全国47都道府県の約100名と映画『糸』でつながる「大ヒット御礼!オンラインミーティング」が開催された。
オンラインでつながったファンが、菅田と小松に向けて、映画『糸』を観た感想を話したり、質問を投げかけて菅田と小松の2人が答えるというやりとりが行われた。
全国47都道府県の約100名とのオンラインイベント後には、マスコミ向けにクロージングトークが行われ、オンラインミーティングを行った感想、メガホンをとった瀬々監督から2人に宛てた手紙のサプライズ、映画『糸』のプロモーションが終わることについての想いや感想などの内容が展開された。
オンラインミーティングの感想
菅田「インタビューや舞台挨拶と違って、しゃべってないことをしゃべりましたね。こちらが用意していたものではない会話になるので、新鮮でよかったですね。すごい時代ですね」
小松「10代の子の感想がしっかりしてるんだなと」
菅田「すごい優秀な。トップコートに欲しいんだよな(※菅田所属の芸能事務所)」
MC「優秀な人材を自分のところにという、そういうオンラインじゃないんで(笑)」
小松「そうだよ」
菅田「しっかりした子がいっぱいいたよね」
小松「分析力とか、なかなか映画を観て全部を吸収して自分の中で咀嚼して」
菅田「(なかなかその年齢では)言葉にできないよね」
小松「すごかったという感想しかないけど。人生とはとか、まだ10代なのに」
菅田「俺、夏休みの作文とか、どこどこに行ったとか、これを食べたというレベルだったよ」
小松「すごいなと、思って。10代の子」
菅田「届いているな感というか、伝ったんだなというのが感じ取れてよかったですね」
小松「今まで映画を観て泣かない人も、『糸』を観て泣いてくださった方もいると聞いて、何度観ても、3回も観てくださった方もいて、いろんな観方もあって、ちゃんと伝わってくれてよかったなと思います」
全国47都道府県のオンラインミーティングで印象に残った質問
菅田「学校の先生をやっている方の何歳に見えます?という。あの方最高でしたね。もっとお話ししたかったですね」
MC「普通のマスコミのインタビューでは絶対聞かれない質問ですからね」
菅田「先生ですから、私をいじってのスタンスでほっこりしました」
MC「小松さんはありますか?」
小松「千葉県の高校生の女の子、ちゃんとしっかりしてて。質問が違うなと思いました」
菅田「質疑応答がちゃんとしてたもんね」
小松「糸の本が、書けそう!すごかった」
菅田「見習わなければと思いましたね」
瀬々監督からの2人へのサプライズの手紙
菅田くん、小松さん 長い間の糸行脚、ありがとうございました。
ちょうど1年前の夏からの撮影でした。その頃は、今のようなコロナ禍の状況など考えもしませんでした。そうして一時はどうなることかと思いながら、今こうやって劇場で観客の皆様を前にしてスクリーンに映し出されるのは本当にうれしいです。王道まっしぐらのすれ違いのこの映画の物語ですが、2人のそこにる、それだけ、それで勝負している感じ、そんな感覚の存在というか、似住まいというか、それがこの映画を大きく救ってくれたと思っています。そこにいる、それだけ、2人に共通するその感じ、前から好きでした。2人のシーンで僕が一番好きなシーンは、函館の漁港で抱き合うシーンです。あんなことがあったのなら、人生はそれで、それだけでいいんじゃないかと僕なんか思えてしまいます。小松さん単独では、シンガポールの活動。実際に糸を流しながら撮った2テイク。溜めていたものが一気にグッとはじける感じ。小松さんの瞬発力。あのシーンが本当にシンガポール撮影の最終カットで、現地のスタッフと何か名残惜しい感じだったのも印象的です。菅田くんの僕が一番好きなシーンは、2度目のファイトのところです。成田(凌)くんの歌唱が注目されがちですが、歌を聴きながら、気持ちが変わっていく漣の表情。今回は受けの芝居が多かった漣の芝居ですが、その中でも僕は大好きです。初めて行われた出来事のようにその場の芝居を見たい、普段の日常では見られないような感情の爆発を見たい、いつもそんなことを考えて撮影現場に行きます。映画は不自然なことだらけなのに、何回もテストを繰り返して、自然らしさなんかもうないはずなのに、と思いながらもそれを望んでいます。矛盾だらけです。でもそんな矛盾だらけの現場の中でも、菅田くんと小松さんが、たぶんこの作品以前から普段からやろうとしている挑戦と取り組みは、僕らの目論見を超えてさらに新しいものを見せてくれたと思います。