撮影/isao nakamura ヘアメイク/miho araki スタイリスト/kentaro higaki(tsujimanagement)
衣装/シャツ32000円、パンツ28000円※税抜き価格(共にジョン スメドレー/問い合わせ先:リーミルズ エージェンシー)
――映画『さまよう刃』(2009年公開)から約12年の時を経て、当時出演されていた同名のドラマに出演する心境・お気持ちをお聞かせください。
竹野内「12年前に映画化された「さまよう刃」では、長峰を追う織部刑事を務めさせていただいたのですが、今回、ドラマ版「さまよう刃」では、その長峰さんを演じていただきたいというお話でしたので、親になった経験もない自分に、娘を失う父親役がどこまで務まるのか、正直戸惑いましたし、なぜそんな自分にお話がきたのか……という想いでした」
――映画版で織部刑事を演じた竹野内さんだからこそ出せる主人公の長峰があると思うのですが、演じるにあたって意識したことはありましたか?
竹野内「子供を育てたことはないですが、自分にも大切な家族は居て、その大切な人たちを傷つけられたら……長峰さんのように、復讐を遂げるための行動をしていないと、頭がおかしくなってしまうのではないかと思うんです。そこは意識していたわけではないですが、演じるうえでの核となっていたところだと思います」
――逆に映画版で竹野内さんが演じた織部刑事を本作で演じる三浦貴大さんからアドバイスを求められたり、もしくはアドバイスでなくても役についてお話しされましたか?
竹野内「最初、プロデューサーさんを介して聞かれたのですが、そんなにアドバイスできる立場にもないですし、三浦さんは素晴らしい役者さんなので、三浦さんが感じた織部をやっていただけたらとお伝えしてもらいました」
――真夏の猛暑の中での撮影で、気候、撮影期間、ロケ地など思うように進まなかった大変な状況だったそうですが、特に大変だったこと、苦労したことはありましたか?
竹野内「まず、当初春に撮影予定だったのですが、緊急事態宣言明けての、6月から9月いっぱいの撮影になり、当初予定されていた衣装も季節が全く変わってしまったので、衣装合わせをやり直したり、ロケ地も白紙になった場所もたくさんあって、スタッフの皆さんは特に大変だったと思います。監督も、春と真夏だと撮りたい画もかなり変わってくるでしょうからね……コロナが流行する前に準備していた脚本だったので、コロナが蔓延する世の中に演出も変更されていて、そこはなるほど!と思いました」
――片山慎三監督からの演出やリクエストで印象に残っていることはありますか?
竹野内「片山監督は、ご自身の演出プランを押し付けるようなことはしないのですが、演じるということではなく、本当の気持ちをすごく求めている方なのかなと思いました。何度もテイクを重ねたこともありましたが、口数が少ないながらも、片山監督の胸の内に秘めているものが伝わってきたので、役者としてはとても幸せな時間を過ごすことができました。完パケを観て思ったのは、瀧内公美さん演じた小田切というライターが、脚本よりもぶっ飛んだキャラクターになっていたことと、台本のト書きには描かれていない監督のアイデアが随所に盛り込まれていたところが、とても面白かったのが印象的でした」
――撮影現場での雰囲気はいかがでしたか?共演者の方とのエピソードがありましたらお願いいたします。
竹野内「大体、一人で逃亡しているシーンが多く、作品が作品なので、気持ちを引きずる部分もあったのですが、石田ゆり子さんがいらっしゃると、少しその重い気持ちから解放されました。一面キャベツ畑のロケ地で、私が間違って、「一面の大根畑ですね」と言ってしまったのですが、そのことを聞き逃さなかったぞと言わんばかりに、それからずっとゆり子さんにイジられ続けました」
――では、最後に見どころをお願いいたします。
竹野内「一足早く完成した作品を拝見して、これはTVドラマの常識を覆すのではないだろうかと思うほど、色々な意味で衝撃的な作品でした。登場人物それぞれが抱える正義の刃が、作品の中で交差していくのですが、その姿が痛くも、悲しくもあり、観ていただける方にもきっと心に何か訴えてくるような作品になっているかと思いますので、ぜひご覧いただければと思います」
PROFILE
竹野内 豊 YUTAKA TAKENOUCHI
1971年1月2日生まれ、東京都出身。
第25回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞受賞
第54回ブルーリボン賞 主演男優賞受賞
〈近年の主な出演作〉
映画『孤狼の血』(2018年公開)
映画『カツベン!』(2020年公開)
ドラマ「イチケイのカラス」(2021年)
STORY
社会や法律、すべてを敵に回してでも家族のために復讐を果たす……。長峰重樹(竹野内豊)は妻を亡くした後、男手一つでひとり娘の絵摩を高校生になるまで育ててきた。時折、けんかこそすれ、父親と娘は互いに支え合いながらつつましく生きてきた。
ところが、ある夜、絵摩がバイト先から戻らず、やがて凄惨な遺体で発見される。数日後、悲しみに暮れる長峰のもとに、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。逡巡の末、教えられたアパートへ向かい部屋を物色すると、そこには絵摩があまりにもむごい手段で殺されていくさまを捉えた映像が残されていた。帰宅した犯人のひとりであるアツヤを思わず殺害してしまった長峰は、主犯のカイジを追う。カイジやアツヤは、現行法上はまだ死刑は適用されない少年。父親の行動は、是か非か。世論を二分する長峰の逃亡復讐劇が始まる。
連続ドラマW 東野圭吾 「さまよう刃」
放送日時:5月15日スタート(全6話) 毎週土曜よる10時放送・配信 *第1話無料放送
〈STAFF・CAST〉
原作:東野圭吾『さまよう刃』(角川文庫刊)
脚本:吉田紀子(「東野圭吾 片想い」、「東野圭吾 ダイイング・アイ」)
出演:竹野内豊 石田ゆり子 三浦貴大 古舘寛治 瀧内公美 井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr) 本田博太郎 / 國村隼
音楽:髙位妃楊子(映画『岬の兄妹』)
監督:片山慎三(映画『岬の兄妹』、『そこにいた男』)
プロデューサー:井上衛、渡邉浩仁
制作協力:AX-ON
製作著作:WOWOW
【番組特設サイト】https://www.wowow.co.jp/drama/original/samayou/
東野圭吾原作WOWOWオリジナル連続ドラマ全6作品をWOWOWオンデマンドで配信中。
詳細はコチラ
対象作品:
連続ドラマW 東野圭吾「片想い」
連続ドラマW 東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」
連続ドラマW 東野圭吾「幻夜」
連続ドラマW 東野圭吾「ダイイング・アイ」
連続ドラマW 東野圭吾「分身」
連続ドラマW 東野圭吾「変身」
【WOWOWオンデマンド】
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