シンフォニー音楽劇「『蜜蜂と遠雷』~ひかりを聴け~」は、横浜公演を2021年3月27日(土)~4月11日(日)KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて、大阪公演を4月17日(土)~4月18日(日)新歌舞伎座にて、福岡公演を5月1日(土)~5月3日(月・祝) 博多座にて上演する。
直木賞・本屋大賞に輝き、音楽をテーマにした小説として累計100万部突破の恩田陸作「蜜蜂と遠雷」は、2017年年間ベストセラーとなり、2019年10月には映画化された話題作。
世界的コンクールに出場するで若きピアニストたちや彼らを取り巻く人々の心情が描かれ、超絶技巧を要する数々のクラシックのピアノ曲の名曲演奏と共に、コンクールファイナルに向けてドラマが展開されるストーリー。
本公演では、映画に先駆けて、オーケストラと共に2018年1月以来、リーディングとオーケストラコンサートとを融合して上演し、好評を博した。
今回はさらにバージョンアップ=歌と芝居とピアノ演奏をコラボレーションした新たな音楽劇として披露し、「蜜蜂と遠雷」という音楽小説の世界観を舞台上でのリアルな作品として甦らせる。
主人公の風間塵役を中山優馬が演じる。劇中で中山自らピアノ曲の生演奏も披露する。
初共演となるオーケストラの壮大の音楽とともに原作の世界観をドラマティックに描く。
これまでも舞台などでピアノ演奏を披露してきた中山優馬だが、本作では劇中で名曲『サティ:ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)』をピアノで生演奏する。また、オーケストラとは初めて舞台上で共演となり、壮大な音楽ともに歌や芝居がドラマティックに展開される。さらに、作者である恩田陸さん自ら作品のテーマ曲を作詞し、音楽監督の千住明氏が作曲した「ひかりを聴け」をはじめ、物語に登場するクラシックの名曲をすべて恩田陸さんに作詞いただき、コンクールの中で生きる人たちの世界を表現したリアルな歌、映像などを駆使した芝居、オーケストラやピアノによる生演奏の音楽で、ドラマチックに 表現し、セリフや歌がまるでそこに生きる人物の言葉とメロディーに重なり旋律のように組み合わせた新しい形のシンフォニック音楽劇として披露する。
横浜公演前日の3月26日(金) キャスト陣が取材に応じた。
意気込み
風間 塵/中山優馬
「この作品は、お芝居あり歌ありと、いろんなものが詰まっています。オーケストラの皆さまと融合できるということで、今までこういった経験がないものですから舞台の幕が開くまでどういう景色が見られるのか、未だにはっきりしていないところがあります。素晴らしい音楽と素晴らしい原作の世界観を皆さまにお伝えできたらと思います。こういった大変な世の中、劇場に足を運んでくださるお客さまのお時間を無駄にしないように精一杯努めたいと思います」
栄伝亜夜/ヒグチアイ
「舞台は初めてなんですけれども、初めてを経験できることはとても幸せなことだなと思います。来てくださる方も、先ほど中山(優馬)さんもおっしゃられたように、歌やオーケストラの音楽、そして芝居というものを経験できる初めての機会となると思います。その初めてを皆さまにも経験していただけたらと思います」
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール/奥村颯太(関西ジャニーズJr.)
「ぼくは、こういった外部の舞台に立たせていただくのは初めてになります。今、関西ジャニーズJr.の子たちも外部の舞台に立たせていただく機会が増えてきて、とても勢いがありますので、ぼくもその勢いにのってさらに加速していけるように頑張っていきたいと思います」
小山内 健(小山内健次の息子) 大東立樹(ジャニーズJr.)
