連続テレビ小説『スカーレット』の川原武志役や、ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の伊藤真司役に、今年8月14日公開の映画『弱虫ペダル』の今泉俊輔役など、続々とオファーが舞い込み役者道を破竹の快進撃で進んでいる伊藤健太郎。映画出演作品についてや俳優像など語る。
撮影/久保田 司 スタイリスト/前田勇弥 ヘアメイク/伊藤ハジメ(Crollar) 文/内埜さくら

――映画『今日から俺は!! 劇場版』のお話を。ドラマ版は役者人生のターニングポイントになったそうですね。
「それまでは“健太郎”名義で活動していて、いつ名字をつけようか迷っていたときに出会ったのが、この作品の伊藤真司役です。『SLAM DUNK』の流川楓が好きなので、“流川”への改名も検討しましたが、伊藤真司を演じたことで本名の“伊藤”にしようと決断できました。あとは、連続ドラマで夜 11 時という放送時間帯と二番手という役柄を初めて演じたことで、環境がガラリと変わりました。伊藤健太郎という俳優の存在を知ってくださる方が増えましたし、ドラマをきっかけに僕のことを好きになってくださる方も増えました。どこへ行っても“今日俺を観ました”とか、“伊藤がよかった”という声をいただけるようになったので、とても有り難いです」

――しかも伊藤は、いい男ですし。
「髪型はクソダサいのに(笑)、“曲がった奴には絶対負けない”という信条を持っているのでカッコいいですよね。男が憧れる男だと思います。“これほどまっすぐな男は素敵だな”と、演じながらも感じていました。橋本環奈さんが演じる、彼女の早川京子には激甘ですが、一途で絶対に浮気なんてしないでしょうし。女性からも好きなキャラクターだという声をよく聞きます」

画像1: 伊藤健太郎:独占インタビュー「伊藤健太郎という人間の印象が良くても悪くても、印象に残るような役者ではなく、印象に残る人でありたい」

――髪型は地毛で作っていますよね。整髪剤を落とすのが大変では?
「ものすごく大変です。40 分ほどかけて作り上げるのですが、何回シャンプーをしても落ちないんです。ドラマの撮影期間は3ヶ月でしたが、終盤には整髪剤が白くポツポツと残ったままでした。撮影が終了後、美容院へ3~4回行って特殊な液体を使って落としてもらっても落ちなくて、髪の毛がかなり痛みました」

――あのツンツンヘアーのまま帰宅はできないですよね。
「帽子をかぶってもツンツンのてっぺんに乗るだけで髪の毛はまったく隠れず意味がないので(笑)、3月に映画を撮影したときも現場でシャンプーをしていました。ドラマのときはバケツに頭を突っ込んで洗っていましたが、まだ寒いのでできなかったんです。映画ではスタッフさんが工夫してくださって、簡易シャワーを準備してくださったんです。3人がかりで洗っていただき助かりました」

画像2: 伊藤健太郎:独占インタビュー「伊藤健太郎という人間の印象が良くても悪くても、印象に残るような役者ではなく、印象に残る人でありたい」

――映画では、原作でも特に人気が高いエピソード“VS北根壊(ほくねい)高校編”が描かれているそうですね。
「自分で言うのはおこがましいですが、すごく面白いですよ。柳楽優弥さん演じる柳鋭次と、栄信さん演じる大獄重弘が北根壊高校のツートップなのですが、大悪のツッパリで。賀来賢人さん演じる三橋貴志と伊藤が、なぜこの2人と戦うハメになったのか。誰とともに戦うのか。内容盛りだくさんです。ドラマからご覧くださった方が観たら、かなり興奮するはずです。もちろん、ドラマをご覧になっていなくても楽しめますが、より映画を楽しんでいただくためには、もう一度ドラマをご覧いただくことをオススメしたいです」

――バディ役の賀来賢人さんとは、ドラマ撮影時から仲がいいとか。
「お兄ちゃん的な存在で、芝居の相談に乗っていただくほか、公私ともに仲良くさせていただいています。いつも、“ご飯行くか!”と誘っていただき、美味しいお肉を食べさせてもらっているんです。ドラマでは、ロケ地が栃木県足利市だったので、焼き肉やステーキ、しゃぶしゃぶ......毎日ひたすら何かしらのお肉を、一緒に食べていました(笑)」

画像3: 伊藤健太郎:独占インタビュー「伊藤健太郎という人間の印象が良くても悪くても、印象に残るような役者ではなく、印象に残る人でありたい」

――伊藤さんは大の肉好きですよね。
「祖母の作る豚肉の生姜焼きも大好きですし、ステーキなら毎日でも食べられます。ほぼ毎日料理をしていますが僕、芸能界で一番、ステーキを焼くのが上手いかもしれません。少し大げさですが(笑)」

――最後に、今後目指している俳優像も教えていただけますか。
「基本的に、“こうなりたい”という具体的な役者像は持たずに仕事をしています。ハリウッドデビューが1つの目標ではありますが、ゴールだとは捉えていませんし、それがすべてではないと思いますし。モチベーションとしては、“大河ドラマで主役を演じたい”とか“朝ドラへ出演したい”という思いと同じです。ハリウッド作品は規模が壮大ですし、出演できるのはすごいことですが、それだけを目標にしてしまうと、大切な何かを見失ってしまいそうで怖いので、1つにしぼりたくないというのが本音です。そういった気持ちをすべてひっくるめて伊藤健太郎という人間の印象が良くても悪くても、印象に残るような役者ではなく、人でありたい。もし僕が死んだら、“あいつ、カッコよかったよな”と言ってもらえる人になりたいです。......と、話していて気づいたのですが、僕が目指す人間像は大物にならないと叶わない気がするので(笑)、もっと頑張ります!」

PROFILE

画像4: 伊藤健太郎:独占インタビュー「伊藤健太郎という人間の印象が良くても悪くても、印象に残るような役者ではなく、印象に残る人でありたい」

伊藤健太郎 KENTARO ITO

1997年6月30日生まれ、東京都出身。

〈近年の主な映画出演作〉
『ルームロンダリング』(2018年)
『コーヒーが冷めないうちに』(2018年)
『覚悟はいいかそこの女子。』(2018年)
『ういらぶ。』(2018年)
『惡の華』(2019年)
『のぼる小寺さん』(2020年7月3日公開)
『今日から俺は!! 劇場版』(2020年7月17日公開)

〈公開待機作〉
『弱虫ペダル』(2020年8月14日公開)
『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020年 9 月4日公開)
『とんかつ DJ アゲ太郎』(2020年10月30日公開)
『十二単衣を着た悪魔』(2020年11月6日公開)

学生時代の”蒼いエピソード”やプライベートのお話など伊藤健太郎さんのグラビア&インタビュー詳細は7月3日発売の「SCREEN+Plus(スクリーンプラス)Vol.67」本誌にてご紹介しています。

画像: 伊藤健太郎さん:SCREEN+Plus Vol.67発売中 youtu.be

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