そして今振り返ってみると漣も葵も、それぞれある意味では残された人たちだったんだろうなと改めて思ってしまいます。先に死んでいった人たち。そしてここに残された人の悲しみや想い。2人はそれをしっかりと体現してくれたことだと思っています。糸は平成の物語と言っていますが、ずっと昔から、そしてこれからも続いていく物語であり、テーマな気がします。僕も尊敬する映画の先輩や仲間が、すでに何人も先に死んでいきました。そういった人たちは時には腹立たしくあったのですが、残してくれ伝えてくれたものはもかけがえのないものだったと今は思っています。自分自身もそろそろそっちの死に近い側です。映画なんか大嘘なんですが、信じるに足りぬ何かが映画にはあると思っています。信じるに足りぬ何か、糸という映画が、そういう映画になることを祈って。そして菅田さん、小松さんが、このまままっすぐに、いや寄り道をしたっていいんですけど、信じるに足りぬ何かを求め続けることを祈って。いや2人ならやるに決まってるんです。偉そうに言いましたが、今日はその現場に駆けつけることができなくてすみません。菅田さん、小松さん、『糸』、ありがとうございました。
2020年8月29日 瀬々敬久
2人「(拍手)」
菅田「僕もこの熱量の手紙をいただいて歌うことになりました。やっぱ、瀬々さん普段シャイな方なので、なかなか本心が見えにくかったりするんです。でも目の奥はたぎってて言いたいこと、伝えたいことはいっぱいあって、すっごいきれいな目で。なんか今、会いたくなりましたね」
小松「私、現場でも瀬々さんとなかなかちゃんとお話しすることがなくて」
菅田「2人の会話、見たことない」
小松「(笑)目もなかなか合わないし、現場にいる瞬間、葵としている時の瀬々さんのまっすぐな視線は、すごくアツくて愛情と熱量がちゃんとあって、私もそこに応えたいなと思いましたし、手紙を聞いてうれしかったです」
MC「撮影から公開まで延期があり、長期間に渡ってプロモーションも頑張っていただきました。映画について語っていただくのは、今日が最後。公開3週間前の直前に公開延期となって、改めて公開日を決めるまでも苦悩があったりとか、宣伝の仕込み直しがあったりと苦労されたと話を聞きました。プロデューサーの方は5年関わってきて公開できてたくさんの方に観ていただけて、それが今すごくうれしいんですと。お2人とも一緒に走った日々が懐かしく、今日になったらちょっとなんかさみしいなということでした。長期に渡った糸プロジェクト、仲間への想いを聞かせていただけてますか?」
『糸』に関わった仲間への想い
菅田「キャスティングの段階から愛のある現場なんだな、座組なんだなと思って、糸という映画なのでお2人を中心に縁のある方をキャスティングしました、となんて愛情のあるチームというか。そんな始まり方で、現場でもみんなで何度もごはんも行きましたし、わざわざ事務所にも来ていただいて脚本段階で打ち合わとかもしていただいて、お互いイラッとしたこともあったかもしれませんがそんなこともお話しながら創っていけて、常々映画が公開することは当たり前でないことだとこうなると奇跡的なことで、僕ら俳優部は映るということしかできない、ほかの部署の方があってなので改めてありがとうと言いたいですね。ありがとうございました」
小松「脚本の段階からお話しをさせてもらって、役に対してこうしたいとかいうのは初めてとうか、またキャストの方々ともいろんな作品でご一緒した方もいてそれもすごい縁だなと思いました。24歳になって改めて縁を描く作品というのも、自分の中ですごく残る作品だなって思ったので、そういう作品に出会えたことに感謝しています。今この時代になって変わりゆく中で、一番大事なもの、大切なものは人と人の心だし、気づかされましたし、それによって私もお仕事ができてますし、たくさんの人が関わっていて(画面では)見えないですけど、公開できることが当たり前じゃないし、改めて4月が8月になって公開できたこともすごく感謝しています。内容的にもこのタイミングだったと思います。心に浸透するものが全然違うんだなと思いました。長い時間お世話になって、改めて公開できて最後まで糸に関われて、ありがとうございました」
お互いにかけてあげたい言葉
菅田「単純シンプルに、またいい再開がしたいですね。圧倒的信頼度と、お芝居している時の高揚感というのにも何度も助けられてるし、いろんな作品をイチ視聴者としても観たいですし、イチ役者・俳優部としていろんな現場で会いたいなと思います。瀬々さんの言っていた通り、僕らがつないでいかなくてはいけないので、生きている僕らが必死に生きていれば絶対また出会えるという、それを僕ら体現するしかないと思っていますね」
