撮影/加藤 岳、ヘアメイク/[寺田]奈良原友美、[赤楚]廣瀬瑠美 、スタイリスト/[寺田]高橋由光、[赤楚]壽村太一、文/内埜さくら
――お2人は本作が初共演ですが、初対面時の印象を教えてください。
寺田「赤楚さんは『仮面ライダービルド』で、仮面ライダークローズ役(と万丈龍我役)を演じられていて、僕たち世代にとっての人気者なんです。僕も赤楚さんの仮面ライダーを観て、ヒーロー願望に火をつけられて憧れた1人です。だから“カッコいい方なんだろうな”と思っていましたが、実際にお会いしてもカッコよくて感動しました!」
赤楚「でも、初対面のときは天邪鬼役の妖怪メイクだったよね?」
寺田「妖怪メイクでした。特殊メイクを済まされた状態でご挨拶させていただいた記憶があります」
赤楚「どうだった? 怖かった?」
寺田「怖かったというよりも、“本当にあの赤楚さんなの!?”と、その変わりぶりに驚きました。その後に素顔を見せていただきやっと“赤楚さんだ!”と思えたんです」
赤楚「僕はずっとテレビで拝見していたので、“本物の心くんだ!”というのが第一印象です。テレビで観ていたとおりにかわいらしいけれど、一緒にお芝居をしていくうちに芯の強さも垣間見えて、すごいなと。撮影の合間になぜこのお仕事をしているのかという話をしたときに、絶対にブレない信念を持っていることも知りました。当時、心くんは小学校5年生だったっけ?」
寺田「小学校5年生でした。今中学1年生です」
赤楚「小学校5年生の時点で、お仕事に対する信念を持っているのが素晴らしい。僕が心くんと同い年の頃は、単なる野生児だったのに」
寺田「本当ですか!?」
赤楚「僕が育った愛知県は中でもとくに田舎で、周りには田んぼしかなかったんです。たんぼでカエルを捕まえてキャッキャッ遊んでいただけだから、心くんみたいな受け答えはできなかったはず。幼い頃から信念を持っているのは強みでもあると思うので、率直に尊敬しています。14歳の年齢差がありますが共演して、心くんから社会とはどういうものかを学ばせていただきました(笑)」
寺田「滅相もないです。僕は赤楚さんがカッコイイことを大前提にお話させていただきます。共演させていただいて、赤楚さんの役者としての背中が大きいというか、力強いというか、不思議な感じがしたというか。僕がイタズラを仕掛けても、心が広くてすべて受け止めてくださったんです。“迷惑だと思われないかな”と不安になったこともありましたが、いつでも最高のリアクションをしてくださって」
赤楚「心くんは“リアクションしてくれた”と言いますが、僕は本気でビビっていただけですから(笑)」
寺田「中でも洞窟の中で背後から“わっ!”と驚かせるイタズラが一番楽しかったです。適度に暗くて寒くて、最高の条件がそろったスポットだったので、イタズラしがいがありました。数えきれないほどキャストの方々にイタズラをして驚かせましたが、一番仕掛けたのは赤楚さんかも」
赤楚「僕なの!?」
寺田「1つ1つのリアクションがいつも大きいので楽しくて、クセになってしまったんです。当時は最低、1日に1回はしないとと思いながら仕掛けていました(笑)」
――あはは! 寺田さんが演じた渡辺ケイ役のように、お2人は怖がりなのでしょうか。
寺田「僕もケイと同じく怖がりです。夜中のトイレは1人で行けるようになりましたし、1人で眠れるようにもなりましたが、いまだにお化け屋敷だけは入ることができません。あるお仕事で入らなければいけなくなったときも、本当に怖くて。友達と一緒に行ったときも、入り口から出口まで目をつぶりっぱなしでした」
赤楚「僕もめちゃくちゃ怖がりです。高校生の頃、友達とお化け屋敷へ行って、お化けが怖すぎて友達を突き飛ばして逃げて嫌われるという経験をしました(笑)。3年前ぐらいにお化け屋敷の楽しみ方を教えてくれる友達に、“怖いときはとにかく叫ぶと楽しめる”言われて実行してみたら楽しめまして。以来、叫ぶとおもしろく感じるようになりました」
寺田「とにかく叫ぶんですね。今度やってみます。友達の鼓膜を破壊しない程度に(笑)」
