原作:生駒里奈/漫画:古屋兎丸による人気コミック『図書委員界』が、生駒里奈、若月佑美、斉藤朱夏、吉岡茉祐ら人気俳優・声優の出演で舞台化。10月10日より朗読演劇『図書委員界』として上演される。そこで、主人公の委員長を演じる生駒里奈、ヒロインの今村海を演じる若月佑美、乃木坂46 1期生同士の二人にインタビュー。

撮影/久保田 司
文/辻 幸多郎

懐かしい話をしながらも、芝居に投影できたらいいなと思っています

──撮影の合間のお二人の様子を伺っていると、会話も弾み、とても仲睦まじく感じたのですが、乃木坂46 1期生の同期で旧知の間柄だけに、今回の共演はやりやすいのかなと思うのですが。

若月「えー、やりにくいです(笑)」

生駒「(乃木坂46を)卒業した後に同期とこういう取材をやるなんてないから、話はそりゃ弾みますよ。でも、お芝居ってなったら、たぶん恥ずかしい」

若月「そう。やりづらさの一番は、ちょっと恥ずかしいんですよ」

生駒「若(若月)に観に来てもらうとなっても、なんかちょっとなんか恥ずかしい」

若月「わかる」

生駒「観に行くと逆に、“頑張れ!”みたいな気持ちが出るんですけど」

若月「それはありますね」

──それでも同期ということで、知り尽くしている間柄だと思うんですけど、お互いの関係性についてはいかがですか?

生駒「別に知り尽くしているわけではないよね?」

若月「でも、卒業してから環境が変わって、いろんな人との出会いがお互いあって、その中でちょっとずつ当時よりも大人になった部分ももちろんあるんですけど、刺激されて変わっていった部分というのもあるので、そこが今、いいほうに動いたらなとは思っています。私はちょっと陰な部分が加速しているんですけど(笑)」

生駒「昔は逆だったはずなのに。若のほうが明るいというか、人とのコミュニケーションが取れる子だったんですけど、久しぶりに会ったら、“あれ……?”(笑)。でも、それって乃木坂46の頃に見えていなかった部分なのかもしれない。今、こうして取材を受けていると、やっぱり話が上手だから、安心というか、変わらず安定しているなぁって思いますけど。ただ、お芝居に関しては、乃木坂46の時に二回、『すべての犬は天国へ行く』と『あさひなぐ』でツラいお稽古期間を経て、本番を乗り越えてきた二人なので、それ以来だから……8年ぶり? それぐらい経ってますので、お互いに楽しみだよね」

若月「うん。懐かしい話をしながらも、芝居に投影できたらいいなと思っています」

──若月さんから見て、生駒さんはどう変わりました?

若月「え、明るいです。明るいですっていうのもあれですけど(笑)」

生駒「自分でも思います。非常に明るくなりました」

若月「もともとが別に暗いわけじゃなかったんですけど、一人で過ごす時間がとても好きなタイプなのかなっていう印象が強かったんです。今はいろんな方といろんなところに行ったり、いろんな人と関わっていくことがすごく楽しいっていうのを聞かせてもらうこともありますし、”そうなんだろうな”っていうのが表情を見て感じる。“どうしてこうなったんだろうな”と思っています(笑)」

──では、役者としては、お互いどういう印象を持たれていますか?

生駒「役とか作品に対して、若は規律を持って関わるのかなって。私よりも先に舞台をやっていたからか、役とか作品に対して忠実にしっかり組み立てて作るんです。それに迫力もあるし、出てくるものもオリジナリティがあるし。そういう役者さんってあまりないタイプだなっていうのは、私も舞台をやるようになって、いろんな俳優さんを見ていく中で、自分なりに若を分析した結果です」

若月「私は、生駒ちゃんはやっぱり唯一無二な存在だなって。それは本人にも感想で伝えたことがあるんですけど、何にも属さない“生駒里奈”という存在がいることを感じるんです。役として馴染んでいることが大前提ではあるんですけど、毎回観に行って、誰がやっても生駒と同じことはたぶんできないっていう。表現者として持って生まれたものっていうのは確実にある人だなとすごく思っていますし、だからこそ、普通の女の子ももちろん生駒はできるんですけど、そうじゃない役、当て書きとまではいかなくても、そういうものがパシッとハマったら、それはもう生駒以上にできる人はいないだろうなっていうのは感じています。私が前回観に行かせていただいたのが、梅坊さんの『クリス、いってきマス!!!』だったんですけど、生駒ちゃんが少年っぽい役をやってて」