「僕は、この作品が大好きです。舞台も原作も大好きで、オーケストラのみなさんが演奏をしてくださっている音楽もとても聴き心地がよくて、大好きです。そしてキャストの皆さんやスタッフの皆さんが、心が温まる言葉をくださることがすごく嬉しいです。そんな思いを込めて全力で演じさせていただきます!」
高島明石 パーマ大佐
「ぼくもヒグチ(アイ)さんと同様、初めて舞台に参加させていただくということで、不安もたくさんありましたが、自分も小さい頃にピアノを習っていたということもあって、作品の中の登場人物や高石明石に共感する部分がたくさんありました。そういった部分を出しながら演じることができたらいいなと思います。作品自体も温かいんですが、共演者の皆さんやスタッフの皆さんが温かくて、また音楽も温かいので、そういった温かみをこういったご時世だからこそ、皆さんにお運びできたらいいなと思っています」
高島満智子(高島明石の妻)/黒田こらん
「前作の「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート~ひかりを聴け~では、語りを担当させていただいたんですが、今回は、高島明石さんの奥さんを演じさせていただきます。パーマ(大佐)さんとは、実年齢が20歳離れているんですけれども(笑)、夫を献身的に支える妻として演じさせていただきたいと思います」
ナサニエル・シルヴァーバーグ(審査員) 木村優一
「私は、「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサートでは、マサル役を担当させいただいたんですが、今回はマサルの師匠、そして湖月(わたる)さん演じられる嵯峨美枝子の元夫という別の立場から、この「蜜蜂と遠雷」を読み直し、また別角度から作品の魅力をお届けできたらと思います。最後の千住(明)先生が作曲された「ひかりを聴け」をシルヴァーバーグの立場でまた歌えるということで、楽しみにしております」
嵯峨三枝子(ピアニスト・審査員)湖月わたる
「今回、初共演の方がたくさんいらっしゃって稽古場からとても楽しくさせていただいたんですけども、個人的に池畑慎之介さんは、宝塚の初舞台のときからずっと舞台を拝見させていただいていて、私の退団公演も観に来てくださって、そんなピー様と今回お芝居をご一緒させていただいて本当に幸せです。そして優馬さん、木村優一さんとベートーヴェンの名曲『悲愴』をオーケストラの皆さんと一緒に歌わせていただけるということで、心を込めて歌わせていただきます」
菱沼忠明(作曲家)/ストーリーテラー 池畑慎之介
「菱沼忠明は、映画の方ではあまり出てこなかったんですけれども、今回はストーリーテラーという導く役をやらせていただけたらなと思っております。8年ぶりの舞台となります。なんと、このメンバーの中でとうとう一番年上になってしまいました(笑)。2年前、アポロが月へ飛んで行ったピーターも飛べなくなったピーターパンになってしまいました(笑)」
(一同笑い)
「今回は皆さんと一緒に楽しいお芝居を、そして最後の博多座まで健康に留意しまして、皆さまに温かいお芝居をご覧いただけたらと思っております」
音楽監督 千住 明
「音楽も非常に盛りだくさん、盛りだくさんというのは量が多いのではなくて種類が豊富。いろんなジャンルが重なり合って混ざり合った舞台となっております。ある意味でも新しい形だと思います。ここにいらっしゃる皆さまのそれぞれの世界で一生懸命修行してきたことを、他流試合のような形でそれぞれの表現力で表すことになると思います。これはある意味、新しいジャンルができたと思ってもいいかもしれません。なので僕たちとって非常に楽しみでもあり、すこし怖いところでもあります。しかし、今からの20公演、新しい発見をそれぞれがして、それぞれの世界に持って帰っていただけたら、それはいいことなんじゃないかと思っています」
オーケストラ、芝居、歌ありで新たなジャンルに挑戦
中山優馬「未だに完成が見えていないといいますか。舞台ではよくあることと言えばそうなんですが、お客さまが入っていただいてようやく完成するという感覚はあるんですが。今回は、千住さん率いるオーケストラの皆さまと、素晴らしい音楽と役者人の芝居の融合がこれからどうなっていくんだろうと、ほんとに不思議な感覚です。初めての経験になることは間違いないです」
オーケストラの方々との共演
中山優馬「オーケストラの皆さまと一緒に合わせたのは、ほんの数日なんですが、もうびっくりしています。その力の偉大さといいますか。先ほども稽古を客席で見させていただいたんですが、その音楽を聴けるというだけでも十分の価値がある作品だと思いました」
ピアノの演奏
中山優馬「ピアノを弾くということが大事な要素になってくる作品ですから、練習はさせていただきました。作品の中でぼくがピアノを弾かせていただくところはもちろんありますが、ピアノの川田健太郎さんが素晴らしい音色をオーケストラのみなさんと披露していくださるので、僕らとしても、一番はお客様さま音楽を楽しめる状況までお芝居を持っていけたら、ベストだと思いますし、オーケストラの皆さまにもお芝居を助けてもらいながら頑張ってきたいです」
千住先生からみた中山優馬のピアノ
千住明「びっくりしました。これだけ弾けるんだと。素晴らしいですよ。ほんと病みつきになってくれたら新しい世界が待っているんじゃないかなと思います」
ピアノを弾くのは病みつき?!
