河瀨直美監督を審査員長に迎え、2017年に発表された第1回木下グループ新人監督賞で、241本の中から栄えあるグランプリに選ばれた作品『AWAKE』。
主演に吉沢亮を迎えて12月25日に新宿武蔵野館ほか全国にて公開される。
本作は、天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会った AI 将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語。
内気で周囲との関わりを持つのが苦手な青年・英一役を、俳優・吉沢亮が演じる。
共演には、31歳にして芸歴30年を誇る若葉竜也、そして映画・ドラマ・舞台と幅広いジャンルで活躍する落合モトキ、昨年第 92 回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞し注目が集まる寛 一 郎。さらに、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まことらが出演。
脚本・監督は、ニューヨーク大学で映画を学び、これまで乃木坂46のミュージックビデオや短編映画で実績を積んできた山田篤宏が商業映画監督デビューを果たす。
11月17日を日本将棋連盟が 1975年に「将棋の日」と制定しているが、江戸時代中期から御城将棋が11月17日(旧暦)に行われていたことが由来とされている。
将棋の日にちなんで、本作に織り交ぜられている有名な小ネタから、マニアックな将棋ネタまでを紹介。
⚫︎羽生善治の名言
ひたむきに将棋と向き合ってきたものの、棋士を目指して戦う重圧に苦しみ、始めたころの楽しさを上回り、徐々に精彩を欠いてきた英一(吉沢亮)を見て、藤村先生が言い放つ「努力したって報われる保証もない。でもね、努力し続けるのが本当の才能だよ」というセリフは、羽生善治九段の名言から引用されている。
降段がかかった大一番、同じ奨励会員でありライバルでもある陸(若葉竜也)との対局に英 一が臨むシーンで、対局を見守る藤村先生の口からこのセリフが放たれるが勝負の行方は果たして・・・!?
⚫︎将棋ソフト【Bonanza】のソースコード
本編では 2013年の出来事として描かれているが、実際にソースコードが公開されたのは、実は2009年。このエピソードは山田監督が、コンピュータ将棋に革命をもたらした【Bonanza】へのリスペクトを込めて挿入した。
棋士の夢をあきらめた英一は、独創的な手を指すコンピュータ将棋にのめり込み、自ら将棋ソフト【AWAKE】を開発。“最強ランク”とも評されている将棋ソフトのソースコードが公開されたことにより、「【AWAKE】はさらに強くなる!」と、英一と磯野(落合モトキ)は将棋電王トーナメントの優勝を目指すことになる―。
⚫︎阿久津主税の名言
【AWAKE】との対局に名乗りを上げ、将棋ソフトの対策に没頭する陸(若葉竜也)が、「勝ちたいと思って対局に臨まない時が来たら、僕は棋士を辞めないといけないと思っています」と言うが、これは実際の電王戦 FINALで阿久津主税八段がインタビュー時に答えた言葉を引用している。
かつてのライバルと、コンピュータ VS 棋士という図式で相まみえることになる英一(吉沢亮)と陸(若葉竜也)。最後に待ちうける、勝敗を越えた感動とは―!?
⚫︎スポーツニッポン 王将戦記念撮影
スポーツニッポン新聞社および毎日新聞社主催の将棋の棋戦でタイトル戦のひとつに王将戦が ある。その王将戦の番ごとの勝者は、スポーツニッポンの紙面掲載用に記念撮影を行うのだが、パ ティシエに扮してロールケーキをつくったり、安来節を踊ったりとユニークな写真が多く、将棋ファンの間 では王将戦の隠れた醍醐味として知られている。本編では、殿様の格好をした陸(若葉竜也)が載ったスポーツニッポンがちらりと登場する。
⚫︎恐怖の赤ヘル少年
1980年代はじめ、各地の将棋大会を席巻した「恐怖の赤ヘル少年」。人混みの中でも 両親が見つけやすいようにと広島カープの帽子をかぶった、少年時代の羽生善治九段の伝説として語り継がれている。場面写真には、その「恐怖の赤ヘル少年」を彷彿とさせる後ろ姿が確認できる。 この少年は一体何者で、どのようなシーンなのか・・・!?
STORY
大学生の英一(吉沢亮)は、かつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。、同世代で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉 竜也)に敗れた英一は、プロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入学したのだった。幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれ るはずもなくぎこちない学生生活を始めるものの、なかなか友人もできない。そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。独創的かつ強い。ま さに彼が理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は、早速人工知能研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ) の手ほどきを受けることになる。自分の手で生んだソフトを強くしたい―。将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。数年後、 自ら生み出したプログラムを<AWAKE>と名付け、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。返答に躊躇す る英一だったが、相手がかつてのライバル、若手棋士として活躍する陸と知り―。
映画『AWAKE』
2020年12月25日(金)、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
出演:吉沢亮 若葉竜也/落合モトキ 寛 一 郎/馬場ふみか 川島潤哉 永岡佑 森矢カンナ 中村まこと
監督・脚本:山田篤宏
製作総指揮:木下直哉
エグゼクティブ・プロデューサー:武部由実子
プロデューサー:菅野和佳奈
アソシエイトプロデューサー:新野安行
将棋協力:日本将棋連盟
将棋電王戦協力:dwango DENSO DENSO WAVE
プログラミング協力:コンピューター将棋協会(CSA)
製作:木下グループ
制作・配給:キノフィルムズ
【2019 年/日本/日本語/119 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch】
©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
公式 HP:awake-film.com 公式 Twitter@ awake_eiga2020 公式 Instagram@awake_eiga2020