生駒「16歳の男の子なんですが、サンタさんになりたくてっていう」

若月「その役が生駒にすごくしっくり来る感じで。推しがサンタクロースってところで、推しに対しての愛の爆発のさせ方とかも、本人がアニメが好きだったり、いろんなものを推し活をしてるからこそ出るものがあって。そのリアリティは生駒以上の人はいないなと思いました。少年らしさもすごくいいい塩梅で。男性までいかないんですよ。少年と少女の狭間が曖昧な時期の感じがすごく出ていたので、クリスくんは16歳でしたけど、13歳くらいの男の子もたぶんできるんだろうなって」

生駒「やらせてほしいです」

若月「そういうところが唯一無二だなって思います」

生駒「若は『薔薇王の葬列』のリチャード。その役がまた特殊で、男の成分と女の成分があるっていう」

若月「そういう設定でした」

生駒「“マジそれ!!”みたいな感じでした(笑)。さっき楽屋でしゃべってたんです。“お互いにはなれないね”って。キャラは被ってないけど、どこかボーイッシュさもあるし、もちろん性別は女性ですからお互い女の子もできるんですが、若も絶対に宇宙人とか人外もできるんです。ただ、若は私以上にまじめな成分が多い。私は頑固の成分が多いまじめ(笑)。若はまじめの成分が多い頑固なので、そこの差は結構はっきり出ているなって。ちょっと似ている部分もあるのかなと思っていたんですけど。だから、若にしかできない凄味というのがありますし、役としてハマるというのは最優先であると思うんですが、自分の領域にできるってところが長けてる人なんだなって思います」

画像: 懐かしい話をしながらも、芝居に投影できたらいいなと思っています

仲間が自分にいるんだっていうのは、すごく嬉しいことなんだなって思います

──今回、若月さんが演じる今村海は、生駒さんの学生時代が投影されたキャラクターということですが、生駒さんはキャスティングにも関わられたそうですね。若月さんをキャスティングされた理由は?

生駒「若とは”いつか一緒にお芝居をしたいな”っていう想いがあったんです。それで今回、“生駒ちゃん、キャスティングもやっていいよ”というお話になったので、であれば、“若月佑美”という名前を出して。ただ、必ずしも若に今村海ちゃんを演じてほしいってことではなかったんです。だから(制作側から)“この役でどうですか”ということを相談された時、“若がここなんだ”って意外なところもあったんですが、乃木坂46時代から舞台で頑張っていたりする姿を見ていましたし、私の中では今村海ちゃんの役のイメージがなかったからこそ、どういうアプローチで若が作ってくれるんだろうって、楽しみになりました」

若月「とてもプレッシャーなんですけど(笑)」

──若月さんはどういう気持ちで今村海を演じていきたいですか?

若月「私は最初、生駒ちゃんが原作であるというお話だけいただいた時に、“生駒の名前で私にできることがあれば”ということを真っ先に思ったので、お受けさせていただいたんです。その後、役が決まった時に、これまで気の強い役が多かったりしたので、意外だなというところで私もちょっとびっくりしたんですけど、今村海ちゃんも気の強さとは違う芯の強さというか、実は軸にしっかりと自分を持っていることが見える台本になっていたので、そういう部分を別の方向性でしっかりと作り上げていけたらいいなと思いました」

生駒「若はきっと、“これもできるけど、こっちのほうがいいよね”みたいなキャスティングが多かったと思うんですよ」

若月「そうですね、受けの芝居よりも攻めのほうが多かったので。だから、そこをどういう風に表現していこうかなって。やりすぎてキャラクターになりすぎてもちょっと伝わらないものもあるかなって思うし。フィクションではあるんですけど、リアリティがすごくある内容だったりするので。アニメの登場人物っていう風になりすぎても違うかなって思うので、そこはいい塩梅で演じていけたらなとは思っています」

──台本を読まれて、今村海というキャラクターに“生駒さんだな”と思うような瞬間はありましたか?

