5月29日(金)より公開の菅野美穂主演、高畑充希、尾野真千子3人が母親役を演じる映画『明日の食卓』の公開記念舞台挨拶が、横浜の劇場にて行われ、メインキャストと瀬々敬久監督が撮影の裏話などを語った。
写真左から:瀬々監督、和田聰宏、高畑充希、菅野美穂、尾野真千子、大東駿介、藤原季節

本作は、椰月美智子のどこにでもいる母と子供たちの、リアルで壮絶な物語を描いた『明日の食卓』が原作。メガホンをとったのは、瀬々敬久監督。
【石橋ユウ】という子供を持つ、住む場所も環境も全く違う母親3人を、元フリーライターで二人の息子を育てる留美子役の菅野美穂、シングルマザーで大阪に暮らす加奈役を高畑充希、年下の夫と優等生の息子に囲まれ、一見何不自由なく幸せを手に入れているあすみ役を尾野真千子が演じる。
実力派女優陣が各々の人間ドラマを濃密に演じ、緊迫のクライマックスへ、観る者に共感と問題意識を喚起しながらラストには希望の光を与えてくれる子を持つ親なら誰もが直面する問題をリアルに描いた社会派エンタテインメント作品だ。
なお、劇場公開日の2週間後の6月11日(金)からはWOWOWオンデマンド、auスマートパスプレミアム、TELASAにて配信でも『明日の食卓』が観られる。

お客様を前に映画を届けられる気持ち

瀬々監督「ここ(横浜)に来られて、みなさんとの出会いがうれしいです。こんな時期でもみなさんに物語という宝物をプレゼントすることができます。この映画を応援してください」

和田聰宏演じる不甲斐ない旦那とのシーン:菅野美穂

菅野美穂「うちの旦那(演:和田聰宏)は、本当にビールばっかり飲んで、子どもと遊ぶことはしてくれるんだけど、やってほしいことはやってくれないという旦那さんでしたけど(笑)、撮影の中ではそうだったんですけど、初めてのシーンが喧嘩のシーンでして、和田(聰宏)さんはフェースシールドに慣れていて、私はつい忘れて話しかちゃったりして申し訳なかったなと、今ここで公に謝らせていただきます、失礼しました」

和田聰宏「はい(笑)。菅野(美穂)さんは、テストの時と本番の時で、ガラッと変わるんですよね、僕の印象だと。なんかふざけてる感じなんですけど」

菅野美穂「毎回全力でただ投げ込むだけでした!暴投になっていたかも(笑)」

和田聰宏「僕が暴力を振るうシーンがあるんですけど、プールの水が汚くて。ここの監督は水を全然替えないんですよ。女優さんが突っ込んでいくのに、僕は心配してたんです。監督全然気にしないでお菓子とか子どもの足をガシャガシャやったりとかしていて。菅野さんは全力でプールに入れてくださいって言うんですよね。僕は応えて思いっきりやりました。応えました、はい」

菅野美穂の鬼気迫るリアル

菅野美穂「夫婦のことって2人にだけしかわからないことがあって、私(留美子さん)も良くなかったところがあったと思うんです、積み重なりで、育児って毎日ギリギリで、綱渡りしていて、ちょいちょい綱から落ちるんですよ。喧嘩のシーンはたしかにすごかったですね。台本を読んでいても極限状態のところだったので、もう和田さんがしっかり受け止めてくださったので、全力でできたのかなと。監督がモニタをご覧になっていて、グッと熱量があがる瞬間があったりして、やりがいのあるシーンができていたような気がします」

MC「監督は、男として申し訳ないと思いながらやっていたのでしょうか」

瀬々監督「いえ、ありません」

会場「(笑)」

頑張っているお母さん役を好演、ダメな弟役の藤原季節との共演:高畑充希

高畑充希「どうしようもない弟でしたけど、(藤原)季節さんだっからなのか、どうも嫌いになれなくて。やっていることは最悪なんですけど、やっぱ嫌いになれなくて、季節さんだったからなのか、私の問題なのかどうなのかなと。(撮影は)一瞬でしたよね」

藤原季節「撮影自体は一瞬でしたね」

高畑充希「もうちょっと長かったらよかったなと思いました」

藤原季節「光栄です(照笑)」

MC「藤原季節さんはどうでした?高畑充希さんの演技を間近でご覧になっていて」

藤原季節「本当に間近で見れて! 体臭とか臭くないかなとか心配してました。というのも、瀬々さんの映画に出るというので、ちょっと匂い立つ感じがあったらいいなと思って、お風呂とか入らないで、数日お風呂に入ってなかったんです。で、現場で胸ぐらを掴まれた時に、ちょっと内心“風呂入っておけばよかったな”と思ってました…」

