った時に、一番ピッタリだった曲が『遠距離ポスター』で。まぁ、2回歌っても盛り上がるだろうって。あと、歌詞がアイドルとファンの関係を、私の中ですごく理想として描かれている曲だったので、最後に歌う曲として、ファンの方に残したい曲が『遠距離ポスター』でした」

画像19: ©︎AKB48

©︎AKB48

………………………………………………………………………………………………………

「AKB48春コンサート2024 inぴあアリーナMM柏木由紀卒業コンサート〜17年間、歩いて来たこの道〜supported by イモトのWiFi」セットリスト

 Overture
1 火山灰/柏木
2 ポニーテールとシュシュ/全員
3 言い訳Maybe/全員
4 大声ダイヤモンド/全員
5 シアターの女神/全員
──MC──
6 スカート、ひらり/柏木・橋本(恵)・平田・水島・久保・八木・山口
7 涙の湘南/柏木・倉野尾・下尾・田口・福岡
ダンスSE/小栗・谷口・山内・秋山
8 ジッパー/柏木・小栗・山内
9 口移しのチョコレート/柏木・大盛・千葉
10 てもでもの涙/柏木・宮澤佐江
11 思い出のほとんど/柏木・向井地・村山
──MC──
12 Teacher Teacher/柏木・小田・倉野尾・下尾・谷口・永野・村山・山内・八木・山口
13 ロマンス拳銃/柏木・岩立・岡部・行天・髙橋・田口・平田・正鋳・久保・迫
14 呼び捨てファンタジー/柏木・小栗・込山・佐藤(美)・千葉・徳永・橋本(陽)・福岡・小濱・布袋
15 イビサガール/柏木・坂川・鈴木・⻑友・武藤・山根・佐藤(綺)・山﨑・秋山・工藤
16 Maxとき315号/柏木・大盛・黑須・向井地・太田・橋本(恵)・畠山・水島・新井・成田
──ビデオメッセージ:前田敦子・山本彩・北原里英・石川梨華(元モーニング娘。)──
17 If/柏木・高城亜樹・倉持明日香(フレンチ・キス)
──MC──
18 カッコ悪い I love you!/柏木・高城亜樹・倉持明日香(フレンチ・キス)
──柏木由紀トーク映像──
19 RIVER/柏木・岩立・倉野尾・込山・谷口・永野・福岡・向井地・村山・山内・水島・秋山・工藤・八木・山口・高橋みなみ
20 少女たちよ/柏木・大盛・岡部・小栗・小田・行天・下尾・髙橋・田口・千葉・徳永・橋本(陽)・武藤・山根・平田・横山由依
21 遠距離ポスター/柏木・鈴木・⻑友・佐藤(綺)・山﨑・ 高城亜樹・宮澤佐江
22 Choose me!/柏木・指原莉乃・峯岸みなみ
──MC──
23 ジワるDAYS/柏木・大盛・小栗・倉野尾・下尾・田口・千葉・⻑友・向井地・村山・山内・佐藤(綺)・平田・水島・秋山・八木
24 フライングゲット/全員
25 君と虹と太陽と/全員
26 10年桜/全員
27 Green Flash/全員+小嶋陽菜
28 カラコンウインク/全員
──アンコール──
──MC(卒業スピーチ)──
EN1 最後の最後まで/柏木
EN2 初日/柏木・浦野一美・片山陽加・菊地あやか・田名部生来・仲川遥香・仲谷明香・平嶋夏海
EN3 約束よ/全員+浦野一美・片山陽加・菊地あやか・田名部生来・仲川遥香・仲谷明香・平嶋夏海
──MC──
EN4 桜の花びらたち/全員+宮澤佐江・高城亜樹・倉持明日香・高橋みなみ・横山由依・指原莉乃・峯岸みなみ・小嶋陽菜・浦野一美・片山陽加・菊地あやか・田名部生来・仲川遥香・仲谷明香・平嶋夏海
──MC──
EN5 遠距離ポスター/全員

………………………………………………………………………………………………………

画像20: ©︎AKB48

©︎AKB48

「AKB48春コンサート2024 inぴあアリーナMM柏木由紀卒業コンサート〜17年間、歩いて来たこの道〜supported by イモトのWiFi」

2024年3月16日(土)神奈川 ぴあアリーナMM

出演:
【AKB48 正規メンバー】
柏木由紀・岩立沙穂・大盛真歩・岡部 麟・小栗有以・小田えりな・行天優莉奈・倉野尾成美・黑須遥香・込山榛香・坂川陽香・佐藤美波・下尾みう・鈴木くるみ・髙橋彩音・田口愛佳・谷口めぐ・千葉恵里・徳永羚海・⻑友彩海・永野芹佳・橋本陽菜・福岡聖菜・向井地美音・武藤小麟・村山彩希・山内瑞葵・山根涼羽
【AKB48 17期研究生】
太田有紀・小濱心音・佐藤綺星・橋本恵理子・畠山希美・平田侑希・布袋百椛・正鋳真優・水島美結・山﨑 空
【AKB48 18期研究生】
秋山由奈・新井彩永・工藤華純・久保姫菜乃・迫 由芽実・成田香姫奈・八木愛月・山口結愛
【AKB48 OGメンバー】
宮澤佐江・倉持明日香・高城亜樹・高橋みなみ・横山由依・指原莉乃・峯岸みなみ・小嶋陽菜・浦野一美・片山陽加・菊地あやか・田名部生来・仲川遥香・仲谷明香・平嶋夏海

This article is a sponsored article by
''.