若月「本人からちらちら聞いていた昔の話とか、そういうところでリンクする部分もあったはあったんですけど、この物語は人を救える話でもあるのかなと思ったので、生駒すぎずというか、あえてそこは切り離して、新しいキャラクターとしてちゃんと物語を伝えて行けたらなと思いました」

──ところで、委員長を演じる生駒さんの学ラン姿、インパクトがすごいですね。

生駒「本当ですか?」

──ええ、すごいです。じゃあ、男の子を演じるお気持ちというのは?

生駒「私的には男の子役がしっくりしやすいというか、自分の性格、感性に合っていて。『図書委員界』をやるってなった時も、私は“委員長をやりたいです”って言ったぐらいなんです。このビジュアルも、自分で自分のことを褒めるのは恥ずかしいんですが、似合っているなって思いますし。それに、自分の中で30歳になるっていうところで、俳優としていろんなものになれるようになりたいけど、こういう男の子が得意な俳優にもなりたいなっていう想いも合って。だから今回は、自分の中でも確立する挑戦の作品かなって思っています」

──改めてご自身原作のコミックが朗読劇となる気持ちをお聞かせください。

生駒「『図書委員界』という作品を、私の憧れである古屋兎丸先生とやらせていただくというのがまず奇跡だったんですが、自分が信頼する役者さんたちと一緒の朗読劇になるっていうのは、一生あるかないかみたいなところでもありますし、『図書委員界』という漫画を作った直後に舞台化の話もあったんですが、そのタイミングじゃなかったんだなっていうのは、今回のキャスティングだったり演出家さんだったりというところで確信に変わって。この日のために『図書委員界』を作っていたのかなと思ってもいいぐらいの気持ちにさせていただけたので、すごく誇らしいですし、嬉しいです」

──本作は「ハイセンス A3-D 朗読演劇」ということで、生駒さんは『青野くんに触りたいから死にたい』でも同じ制作会社(eeo Stage)による朗読劇に触れられましたが、普通の朗読劇とどのように違うのかを教えていただきたいです。

生駒「演出の木村(好克)さんと話していたら、朗読劇なんですが、“ちょっと演劇の要素も取り入れたような感じでやりたいな”っていうイメージをおっしゃっていて。お客様から、朗読劇だとちょっとハードルが高いというか、観ていて眠くなっちゃうんじゃないかみたいな心配をされる声も聞くんですが、今回の『図書委員界」は動きも交えていろいろなメッセージをお伝えしたいなと思っているので、お客様には新感覚な朗読体験をしていただけるんじゃないかなと思っております」

──若月さんは、朗読劇は今回が初めてということで、どんな心境で挑みたいですか?

若月「正直、緊張しているというか、勝手がわからないので、どういう風に言葉だけで表現できるのかとか、そういうところの不安はなくはないです。朗読劇を観劇しに行ったことがあるんですけど、朗読劇って自分の中で想像していかなきゃいけない部分もあって。ただ、それが観る側としての楽しみにもなるんだなっていうことを観劇した時に感じたし、そういうところが表現できたら素敵なんだろうなって思ったので、まだ未知数なので自分がどんなことをできるかわからないですけど、頑張りたいなと思います」

──それでも同期がいるというのは、やはり心強いのでは?

若月「そうですね。特に生駒ちゃんはすごく向上心が高いですし、いろんな現場を観に行って、いろんなものを吸収して帰ろうという気持ちを持っているところに、同期としてまだまだ大志を抱いていかなきゃいけないんだなって教わります。“あ、生駒ちゃん、これやっているんだ。すごいな”って思えるところは、同期として意識して、これからもいい意味で刺激をもらっていくんだろうなと思っています」

生駒「以前の自分だったらここで恐縮しちゃうというか、“いや、そんなこと……”ってなったんですが、若のそういう言葉も“ありがとう”って自然と受け止められる自分に、変化しているんだなって感じます。それに、こういう仲間がいるんだっていうのを、卒業してからより実感したというか。これを観に来てほしいなとか、今日来てくれるから頑張ろうとか、そういった仲間が自分にいるんだっていうのは、すごく嬉しいことなんだなって思います」

素敵な作品ができたらいいなと思うので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいなと思います

──『図書委員界』の作品名にちなんだ質問を。「◯◯委員」って、今までやられたことが必ずあると思うので、ご自身の中で印象に残っている「◯◯委員会」を教えてください。

生駒「中学の時の美化環境委員会。本当は図書委員になりたかったんです。でも、図書委員しかやらない人で固定されていたので、そこにはちょっと入り込めなくて。といって、放送委員とかクラスの中で目立つ委員になるのも嫌だったし。そんな中で、美化環境委員は空気のような……」

──ゴミ拾いとかするんじゃないですか?

