9月25日(金)より公開中の草彅剛主演の映画『ミッドナイトスワン』は、上映10週目を迎え、興行収入6億5000万円を突破した。
そして、この日、137館の映画館で「御礼!舞台挨拶」の模様が生中継された。
本作は、演じることに真摯に向き合ってきた表現者・草彅剛がトランスジェンダーとして生きる主人公に挑んでいる。
新宿のニューハーフショークラブで働く草彅剛演じる凪沙の元に、親戚の娘・一果が預けられる。叔父だと思い訪ねてきた一果は、凪沙の姿を見て戸惑うが、二人の奇妙な生活が始まる。ヒロイン・一果役にはこれが女優デビュー作となる服部樹咲を抜擢。本作をオリジナル脚本として手掛けたのは、『下衆の愛』などで日本映画界が注目する、内田英治監督。女性として生きる凪沙と、親から虐待されてきた少女・一果。孤独な二人が寄り添う、世界で一番美しいラブストーリーだ。
冒頭の挨拶
草彅剛「みなさん、どうもこんにちは、草彅剛です。うれしいです、すごく!このような形で、公開10週目を迎えて、これだけのみなさんを前にステージに立てて感謝の言葉が言えるというのは、本当にうれしく思っています。みなさんのおかげで、本当にいい映画になったなと思っています。受け取ってくれる方の一人ひとりのですね感想とかたくさん耳に入ってますし、本当にいい映画になったなぁと思って、今日は感動しています」
内田監督「初日公開以来2度目、ここに来させてもらったんですが、たくさんの人に観てもらっていて、こんなに観ていただいた方とコミュニケーションを取りながら、映画が10週目を迎えるということは、本当に幸せなことで、こうやってみなさんにお会いできたのも、とてもうれしいです。まだまだ続きますので、よろしくお願いします」
渋谷慶一郎「監督と同じで、TwitterとかSNSで観た方から、泣きましたとか、感動しましたとか毎日言っていただいていて、僕今日試写以降、この舞台挨拶後、初めて映画館で観ていくので、本当に泣いているかどうか、見させていただきたいと思います。よろしくお願いします」
会場「(笑)」
オリジナル作品での大ヒットの心境
草彅剛「本当にうれしくて(笑)、監督が最初、全然後ろ楯がない映画なんだよとすごい弱気だったんですけど、これ僕観た時に、最初出来上がった時に、大丈夫だよ、監督。最高ですよ、監督と一緒にお仕事できて!本当に大丈夫ですよって。ね、監督!」
内田監督「大丈夫でしたね」
MCーー監督、不安だったんですか?
草彅剛「監督が、やっぱり原作は難しいっていう。実際そうじゃないですか。今原作が多い中だったりとか。今作はオリジナルだし、ちょっとマイノリティ的な要素が多いから、こういうのは、剛くん難しいかもしれませんって言ってたんですけど、むしろいいんですよ。ないから、そういうのが。僕は最初脚本を読んだ時に、本当に感じたことのないような、いろんな取材でも言ってるんですけど、自分はなんで泣いているのかわからなかったんですよ。でもそれがすごいよくて、だからそういう気持ちを映像として演技で伝えたかったので、それが伝わってるんだなぁと思って。僕は本当に、監督、渋谷さん、”カムサハムニダ”。(渋谷さん、服装)カッコいいですね、今日はハードですね、”ミッドナイトスワン“をイメージしたのでしょうか?」
渋谷慶一郎「合わせようかなと思って」
草彅剛「今日はこういう感じで、カッコいいですね。すごい、カッコいいです」
渋谷慶一郎「やめてください」
草彅剛「あ、すみません、なんか変な感じになっちゃって。うれしくって。僕だけしゃべってるのはあれなんで、どうですかお二方」
内田監督「草彅さんにしては珍しく30分くらいしゃべった時に、なんかいい感じの映画になると言っていたんですけど、その後消極的な発言を繰り返し、初日舞台挨拶でここに来た時も、大ヒットおめでとうございますってスタッフの人に言われても、うそだと思って過ごしてきたんですけど、ようやく最近認識できるようになってきました。よかったです」
草彅剛「10週目になってこうやって舞台挨拶できるって、僕初めてですよ、今まで。芸能生活で10週目で。あれ、あるかな?ないと思います。そしてそれで(上映)館数も増えているっていうのが。最初#草彅剛代表作って冗談で言ってたんですけど、本当になっちゃって」