MC「小松さんに感謝の気持ちを告げるとしたらどんなことに対してありがとうと」
菅田「一見、ひょうひょうとしてニコニコしているんですけど、ずっと(他人)人のことを考えているんで、今回も助監督さんのい手伝いでケーブル巻いたりとか、自分の撮影なくても現場行って衣裳部さんの手伝いしてカイロ貼ったり、マイナス10℃の中、俺が着るダウンとかカイロ貼ってくれてましたね。感謝しかないですね。葵と漣っていう2人は不思議な役で、結構難しいんですよ。過去に共演してたからと言って誰でもいいわけでもなく、これは菅田将暉にとって、絶対小松菜奈じゃないとできない漣だと思うし、逆に葵だったと思いますね。楽しい時間をありがとうございました」
小松「出会いが衝撃的なものだったので、そこから糸というものがあって、すごくいい出会いだったし、最初がその出会いだったからこそここまでこられて、さっきおっしゃっていた信頼度とか、こんなに普段というか役を相談したりするのはなかなかできないけど、それを一生懸命聞いてくれて、100倍にして返してくれるところがあって、すごい優しい方だなと思います。でもやっぱりライバルみたいなところもあるなと思いますね。刺激になる存在です。共演してでなくても相手の作品を観るのをイチ視聴者としても私も楽しみですし、頑張れるんですよね」
菅田「わかる、わかる。俺のほうがおもろいもんみたいな気持ちにさせてくれる俳優さんってあんまりいないので、自分が上とかではなくて少ないので、うれしい出会いですよね」
MC「小松さんから菅田さんに感謝を、ありがとうと言えるとしたら」
小松「シンプルに出会ってくれてありがとうございます、なんですけど。いろんなものを、、、本当に、すみません。。。(涙)
小松「いろんなことがあったなと、糸だけじゃないですけど、器の広さというか、人に対する優しさも周りを見れるところも素晴らしいなと思うところですし、私もそうでありたいと思わせてくれる人なので、これからもよろしくお願いします」
菅田「よろしくお願いします。これやばいな」
MC「小松さんとプロデューサーがダブルですごい勢いで泣いてます」
菅田「(小松の言葉と涙を受けて)俺、早く終わってほしい、耐えられない」
MC「以上でオンラインミーティング終了します。菅田さん、小松さんありがとうございました」
STORY
平成元年生まれの高橋漣と園田葵。
北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。
そんなある日、葵が突然姿を消した。
養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのだった。
真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。
しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。
その後、葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。
漣は葵を見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離された…。
それから8年後。
地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。
北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。
もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのだった。
そして10年後、平成最後の年となる2019年。
運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた…
映画『糸』
大ヒット公開中
菅田将暉 小松菜奈
山本美月 高杉真宙 馬場ふみか / 倍賞美津子 /
永島敏行 竹原ピストル・二階堂ふみ(友情出演)
松重 豊・田中美佐子 山口紗弥加 / 成田 凌
斎藤 工 榮倉奈々
Inspired by 中島みゆき「糸」
原案・企画プロデュース:平野 隆
脚本:林民夫
監督:瀬々敬久
音楽:亀田誠治
©2020映画『糸』製作委員会
公式サイト :https://ito-movie.jp/