撮影/加藤 岳 スタイリスト/徳永貴士 ヘアメイク/池上 豪(NICOLASHKA) 文/丸山あゆみ
――以前から映画化したいと飯塚監督が話されていたそうですが、主演のお話を聞いた時の心境をお聞かせください。
「監督から小説「FUNNY BUNNY」を出会って間もない頃にいただいたのですが、その時は、まったく映像化や僕が出演するというような具体的な話はありませんでした。何度か監督と仕事でご一緒したり食事をしている中で、“『FUNNY BUNNY』をいつか映画化したいね”という話が、ここ数年で少しずつ出てきたんですよね。今回ようやく実現したのですが、自分が出演する前提でこの作品に出会ったわけではなく、一読者としてフラットに読んでいて好きな作品だったんです。それがいざ、自分が役として作品の中に入るということになると、この作品や剣持というキャラクターが好きだったからこそ、自分の中での“剣持像”がしっかりと出来上がっていたので、すごくプレッシャーもありました」
――舞台が原作ですが、舞台を意識している部分はありましたか?
「僕は最初に小説をいただいて舞台の映像も観たのですが、演じるうえではまったく意識はしていなかったです。本作の取材を受けている中で、“舞台を観ているようだった”という感想をいただくことがあり、“観てくださった方は、そういうふうに捉える方もいるんだ”ということに気づきました。監督は空間作りを大事にしている方なんです。足音がどこからどのぐらいの距離感で鳴っているとか。監督が、“図書館だったら図書館というシーンが続くので、だんだんと観ている方も図書館の構造を理解していって、その場所に居るような没入感になっていたのかな”とおっしゃっていましたね」
――うさぎの被り物をして図書館に強盗に入ったり、ラジオ局を襲撃したりしていましたが、被り物をしての演技はいかがでしたか?
「アフレコは後でしているのですが、被り物をしながら芝居はしていたので苦しかったです。被り物を1日中していた日があって、重さもあり首が筋肉痛になり大変でした(笑)。本当に空気が薄くて、冬でも暑くて頭が蒸れてしまって。なんでこれを被ったんだろうというのは演じながらずっと考えていましたし、剣持に一番共感できなかった部分ですね」
――走っているシーンもありましたが、視界はいかがでしたか?
「図書館のシーンでは、視界も狭く見えない中、全力で走ったり人を縛ったりもしなければいけなかったので、練習をしました。それから、お互いの声が聞こえづらいんですよね。被り物をしている人としていない人だったら話せるのですが、2人とも被っている状態だと、どこに居るのかも分からないですし、何を言っているのかも分からない。でも、それが面白いんですよね。剣持も漆原も、あの夜に初めてうさぎの被り物を被ったので、あまりきれいに会話が成立してしまうと不自然ですし。天音くんと“意外と聞こえないね”とか、“もう少し大きい声で喋らないとダメだね。でも、大きい声で喋っても目立つ”など、現場でいろいろ意見が出ました」
――この作品をどのような方に観ていただきたいですか?
「もちろん、いろんな世代の方に観ていただきたいのですが、僕は特に若い世代の方に観てほしいと思っています。僕も含めてですが、物心ついた時からインターネット社会があって、調べればいろいろな情報がすぐに出てきて、いろいろなニュースがあって、顔を見なくても連絡を取れるのが当たり前になっている。見えていることは実は断片的というか、物事の一環だけということもあると思うんです。インターネットで調べたことだけで自分は全部を分かっている気になることは怖いことだと思っていて。そして、自分がインターネットで何か発信する前には、受け取る側の気持ちを考えると意外と気づくことがあると思うんですよね。コロナ禍の状況で人と会えなくて、会ったこともない人と仕事をする人もたくさんいる中で、相手のことを想像することが少しでもできたら、ハッピーな気持ちになることがあると思います。作品を観てちょっとした想像力が生まれるきっかけになっていただけたら嬉しいです!」
映画『FUNNY BUNNY』
2012年に上演されて大いに反響を呼んだ、飯塚監督のオリジナル戯曲を映像化。舞台版では謎が謎を呼ぶという緻密なプロットが演劇ファンを熱狂させ、のちに飯塚自らの手によって小説化もされている。自称小説家の剣持聡(中川大志)と親友の漆原聡(岡山天音)は、愛くるしいウサギの着ぐるみに扮して、区立図書館に向かう。その目的は図書館を襲撃するため。果たして二人の目的とはー?そして数年後、物語はもう1つの事件「ラジオ局電波ジャック」へと。2つの事件に隠された謎と悲しい真実が明かされた時、おかしくて、切ない物語は加速。自称“小説家”の剣持聡。彼が自らの正義のもとで繰り広げる奇想天外な騒動が、人生につまずき、暗澹たる思いをする若者に、再び生きる希望を与えていく。
STORY
とある図書館に「強盗」しに現れた二人の愛くるしいうさぎ。目的は「絶対借りられない本」を見つけること・・・はぁ!?だが、あっという間に形勢は逆転し、捕らえられてしまう。観念した二人組・剣持と漆原から事の真意が明かされる。「絶対に借りられない本の中に、宝の地図が隠されている」。そこに秘められた驚愕の真実とは!?
月日は流れ、図書館で出会った五人は、またしてもとんでもないミッションをするハメに。それはラジオ局を「襲撃」し「電波」を盗むこと。剣持から語られたのは、まったく売れなかったバンドと幻の名曲に秘められた哀しい真実。果たして無事にクリアできるのか? DJブースのマイク前に立つバンドによる、最後の曲が流れ始めるー。
映画『FUNNY BUNNY』
〈CAST/STAFF〉
出演:中川大志 岡山天音 / 関めぐみ 森田想 レイニ ゆうたろう
田中俊介 佐野弘樹
山中聡 落合モトキ / 角田晃広 菅原大吉
監督・脚本・編集:飯塚健
製作総指揮:森田圭
原作:舞台「FUNNY BUNNY -鳥獣と寂寞の空-」(演出・脚本 飯塚健 /青山円形劇場、2012)、小説「FUNNY BUNNY」(飯塚健/朝日新聞出版)
製作:KDDI
制作プロダクション:ダブ
配給:「FUNNYBUNNY」製作委員会
4/29(木・祝)より、映画館& au スマートパスプレミアムにて同時ロードショー
(C)2021「FUNNYBUNNY」製作委員会
PROFILE
中川大志 TAISHI NAKAGAWA
1998年6月14日生まれ、東京都出身。2019年に『坂道のアポロン』、『覚悟はいいかそこの女子。』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
〈近年の主な映画出演作〉
『坂道のアポロン』(2018年)
『虹色デイズ』(2018年)
『覚悟はいいかそこの女子。』(2018年)
『サムライマラソン』(2019年)
『ソニック・ザ・ムービー』(2020年※日本語吹き替え)
『ジョゼと虎と魚たち』(2020年※声の出演)
『砕け散るところを見せてあげる』(2021年)
〈公開待機作〉
『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』(2021年5月12日公開)
『犬部!』(2021年7月22日公開)
『都会のトム&ソーヤ』(2021年7月30日公開)
「岡山天音さんとの共演」や「役作り」、「最近引きずってしまった出来事」など中川大志さんのグラビア&インタビュー詳細は4月27日発売の「SCREEN+Plus(スクリーンプラス)Vol.72」本誌にてご紹介しています。
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