会場「(笑)」

高畑充希「全然わからなかった」

藤原季節「もうああいうことはやらないです」

会場「(笑)」

菅野美穂「ものすごい暑さだったから。毎日汗だくだったと思うので」

高畑充希「臭かったのかな?意識してなかった」

菅野美穂「充希ちゃんの嗅覚が閉じてたのかも」

瀬々監督「髪の毛がベトベトしてるなとは思ったんだよね」

藤原季節「そうなんです。2日目からは(髪)サラサラでいこうと思ったんです。お姉ちゃん(演:高畑充希)の家に行って風呂に入れてもらったという設定です」

会場「(笑)」

菅野美穂「なるほど」

藤原季節「その日はウワーッて風呂入りました」

MC「藤原季節さんだったから許されたというのは、あったかもしれないですね。こんな弟がいたらちょっと腹立たしいですね」

高畑充希「しかも臭いんですよ、腹立たしいですね(笑)。知らなくてよかったです」

藤原季節「やっぱ言うか迷ったんです」

会場「(笑)」

夫役の大東駿介とのとんでもないやりとり:尾野真千子

尾野真千子「私たち(尾野真千子と大東駿介)関西人なので、気を抜くと関西弁になってしまう危機感もありながら演じていました」

大東駿介「そうやな」

尾野真千子「今日は標準語でいきたいねん」

大東駿介「そうやな」

尾野真千子「シュッと」

MC「お2人のテンポのいいコンビネーションは、カメラが向くとスッと入る感じなんですか?」

大東駿介「息子に引っ張ってもらった感じです」

会場「(笑)」

尾野真千子「すごいしっかりしてらっしゃって」

大東駿介「俺らずっと言ってたもんな、“こんなしっかりしてることある?”って。ちゃんとせなあかんなー」

尾野真千子「こんなんでやっております」

会場「(笑)」

MC「尾野さん、夫である大東さんが後半とんでもないキャラクターに変貌していきますけど、あんな夫がいたらどうですか?」

尾野真千子「嫌です、ねえ。嫌ですけどねー、なんか全部が全部嫌な旦那じゃなかったような気もしたなと。ちゃんと子どもとも話をしてくれてるし、マザコンではあるけどもお母さんとも話はしてくれてるのかなと思うと、全部が全部では」

大東駿介「なんでなん?それは…、大東くんが…、演じて…、いるから?」

尾野真千子「うん」

大東駿介「全部俺が言うてもうてるやん」

会場「(笑)」

尾野真千子「こんなんでやっております」

会場「(笑)」

MC「大東さんいかがでした?尾野さんの演技を間近で見ていて子どもに対する思いとか、ワーッと出てきているのを見てきたと思いますけど」

大東駿介「尾野さんと一緒にお仕事するのが本当に楽しくてですね」

尾野真千子「(笑)」

大東駿介「ええこと言うたんや!」

尾野真千子「あ、そう」

大東駿介「本当に心地いい瞬間でしたよ。というようなことを言うてみなさいよ」

会場「(笑)」

尾野真千子「心地よかったです」

会場「(笑)」

MC「菅野さん、意外ですよね。映画の中と全然違う感じですよね」

菅野美穂「本当に息がピッタリで、充希ちゃんも関西弁で」

高畑充希「そやな。混ぜて」

尾野真千子「いつでも!」

MC「高畑さんも大阪出身ですもんね」

高畑充希「言葉は楽でした」

MC「北海道出身の藤原さんは」

藤原季節「頼むでほんまに」

会場「(笑)」

尾野真千子「そやなー。ほな次いこか」

最後にメッセージ

菅野美穂「本当に今日はこうして劇場にお越しくださってありがとうございました。このお話の女性たちは育児をしていて、観てくださった女性に日々のモヤモヤとか孤独感とかそういったところに、自分だけじゃないって思ってもらえるような、何かがあると思います。大きな声で劇場にいらしてください!とは言いづらい世の中で、今日は横浜に参りました!でも物語が持つ力というのは、私はすごく今改めて感じているし、今日こうしてみなさんが劇場に来てくださったことで、すごく励まされました。明日の食卓が豊かなものになりますように。今日はどうもありがとうございました」

瀬々監督「今、つらい状況にあると思います。この映画もつらい状況みたいなことを描いていますけど、つらいような状況でも、出会いがあったり、別れがあったり、気持ちが昂るすごくエモーションで感動的な瞬間が訪れたりするようなことを描こうと思って作った映画です。こういう状況の中でもみなさんにそういう出会いやいいな今日はというような瞬間が訪れることを期待して僕も願っていますし、そういう映画になっていたら幸いです。そして最後に1つお願いがあります。Twitterとかにたぶんみなさん、苦しい、つらいとかこの映画のことを書くと思うんですけど、最後にでもよかったと足しといてください!お願いします!どうもありがとうございました」

あらすじ

同じ「石橋ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。 神奈川在住・フリーライターの石橋留美子(菅野美穂)43歳。夫・豊はフリーカメラマン。息子・悠宇10歳。大阪在住・シングルマザーの石橋加奈(高畑充希)30歳。離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日。息子・勇10歳。 静岡在住・専業主婦の石橋あすみ(尾野真千子)36歳。夫・太一は東京に通い勤務するサラリーマン。息子・優10歳。それぞれが息子の「ユウ」を育てながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。苦労はあっても、息子への愛に偽りはなかったはずなのに、どこで歯車が狂ってしまったのか。「ユウ」の命を奪った犯人は誰なのか、そして三つの石橋家がたどり着く運命とは......?

映画『明日の食卓』

大ヒット公開中

監督:瀬々敬久
脚本:小川智子
原作:椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊)
主題歌:「Motherland」tokyo blue weeps

菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
柴崎楓雅 外川燎 阿久津慶人 / 和田聰宏 大東駿介 山口紗弥加 山田真歩 水崎綾女 藤原季節 真行寺君枝 / 渡辺真起子 菅田俊 烏丸せつこ

製作幹事:WOWOW
制作プロダクション:トラヴィス
配給:KADOKAWA/WOWOW
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/
(C)2021「明日の食卓」製作委員会

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