内田監督「冗談だったんですか?」
草彅剛「最初ちょっと冗談な感じでやってたんですけど」
渋谷慶一郎「(大ヒットについて)本当?というノリでした。サントラのお話をいただいたときにも、”サントラって売れないんですよ。ハリウッドの超有名映画でも 200枚しか売れないんです”って言われて。なので、1000枚売れたらお祝いをしようって話をしていました。発売日までひた隠しにしていて、いざ、発売すると告知したら1分に3枚ペースで売れ続けて。大作でも200枚しか売れないなら、1日20枚くらい梱包して出荷すればいいなんて思っていたのに、1日で1000枚売れちゃって、売り切れ状態になりました。スタッフが 1人しかいないから、僕も梱包を手伝いました。でも、そういう話をすると、なんか苦労していますみたいなのを狙っている感じで嫌でしょ。なので、売れていることも、売り切れていることもひた隠しにして、追加オ ーダーをとっていました。スタッフ 1 人と僕で梱包しているから、なかなかお客様のもとに届かないこともあり、”詐欺ですか?”という発狂めいたメールも来ました(笑)。売り切れを明かすと、オーダーが止まりそうなので、だんまりとオーダーを受け続けましたが、現在は、アマゾン、タワレコなどでご購入いただけます。”追いスワン”とあわせて、”追い CD”もお願いします」
追いスワン
草彅剛「SNSでみなさん拡散していただいて、口コミが本当に強くて、広がって。追いスワンという言葉も、いい言葉ですよね。監督は追いスワンしました?」
内田監督「僕は2回ほど。草彅さんこの前Twitterで追いスワン書いていただいたんですけど、追いスワンのおいがひらがなで(笑)」
草彅剛「また私も追いスワンします!みなさんの感想見てると、本当に1回観たよりか2回目のほうが感動して、2回目観たよりも3回目のほうが感動するって書いてあるんですよ。だから追いスワンにつながってるんですよね。僕もね、観るごとに違うところで感動したりするので、だから追いスワンいいですね。なんで内容わかっているのに、なんで泣くのかなみたいな。不思議ですよね。1回観たら内容もわかるじゃないですか?なのに観たくなって、新しい感動が湧き出てくるというか」
台湾での上映だけでなく、、、
MCーーカイロ国際映画祭・パノラマ部門での上映決定や、台湾(12/31公開)、香港(2021年公開)での公開情報、小説の売り上げは8万部を突破し、サントラも売れています。
内田監督「僕も梱包手伝いに行きます!」
草彅剛「梱包しないとね。俺たち梱包ブラサーズ! こんぽ(う)、こんぽ(う)、ブラザー、ブラザー」
内田監督「小説も読んでもらえて、 音楽も聴いてもらえる。全包囲的な映画って本当に珍しいと思います。こうなったら、せっかくなのでたくさんの方に観てほしいと思います」
草彅剛「いろんなところから楽しんでいただける奇跡的な作品」
撮影秘話
草彅剛「取材でたくさん話したので、新しい話あるかな」
内田監督「草彅さんジーパンの映像をよく見てました。本当に好きなんだなって思いました」
草彅剛「監督が履いていたニューバランスの靴がカッコ良かったです。おニューでしたよね。新しい映画を撮るから、新しい靴で気合が 入っているのかな?なんて思いながら見ていました」
内田監督「現場ではニューバランスが楽だと聞いたので、初めて買いました。草彅さんが、凪沙の赤いブーツで苦労している横で、履きやすい靴で撮影に挑んでいました」
音楽誕生秘話
渋谷慶一郎「1週間という限られた時間で作らなければいけないので、自分のスタジオに籠もって、コンピューターから流れる映画を観ながら、ピアノで作り上 げました」
草彅剛「1 週間で作ったってすごい!」
