YARNS「ヤーンズ」とは、英語で「紡ぎ糸」という意味で、さらに、「作り話」「大げさなホラ話」といった意味を持つ。
果たして患者の語る物語は「真実」なのか「作り話」なのか……。
本作は、脚本家・演出家の鈴木勝秀(スズカツ)が、2014年に能楽を現代的に蘇らせる試みをして以来、「能楽と現代劇の融合」を模索し続け、“スズカツ能楽集”としてシリーズ化を目標としてきたもので、カウンセリングや告解を覗き見ているような不思議な雰囲気を創り上げ、人々の繊細な心情を描く。
主演の佐藤アツヒロと脚本・演出のスズカツとのタッグは今回で6回目。
佐藤アツヒロは見知らぬ女を夢に見て苦しみカウンセリングを受けに来る患者を演じる。
さらに、夢の中に出てくる詩人の男を鈴木裕樹が、精神科医ランバシの息子のトオルを前田隆太朗と大山将司がWキャストで、精神科医・ランバシを中村まことと加納幸和がWキャストで演じる。
脚本・演出/主演 コメント
鈴木勝秀
「コロナ感染予防対策と上演に関して」 僕個人としましては、7月に演劇公演が再開されてから、リーディング公演として、無観客配信(『シスター』)、観客30%+VR配信 (『ディファイルド』)、観客50%(『日本文学の旅』)といった形で上演をしてきました。そして今回、ついに演劇作品の公演にたどり着き ました。戦争や災害で劇場がなくなったわけではありませんし、芝居を作りたいというキャストもスタッフも、そして観客がいなくなったわけ でもありません。むしろ芝居に対する欲求は、とても高くなっているように感じます。しかし、感染予防対策は万全を期さなければなりま せん。劇場が以前の状態に戻るには、まだしばらく時間がかかります。そのために劇作・制作ともに、いろいろと制約を受けることになり ます。ですがあらゆる表現活動には、さまざまな制限・制約があるものです。その制限・制約の中で、いかに自由を獲得するか、という ことが、表現者に求められていることだと思います。そして少なくとも私は、この制限・制約のある状況だからこそできる演出の仕方があ ると考えています。感染予防対策からスタートしていたにしても、作品としてのクオリティーを高めることに結び付けることが重要です。舞 台を透明ビニールで囲うことと、小劇場空間なのに、あえてキャストがマイクをつけることは、感染予防対策だけではなく、少なくとも僕 にとって演劇的「実験」です。そして僕は「実験」が大好きなので、モチベーションはかなり高まっています。
鈴木勝秀(suzukatz.)
鈴木勝秀:1959年12月20日生まれ、神奈川県出身
1987年に“ZAZOUS THEATER(ザズゥ・シアター)”を旗揚げ。1997年まで主宰者として構成・演出を務める。1998年以降は個人で活動。 また映像作品の脚本家として、『世にも奇妙な物語』などの脚本を担当している。近年手掛けた主な作品に『ウエアハウス/る・ぽえ』 (20・脚本・ 演出)、『The Blank! ~近松門左衛門 空白の十年~』(19・脚本・演出)、ロックオペラ『R&J』『hymns』『僕のド・るーク』(19・上演台本・ 演出)、『鈴木勝秀(suzukatz.)-190110/ホロン』(19・脚本)、リーディングドラマ『シスター』(18・作・演出)、『6週間のダンスレッスン』(18・上 演台本・演出)、『Punk Fantasy Boss Cat』~シャルル・ペロー「長靴をはいた猫」より~ 『GJ』『GANTZ:L』(18・脚本・演出)などがある。
佐藤アツヒロ
今回の出演にあたって、再びスズカツさんの世界観を体感し、舞台上で表現できることを幸せに思います。スズカツさんとは、今までの 作品を通していろいろな価値観を共有し、物の捉え方や感じ方に僕は常にワクワクドキドキしていました。これまでも、ほとんどセッションのような、その場その場で起こる物語を体感し表現してきたので、今回も二組のダブルキャストや、物語 の軸となる深層心理によって、何が起こるかわからない新たに濃い演劇的セッションが生まれることがとても楽しみです。 自分自身の中にあるスズカツさんへの思いと、共存し合う価値観、そして更なる探究心を持ち、このキャストで新たなスズカツワールド 「YARNS」に挑みたいと思います。そしてこの新しいスズカツワールドに挑戦してスズカツさんがニッコリしているところを見たいです。
佐藤アツヒロ:1973年8月30日生まれ、神奈川県出身
1987年に、光GENJI のメンバーとしてデビュー以降、ソロデビューなども果たしアイドルとして活躍。2000年の『ララバイまたは百年の子守唄~ハッ シャバイより~』にて初舞台を踏み、以降は舞台俳優としても活躍する。2018 年には、舞台『SaGa THE STAGE~七英雄の帰還~』にて主演を務めるとともに、初めて演出も手掛けた。近年の主な出演作に【舞台】『楽屋』(20)、『ブラック or ホワイト?-あなたの上司、訴えます!-』 『hymns』(19)、『人形の家』(18)、『剣豪将軍義輝~星を継ぎ者たちへ~』『30-DELUX SQUARE ENIX Special Theater ロマンシング サガ THE STAGE ~ロアーヌが燃える日~』『さくら色 オカンの嫁入り』(17)、【ドラマ】「執事 西園寺の名推理 2」(19・TX)、「特命刑事カクホの女」(18・TX)などがある。
STORY
高校の同級生との再婚を考えているスガヌマは、ある日から見知らぬ女の夢を見るようになる。この夢に苦しむスガヌマは、精神 科医・ランバシの勧めにより、夢日記と箱庭療法を始めた。ランバシの実子であるトオルは激しいマザーコンプレックスで、時々カウンセリング・ルームに現れてはランバシを困らせる。
夢日記と箱庭療法によって、奇妙なスガヌマの夢の細部が次第に浮かび上がってくる。箱庭に表現された灯台のある風景は、 スガヌマの幼少時に描かれた絵と同じものだった。これは前世の記憶かもしれないと疑うランバシと、にわかには信じられないスガ ヌマ......。そしてふたりは、さらにスガヌマの深層へと下りていく――
会話劇『YARNS』
【脚本・演出】鈴木勝秀
【出演】佐藤アツヒロ/鈴木裕樹 前田隆太朗・大山将司(Wキャスト)/中村まこと・加納幸和(Wキャスト)
【主催】atlas
【東京公演】2020年10月7日(水)~11月8日(日) 浅草九劇
【大阪公演】2020年11月21日(土)~23日(月・祝) シアター・ドラマシティ
チケット発売日 2020 年 9 月 19 日(土)
チケット料金 8,000 円(全席指定・税込)
プレイガイド チケットぴあ https://w.pia.jp/t/yarns/ (PC/スマートフォン)
お問合せ atlas ticket2@g-atlas.jp (現在電話によるお問い合わせ受付は休止しております)
・ご来場に際してのお願い事や注意事項は 9 月下旬を目処に公式 HP にて発表いたします。
・開場時間はロビー・客席共に現段階では東京・大阪ともに各回開演 45 分前を予定しております。
・上演時間は 80 分(途中休憩なし)を程度を予定しております。途中休憩はございません。