中山優馬「いや(笑)。今のところはずっと客席で聴いていたいです」
一同笑い
役作りについて
ヒグチアイ「なにもしてないです(笑)」
一同笑い
ヒグチアイ「ほんとになにもしてないですよ(笑)。もともとクラシックをやっていて、そのときにショパンコンクールに出たことがあったんです。そのとき楽屋で、なにかを聴きながら一心不乱にテーブルを叩いている方の姿を見て、「私はこの世界にいられない」と、挫折した気持ちを持っていたので、そのときの気持ちを持ってきて。そこから自分が覚醒するというか、天才だという不安を演じるというのは難しいです。自分とは全く違う人間なので・・頑張ります(笑)」
最後にメッセージ
千住明「この「蜜蜂と遠雷」というストリートのなかで、別のテーマを描くとすると“自然と共存する”ということだと思うんですね。そのテーマを我々が一人一人ピュアに演じることができたら、観てくださった方になにか伝わっているんじゃないかと思います。そして、皆さまにもなにか持ち帰っていただきたいと思います。なにか、人が頑張っている姿を見るというのは、勇気をもらえることだと思います。そして最後に合唱する曲は、すべてを飾る曲になっていると思います。どうか皆さま温かく見守っていただきたいと思います」
中山優馬「音楽が間違いなく楽しめる作品だと思います。そして、そこにお芝居や歌、舞台芸術といったものがひとつになったとき、本当に果てしない世界に連れて行ってくれるというか、果てしない景色を見せてくれるんですよね。それが僕たちは楽しくて。その景色というのは劇場でしか味わえない景色なので、観に来てくださる皆さんと共有したいなと思います。そして、作品を進めていくうえで、まずはなによりも来ていただく皆さまの安全と安心を確保しながら、徹底的に安全対策を進めながら、作品を楽しんでただけたらと思います」
シンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷」~ひかりを聴け~
配役/出演:
風間 塵 中山優馬
栄伝亜夜 ヒグチアイ
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール 奥村颯太(関西ジャニーズJr.)
小山内 健(小山内健次の息子) 大東立樹(ジャニーズJr.)
高島明石 パーマ大佐
高島満智子(高島明石の妻) 黒田こらん
ナサニエル・シルヴァーバーグ(審査員) 木村優一
ヴィクトール吉川(執事) 冨岡 弘
田久保 寛(ステージマネージャー) 石井智也
浅野耕太郎(調律師) 優志
大林静雄(大会運営委員) 小坂正道
仁科雅美(音楽記者) 柳橋さやか
貴島恵子(大会進行委員) 城 あすか
嵯峨三枝子(ピアニスト・審査員) 湖月わたる
菱沼忠明(作曲家)/ストーリーテラー 池畑慎之介
指揮/小野寺昌幸(指揮者) 千住 明
ピアノ 川田健太郎
管弦楽 Grand Philharmonic TOKYO(横浜公演) Grand Philharmonic KYOTO(大阪公演)
九州交響楽団(福岡公演)
原作・作詞:恩田陸 (直木賞・本屋大賞受賞「蜜蜂と遠雷」 幻冬舎文庫)
音楽・監督:千住 明
脚本・演出:モトイキシゲキ
演出:藤澤浩一
企画協力:幻冬舎
主催・企画・製作:シンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷」製作実行委員会
<横浜公演>
日程:2021年3月27日(土)~4月11日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>(神奈川県横浜市中区山下町281)
チケット料金: A席 12,000円 B席 7,500円(全席指定・税込)
チケット発売開始日: 2021年3月14日(日)10:00〜
お問い合わせ: サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00〜15:00)
<大阪公演>
日程:2021年4月17日(土)〜4月18日(日)
会場:新歌舞伎座 (大阪市天王寺区上本町6丁目5番13号)
チケット料金: A席 12,000円 B席 7,500円(全席指定・税込)
チケット発売開始日: 2021年3月14日(日)10:00〜
お問い合わせ: キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00)
<福岡公演>
日程:2021年5月1日(土)〜5月3日(月・祝)
会場:博多座(福岡県福岡市博多区下川端町2−1)
チケット料金: A席 12,500円 B席 8,500円 C席 5,000円(全席指定・税込) チケット発売開始日: 2021年3月27日(土)10:00〜
お問い合わせ: 博多座電話予約センター 092-263-5555(平日11:00〜15:00)