生駒「やった記憶がないんですよ(笑)。それぐらい仕事がなかった。だから委員を選ぶ時、“美化環境委員やりたい人”ってなったら、その時だけ俊敏に手を挙げて、見事に勝ち取りました(笑)」

若月「私は小学生の時に放送委員をやっていました。生駒ちゃんがおっしゃる通り、まじめにきっちり、掃除の時間になったら時間通り“掃除の時間です”とアナウンスをし、掃除の時間の音楽を流し。それをすごく楽しくやっていた記憶があります」

生駒「給食のメニュー言わなかった?」

若月「それは言わなかった」

生駒「うちの学校は言ってた。給食の時間に配膳取りに行くでしょ。その時に“給食の時間です。今日のメニューは……”って」

若月「えー、いいな。テンション上がる。……あ、思い出した。私、給食の時間にずっと(落語の)『寿限無(じゅげむ)』を読み聞かせていました。給食中の放送、何をやってもいいってことだったので」

──“寿限無、寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末……”って?

若月「はい。小学生がずっと『寿限無』を聞かされるって可哀想だと思うんですけど(笑)、“『寿限無』やるか!”って言って、『寿限無』やってました」

──では最後に、公演を楽しみにされている方へメッセージを。

生駒「乃木坂46ファンの皆様には乞うご期待な共演かと思うんですが、『図書委員界」という作品を普通に楽しんでいただきたいので、そこに向かって私も俳優としてやってきたところを全力以上に出し尽くして、素敵な作品にしたいなと思っております。ご期待しながら本番を待っていただけたらなと思います」

若月「生駒ちゃんが原作として関わってるっていうところで、いい意味で何か一つ背負えたらなと思いますし、背負いすぎずフラットな関係性で演者として関わっていくことがベストなのかなとも思うんですけど、最終的に素敵な作品ができたらいいなと思うので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいなと思います」

画像: 素敵な作品ができたらいいなと思うので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいなと思います

PROFILE

画像: PROFILE

生駒里奈 RINA IKOMA

1995年12月29日生まれ。秋田県出身

画像: 生駒里奈 RINA IKOMA

若月佑美 YUMI WAKATSUKI

1994年6月27日生まれ。静岡県出身

作品紹介

ハイセンス A3-D 朗読演劇『図書委員界』

画像1: 生駒里奈 × 若月佑美:
朗読演劇「図書委員界」インタビュー

中学3年生の今村海(若月佑美)は、親友にも裏切られ、いじめを苦に自殺を考えていた。ある日、「どんな悩みでも解決します。放課後17時に日本文学の棚にお越しください」という手紙が海の元に届く。おそるおそる図書室の扉を開くと、地響きと同時に「図書委員界」と名乗る5人組が出現。委員長と名乗るリーダーらしき男の子(生駒里奈)は「この5人が海の悩みを解決する。お金は一切頂きません。欲しいのはあなたの物語」と、報酬は海の物語を書かせてもらうことだと言う。図書委員界からの提案を受け入れた海。果たして海の悩みは解決するのか!? 図書委員界と関わった海はどう変わりどう成長していくのか!!

原作:生駒里奈
漫画:古屋兎丸(BUNCH COMICS/新潮社)
演出:木村好克
出演:生駒里奈 若月佑美
   斉藤朱夏・吉岡茉祐(Wキャスト)
   小松準弥 
   藍染カレン・今村美歩(Wキャスト)
   大平峻也・平川結月(Wキャスト)
   汐谷文康・濱 健人
   長谷川かすみ 伊藤優衣 
10月10日(金)-10月13日(月・祝)東京 CBGK シブゲキ!!にて上演

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画像2: 生駒里奈 × 若月佑美:
朗読演劇「図書委員界」インタビュー

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