渋谷慶一郎「コンビニに行くと、アイスの新商品に気を取られて集中力が切れちゃうので、コンビニにも行かず、もちろん誰とも夜ご飯も食べないような状態でした。コロナになってみんなが外でワイワイご飯を食べられない状況になったとき、不謹慎だけど”みんなも一緒になった”って思っちゃいました。とにかく、 1週間で仕上げなければいけなかったので、全体のことは覚えていません。楽譜は1枚も書いていないことだけは覚えています。最近、最近著作権が楽譜が作れる権利だとわかったんですけど、Twitter などで、楽譜とか販売されているのを見かけたりするけれど、僕は書いていないんですよ。みんなが、映画を観て、音楽を聴いて、楽譜を作っているようです。そういうのっておもしろいなと思いま した。演奏している動画もたくさん上がっていて、トランスジェンダーの方が弾いているのも見かけました。いろんな方が演奏している動画をたくさん見かけます。上手な人も、そうでない人もいますけどね」
まもなくクリスマスシーズン
今年のクリスマスの予定は?
草彅「いやです、教えないです。プライベートなことなんで。3人ともおじさんなんで、何も予定なんてないですよ。昨年のことも覚えていない。何かやったかな?クルミちゃんの散歩かな、多分」
MCーー20 代ならいろいろとありそうですけど、そうですよね。こんな質問をしてすみません
草彅剛「バカにしないで!僕、まだ、アイドルだよ」
会場「拍手」
草彅剛「ちょっとささやかだけど、スタッフの方と密にならないよう少人数で何かやりたいですね、外で。グランピングとかどうかな。風通しの良いところで、厚着して鍋。そうだ、 外鍋とかいいかも。安全を考えて、やれたらいいな」
来年の抱負
草彅剛「わかんないですよね、来年のことなんて。こういうときは、ちゃんと答えないとダメなんだよね。まだまだ観ていない人もたくさんいると思うので、来年も『ミッドナイトスワン』をよろしくというのはいかがでしょうか。新しいハッシュタグ作りましょう。公開 10 週目を迎えたけれど、まだまだたくさんの映画館で上映されているので、さらに広げていきた いと思います。トレンド入りを目指すためのハッシュタグは、シンプルに”#ミッドナイトスワン大ヒット”でいかがでしょうか。長いとみんな間違 っちゃうでしょ、僕も含めて(笑)」
会場「拍手」
草彅剛「今日は、絶対トレンド入りを目指しましょう!」
最後に草彅剛からメッセージ
「みなさん、あらためまして、本当に本日はありがとうございます。全国の中継でご覧になっている方、ありがとうございます。僕もいろんな想いがあって、今日10週目をこういう形で迎えることができて本当にうれしく思っています。この映画は、年齢問わず訴えかけるものがあるなと思っていて、人一人が生きていく上で大事な気持ちみたいなものが、凪沙と一果を通して感じでくれてるからじゃないかな、なんて思ったりして。生きていくのは自由だよという気持ちというか、偏見とか差別がなくなればなという気持ちが込められていと思います。みなさんの人生において、ちょっといいきっかけになる作品になれたら、作った僕らはうれしく思いますので、世界に羽ばたいていってもらいたい作品でもありますし、そんなに遠くなくてもみなさんに身近に感じていただける作品になるとうれしく思います。今日からミッドナイトスワン、始まるというか、みんなが応援してくれているおかげで始まるので、何卒今後ともミッドナイトスワンよろしくお願いいたします」
あらすじ
故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。
ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。
常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。
理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。
映画『ミッドナイトスワン』
公開中
出演
草彅剛
服部樹咲(新人) 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華
佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣
水川あさみ・田口トモロヲ・真飛 聖
監督/脚本 内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」)
音楽 渋谷慶一郎
配給 キノフィルムズ
©2020 Midnight Swan Film Partners