――2005年公開時の『妖怪大戦争』で神木隆之介さんが主演した際、阿部サダヲさん演じる河童の河太郎を本物の河童だと信じていたそうです。撮影の休憩時間に、神木さんが阿部さんにキュウリをあげていたエピソードをご存知でしょうか。
寺田&赤楚「あはははははは!」
寺田「僕自身は本当に怖い妖怪はあえて見ないようにしていましたが、撮影当時は演じていらっしゃるキャストの方々が人間だということは……わかっていたかもしれません。ですが妖怪は実際に存在すると今でも信じています。だから、この作品に参加しているときは不思議な感覚のままお芝居をしていました」
赤楚「僕は、この作品に出演しているどの妖怪にもリアルには出会いたくないです。超がつくほど怖がりなので。ですが、怖がりでありながらも小中学生の頃一度見てみたいと思っていたのが、口裂け女です。ポマードとべっこう飴を持っていたら、口を裂かれずにすみ撃退できるらしいという伝説がありますし」
寺田「えーっ!? 本当ですか?」
赤楚「あくまでも伝説だから撃退法の真偽は定かではないけど、結局会えずじまいだったので、会ってみたいんです。もう大人だから、今なら勝てそうかなと思って」
寺田「確かに今の赤楚さんなら勝てそうです(笑)。僕はスネコスリに会ってみたいです。犬のような姿形をしていて、雨の降る夜に現れて、足の間をこすりながら通り抜けるらしいんです。妖怪なのに怖くないですし、同じイタズラ仲間として会ってみたいです」
――最後に、お2人の好きなシーンや本作の魅力をお願いします。
寺田「最後に桜の木をバックにして歌うシーンがあるのですが、完成作を観たときに自然と涙があふれて、いつの間にか泣いていました。胸がジーンと熱くなるシーンが僕は大好きです!」
赤楚「僕は心くん演じる兄のケイが、弟ダイを思うきょうだい愛に注目していただきたいです。弟のために怖いものにも立ち向かっていく勇気が見どころかと。僕が経験したことがないほど壮大なスケール感で描かれているので、ぜひ劇場の大きなスクリーンでご覧いただきたいです
――最新のCG技術を駆使した映像美も見どころかと。
赤楚「映像のすべてがリアルに近づいていて、完成作を観た僕もどこがグリーンバックでセットか、見分けが難しかったほどです。とくに都内のある交差点を模したセットは、再現性が高くて驚きました。電柱、倒れていたよね?」
寺田「本当に倒れていて本物っぽくて、僕もビックリしました。今回初めてCGを使う作品にチャレンジさせていただき、想像でお芝居をするのが難しかったのですが、完成作を観たら演じた側なのにワクワクしました。今年の夏はこの作品の大きなスケールに飲み込まれながら、僕たちと一緒に冒険の旅に出ましょう!」
寺田心さんと赤楚衛二さんの対談インタビューの詳細は8月20日発売のSCREEN10月号にてご紹介しています。
映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』STORY
20XX年、列島を南北に縦断する断層・大地溝帯=フォッサマグナから現れた「妖怪獣」により、妖怪界と世界に未曽有の危機が到来。妖怪たちは「妖怪獣」に対抗する力として、伝説の武神を復活させる手立てを講じる。しかし、その復活には古代に妖怪ハンターであった渡辺綱(わたなべのつな)の血を継ぐ者の力が必要だった。そこで選ばれた宿命の兄弟が、思いもよらない大冒険に身を投じていく─!
映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』
8月13日(金)全国ロードショー
寺田心
杉咲花 猪股怜生 安藤サクラ / 神木隆之介
大倉孝二 三浦貴大 大島優子 赤楚衛二 SUMIRE
北村一輝 / 松嶋菜々子
岡村隆史 遠藤憲一 石橋蓮司 / 柄本明
大森南朋 / 大沢たかお
監督:三池崇史
製作総指揮:角川歴彦、荒俣宏
脚本:渡辺雄介 音楽:遠藤浩二
制作プロダクション:OLM
配給:東宝、KADOKAWA
©2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ
映画公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/yokai/
公式ツイッター:@yokai_mov