撮影/加藤 岳 スタイリスト/HIRONORI YAGI ヘアメイク/TOMOYA NAKAMURA(Maison de Noche) 文/内埜さくら
衣裳/シャツ¥42,900・パンツ¥37,400(NEPLA./TEENY RANCH 03-6812-9341)、ベスト¥126,500(Kazuki Nagayama/STUDIO FABWORK 03-6438-9575)※すべて税込み価格、その他スタイリスト私物
――完成作をご覧になった感想は?
「作品全体を通して“やさしい映画だな”という印象を持ちました。日が暮れそうでなかなか暮れないでいる、“暮れなずむ”という言葉の語尾を変化させて“くれなずめ”というタイトルになっているのですが、現実的に日が暮れないことはありえませんよね。日が昇って沈むのは定めであり、人の死も避けられません。作品のパンフレットには、『ある日突然、友人が死んだ。僕らはそれを認めなかった』と書かれていますが、死は必ず誰しもが通過します。ですがこの映画はそこにハッキリと白黒をつける必要があるのか、もう少し曖昧に、ぼんやりと誰かを悼んでもいいのではないかというメッセージが込められています。誰かの死を乗り越える、切り替えて前に進むのではなく、“そこまで明瞭に感情の整理をしなくてもいいのではないか。もう少し、想い出とともに笑っていてもいいんじゃない?”と語りかけるような作風に、やさしさを覚えました」
――藤原さんは28歳ですが、死について考えることはありますか?
「もちろんあります。この作品で僕が演じた田島大成(ひろなり)は、大切な仲間を失っていますが、大成が亡くなった仲間に対してどう思っていたかは、撮影を重ねながら感じていけばいいと思いつつ演じました。大成に対して、決めつけは排除するようにしました。この作品の結末すら決めつけず、変えられると思いながら演じていました」
――結末は変えられる? 具体的には。
「 “みんなで結末を書き換えようぜ”と、5人が一致団結するシーンがあるのですが、僕は “絶対に諦めてたまるか!”という気持ちで演じました。仲間に対する愛情の総量や執着の量など、なにも決めずにクランクインにのぞみました。5人それぞれの感情が交錯していて、一番切ないシーンになっていると思います」
――たしかに、試写では涙した人も多かったそうです。監督と脚本を担当した、松居大悟監督のお話も。監督は、「いつか仕事をしたいと思っていた方々に声をかけたら、みんなが参加してくれた」とコメントしていましたが。
「僕は松居監督とは過去に接点がなかったんですよね。お会いしたときに、“何か僕の作品を見たんですか?”と聞いたら、“思い出せない”と言われましたけど(笑)。監督にしかキャッチできない、独特のアンテナがつねに張られているのかなと思っています」
――監督の演出は面白そうですね。
「映画の撮影がこれほど楽しいと思えたのは初めてだったほど、面白かったです。監督は自由にお芝居をさせてくれる方で、“大事なところは自分が押さえて見守るから、好きにしていいよ”と、委ねてくださったんです。熱量を強制しないキャストとの距離感も適切で、人としてカッコイイと思いました」
――ありがとうございます。藤原さんが思う、『くれなずめ』の魅力も教えてください。
「結婚式の余興で男性6人が赤フンで踊るシーンは、見どころの1つです。カット割りの関係で何回も踊っていて、最後はクタクタに疲れていました。しかも僕らの目の前で前田敦子さんが見ているという……(笑)。カメラワークでダンスがそろっているように見えますが、僕を含めて全員、ダンスは向いていないと思います。成田(凌)くんは上手でしたが、若葉(竜也)さんは一番ひどかった……(笑)。しかも、“自分はできている”と言い張るんです(笑)。昔の青い経験を思い出すきっかけにもなるこの作品を、劇場で味わっていただけたら嬉しいですね」
映画『くれなずめ』
ドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズや映画『アズミ・ハルコは行方不明』 『アイスと雨音』など手掛けた松居大悟監督がメガホンをとった映画『くれなずめ』。かつて松居監督自身の実体験をモチーフに書かれた完全オリジナルの舞台劇を映画化。タイトルの『くれなずめ』は、「暮れなずむ」を変化させ、命令形にした松居監督自身による造語。日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態、転じて、前へ進もうとしても障害があってうまく進めないでいる状態を形容している。友人の結婚式で余興を披露するために久々に集まった高校時代の旧友たちが過ごす、結婚式の【披露宴から二次会までの狭間】を描いたアラサー男子 6 人による驚きと感動の物語。メインキャストのアラサー男子を成田凌はじめ、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹、高良健吾の面々が演じる。
STORY
高校時代、帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、5年ぶりに友人の結婚披露宴で「赤フンダンス」の余興をやるべく集まった!めちゃくちゃ恥ずかしいダンスをやりきった披露宴と、二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代を思い出す・・・「しかし吉尾、お前ほんとに変わんねぇよな。なんでそんなに変わんねぇの?まあいいか、そんなのどうでも」そう、僕たちは認めなかった。ある日突然、友人が死んだことをー。
映画『くれなずめ』
〈CAST/STAFF〉
出演:成田 凌
若葉竜也 浜野謙太 藤原季節 目次立樹/飯豊まりえ 内田理央 小林喜日 都築拓紀(四千頭身)/城田 優 前田敦子/滝藤賢一 近藤芳正 岩松 了/高良健吾
監督・脚本:松居大悟
主題歌:ウルフルズ「ゾウはネズミ色」(Getting Better / Victor Entertainment)
配給・宣伝:東京テアトル
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
特別協力:エレファントハウス
製作:「くれなずめ」製作委員会(UNITED PRODUCTIONS ハピネット 東京テアトル Fly FreeEntertainment カラーバード)
5月12日(水) テアトル新宿他にて全国ロードショー
©2020「くれなずめ」製作委員会
PROFILE
藤原季節 KISETSU FUJIWARA
1993年1月18日生まれ、北海道出身。
第42回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞受賞
〈近年の主な出演作〉
ドラマ「歪んだ波紋」(2019年)
ドラマ「監察医 朝顔」(2019・20-21年)
ドラマ「西荻窪 三ツ星洋酒堂」(2021年)
大河ドラマ「青天を衝け」(2021年)
映画『his』(2020年公開)
映画『佐々木、イン、マイマイン』(2020年公開)
舞台「サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-」(2021年4月23日~5月9日 東京建物Brillia HALL 他地方公演)
〈待機作〉
映画『明日の食卓』(2021年5月28日公開)
映画『のさりの島』(2021年5月29日公開)
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