小中和哉監督が1986年に発表した長編映画を35年ぶりにセルフリルフリメイクした映画『星空のむこうの国』。
主演を務めるのは、2019年『蜜蜂と遠雷』で衝撃のスクリーンデビューを果たし、第44回報知映画賞、第41回ヨコハマ映画祭、第74回毎日映画コンクール、第93回キネマ旬報 ベスト・テン、第43回日本アカデミー賞といった数々の映画賞で新人賞を総なめにした鈴鹿央士。単独初主演となる鈴鹿が主人公・昭雄を演じる。
そして昭雄(鈴鹿央士)の夢に登場する美少女でヒロインの理沙役を秋田汐梨が、昭雄の親友・尾崎役は、人気急上昇中のパフォーマンスグループ「lol -エルオーエル-」のメンバーであり、俳優としても活躍の場を広げる佐藤友祐が演じる。
さらに1986年版の『星空のむこうの国』で理沙を演じた有森也実が、秋田汐梨演じる理沙の母親・恭子役を務める。
そのほか、伊原六花・福田愛依・平澤宏々路・高橋真悠・川久保拓司ら俳優陣が小中監督の時空を超えた伝説のラブストーリーに華を添える。
35年ぶりのセルフリメイク作が公開
小中監督「当時自分が22歳で撮った映画のリメイクを、同じくらい若い年代の方に観て頂けて嬉しい反面、どういう感想を持たれるか気になりますね。キャストもみなさんも現場では「違和感があれば言ってねと」お願いをし、それぞれの思いが反映された役に仕上がっていると思います」
撮影中の印象的なエピソード
鈴鹿央士「(クライマックスの堤防のシーンは)数日間に渡った撮影だったので、前日の気持ちを思い出しつつ演技するのが難しくもあり楽しかったです」
秋田汐梨「(同じく堤防のシーンは)私の演じた理沙の体調が悪くなるシーンだったので、意識を失いかけたり目覚めたりを繰り返すシーンが日をまたぐので、繋がっているか考えて演じるのが難しかったです。(でも撮影は)前作と同じスタッフさんも集結していることもあって、とても一体感のある現場だったと思います。有森さんも本当のお母さんみたいに話しかけてくれました」
有森也実「秋田さんは芯が強くて頼もしいのが魅力だと思っています。今回の理沙は前作とほぼ同じセリフで、今度は母親役として秋田さんの言葉で聞いたので、とても不思議な気持ちでしたが、なんだか本当の母になったような気持ちがしました」
佐藤友祐「印象的なシーンはモノレールのシーンで、自転車に乗りながら長台詞を言い、さらにそれをモノレールが通過するタイミングに合わせなければいけなかったので、プレッシャーがすごかったです!結果的に一回NGだしてしまいましたけど」
会場「(笑)」
佐藤友祐「央士くんがかわいくて“ぼく仲良くなった人にはすぐ抱き着いちゃうんですよ”って言われたんですけど、まだ抱き着かれてないんですよね……」
鈴鹿央士「ほんとはやりたかったけど、コロナだったからね!」
会場「(笑)」
「時空を超える」というSF要素もあることにちなみ、もし自分が違う世界に行けるとしたら
小中監督「今回35年の時を超えて『星空のむこうの国』をリメイクできたので、他にも僕が昔作った映画を第二稿という形でリメイクできたら良いかな」
鈴鹿央士「バブルの時のように、みんなが前を向いてモチベーションが高く、楽しそうなキラキラした世界がいいですね」
秋田汐梨「寝るのが好きなので夜が長い世界に行きたい。できれば12時間寝たいです」
佐藤友祐「世界中の言葉が共通の世界で、隔たりの無い世の中を見てみたいです」
有森也実「動物や他人と体を交換できる世界がいいなと思います、猫になってみたり汐梨ちゃんになってみたり」
35年前と今で、映画作りに対して変わった点、変わってない点に
小中監督「当時はほとんど自主制作に近いやり方をしていたので責任を一人で背負い込むプレッシャーがありましたが、今は素晴らしいスタッフ、キャストに囲まれてチームプレイでつくることができたので、安心できたことが大きな違いですかね」
35年の女優人生で変わった点
有森也実「昔は自分じゃないキャラクターを演じるのが女優の仕事だと思っていたけど、今は自分の中にあるものが宝だとも思うので、経験の積み重ねが演技の支えになると思えるようになりました」
35年後の未来の姿
鈴鹿央士「35年後は今の父と同じ位の年齢になるので、僕も良い父親になっていたいと思います。後はもう少し大人っぽい顔になっていたらいいなと思います(笑)」
秋田汐梨「私はできれば35年後も女優をして、今回の有森さんのように自分の演じた作品のリメイクに係らせていただくのも素敵ですね」
小中監督「35年後はちょっと難しいかな」
本作には前作から映画に関わっているスタッフも多数いるが、実は前作で主人公昭雄の親友尾崎役を演じた関顕嗣(せきけんじ)がサプライズで登場
関顕嗣から佐藤友祐へ
関顕嗣「尾崎は切ない役だけど、佐藤君がしっかり演じてくれてよかった。主題歌もやっていただけて、感無量です」
86年版でヒロイン理沙を演じた有森也実から、今回理沙を演じた秋田へ
有森也実「理沙が私たちを繋いでくれましたね。秋田さんに理沙のバトンを繋げることが出来て幸せです」
小中監督から鈴鹿央士へ手紙
小中監督「22歳の時に自分が撮った映画を、今21歳の鈴鹿君がみずみずしく演じてくれて、不思議な気持ちですが、とても嬉しかったです。これからも鈴鹿君の個性を活かして活躍してください」
鈴鹿央士「幸せで胸がいっぱいです」
『星空のむこうの国』はシネ・リーブル池袋他で、絶賛公開中。
映画『星空のむこうの国』
シネ・リーブル池袋他、全国公開中
出演:鈴鹿央士
監督:小中和哉/脚本:小林弘利 音楽:木住野佳子
製作:勝股英夫(エイベックス・ピクチャーズ) 石川光久(Production I.G)/ エグゼクティブプロデューサー:西山剛史 伊藤整 企画・プロデュース:穀田正仁 稲葉もも
プロデューサー:内部健太郎 関顕嗣/協力プロデューサー:小中明子/ラインプロデューサー:三好保洋
撮影:髙間賢治/照明:上保正道/録音:臼井勝/美術:中谷暢宏/衣装:天野多恵/ヘアメイク:さいとうあやこ/助監督:小原直樹/編集:松木朗/キャスティング:岩瀬恵美子
特殊視覚効果:泉谷修/VFX: 佐野和信
製作:映画「星空のむこうの国」製作委員会
制作プロダクション:FREBARI
配給:エイベックス・ピクチャーズ 宣伝:ガイエ
©2021「星空のむこうの国」製作委員会
公式HP:hoshizora-movie.jp/公式Twitter:@cinemalab_jp
2021年/日本/カラー/シネマスコープ/DCP5.1ch/93分