1988年刊行、世界30か国以上で翻訳され、社会現象ともいえる大ヒットを博した吉本ばなな著「キッチン」に収録される短編小説「ムーンライト・シャドウ」をマレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督が映画化。監督は以前から原作のファンだったという。
吉本ばななの原点とも言える名作ラブストーリーが、33年の時を経て映画となって蘇る。
主人公・さつきを演じるのは、本作が初の長編映画単独主演となる小松菜奈、そしてさつきの恋人・等役を宮沢氷魚が演じた。
9月10日(金)公開を迎え、初日舞台挨拶に登壇したのは、主人公・さつき役の小松菜奈、さつきの恋人・等役の宮沢氷魚、物語のキーマンである麗役の臼田あさ美のキャスト3名。
有観客での舞台挨拶
小松菜奈「すごく久しぶりな光景だなと思いました。初日という大事な日にお越しくださってありがとうございます!初日を迎えるのをすごく緊張していたので、昨日はソワソワしてあまり眠れませんでした。この場にエドモンド監督はいませんが、宮沢さん、臼田さんと3人でこの作品の良さを届けられたらと思います!」
宮沢氷魚「皆さん作品はいかがでしたか?ようやくみなさんに届けられることをとても嬉しく思います。それと、舞台挨拶の前にエドモンド監督から「応援してるから頑張って!ライブ配信を観ています!」と LINE が来たんです!心強い方が海外から見てくださっているので、今日は短い時間ですがよろしくお願いします」
臼田あさ美「私も映画が好きなので映画館にはよく行くんですが、初日に足を運ぶというのはとても特別なことだと思います。このような状況下の中でもたくさんの方が来てくださって、本当に嬉しく思います」
小松菜奈「やっぱりお客さんがいる中だと、よりリラックスしてお話出来る気がしますね。みなさんに観て貰えているんだなって実感できることがすごくありがたいです。これから公開されていく作品もコロナの中で試行錯誤しながら、みんなで魂込めて作っているので、観てくださるお客さんがいてくれることが励みになります。改めて一つ一つの作品をしっかり届けていこうと思いました」
一番印象に残っているシーンについて
小松菜奈「撮影初日は3日間ずっと一人で走るシーンだったので、等や柊、ゆみこちゃんと合流してからみんなで過ごすシーンはどれも楽しくて印象的でしたね。一軒家の中に作られたピタゴラ装置が本当にこだわりがすごくて、小さい頃に兄弟でそういうことをしてみたいなって憧れがあったので、夢が叶いました!装置を崩したり直したり、みんなで作業をして一つになれる時間がとても思い出深く残っていますし、素を見せられたような気がしました」
宮沢氷魚「僕は柊のダンスシーンに驚きました。長尺で踊っていたからあれは監督のこだわりがあったんだろうなと思いました。それと全編を通して、多くを語る場面はないのですが、言葉のない場面をどう表現するかというところに意識を集中させていましたね」
臼田あさ美「みんなが楽しそうに過ごすシーン、良いなあと思っていました(笑)。印象に残っているのは、さつきが熱を出している時に、さつきの部屋に麗が現れるところで、唯一原作の中にある言葉を台詞として話したシーンですね。言葉だけではないたくさんの意味が込められているような気がしました」
不思議な“月影 現象”
本作の最も重要な場面であり、満月の夜の終わりにもう一度死者と会えるかもしれないという不思議な“月影 現象”について
小松菜奈「あのシーンは前日にリハーサルを何度かしていて、陽の昇る瞬間など色々なことを 皆で調整して撮影に臨みました。12月の寒い時期だったので、早朝にみんなで暖炉を囲みながら撮影したのを覚えています」
臼田あさ美「私は佐藤緋美くんと中原ナナちゃんが川で踊ったシーンの後に、小松さんがお母さんのように2人にひざ掛けをかけていたりするのを見かけて、面倒見の良い姿に頼りになるなぁと感じていました」
小松菜奈「私は臼田さんがいてくれて、すごく心強かったです。先輩に聞くのが一番良いなと思っていました!」
臼田あさ美「(照笑)」
宮沢氷魚「僕も現場にいたんですが、なんとも言えない集中力と緊張感が伝わってきて、みなさ んのパワーがすごいなと思いました」
“月影現象”にちなんで「今一つだけ願いが叶うとしたら」
小松菜奈「(少し悩んで)さつきもそうですが、猫を飼いたいなと思っています。お仕事で動物と触れ合うことが多くて、本当に癒されるんです。この作品の現場にいた猫が“CIAOちゅ〜る”に夢中だったんですが、私も猫と仲良くなりたかったので、それを見て羨ましいなあと思っていました(笑)」
宮沢氷魚「長期間の海外旅行に行きたいなと思います。元々旅行が好きなんですが、こういった状況でいざ行けなくなると、当時行かなかったことをすごく後悔していますね。しばらく会えていない祖母の住んでいるサンフランシスコに、一番最初に行きたいなと思っています」
臼田あさ美「私は運動音痴なんですが、運動したい気持ちもあるので、撮影中の小松さんを見習って、クランクアップ後に走ってみたんです。3日坊主でしたけどね(笑)。なので3日坊主を直すことを願いにしたいです!でも小松さんも撮影後はもう走っていなかったので、すこしホッとしました(笑)」
会場「(笑)」
最後にメッセージ
臼田あさ美「今日はありがとうございました。難しい状況下の中で、劇場に来てくださったみなさんには本当に感謝しています。いつかこの 作品をみなさんの良きタイミングで観ていただけたらなと思います」
宮沢氷魚「この作品は少しでも前向きになれるような映画になったらいいなと思いながら作りました。みなさんにとってそんな作品になってくれたら嬉しいです」
小松菜奈「私の母も今朝、作品を観に行ってくれて感想をくれたんですが、難しかったと話していました。この映画は自分なりに色々と考えながら観られる作品のように思います。私はさつきを演じる中で共感できる部分もあったので、それぞれのキャラクターに共感しながら観て貰えたら嬉しいなと思います」
INTRODUCTION
原作・吉本ばなな × 主演・小松菜奈
名作ラブストーリーが今こそ感涙の映画化
この世界的ベストセラー小説の映画化を待っていた──。世界 30 か国以上で翻訳されている「ムーンライト・シャドウ」(新潮社刊「キッチン」 収録作品)。吉本ばななの原点とも言える名作ラブストーリーが 33 年の時を経て遂に映画化。主人公・さつきを演じるのは、小松菜奈。作品ごと に圧倒的な演技力を発揮し開花し続ける彼女にとって、初の長編映画単独主演となる。さつきの恋人・等役には、役者として目覚ましい活躍をみせ る宮沢氷魚。さらに、等の弟・柊を佐藤緋美、柊の恋人・ゆみこを中原ナナ、次世代を担う若手俳優が脇を固め、臼田あさ美がさつきの前に現れる 不思議な女性・麗に挑んでいる。そして監督は、以前から原作のファンだったというマレーシア出身のエドモンド・ヨウ。これからのアジアを牽引 するフレッシュかつ実力あるキャスト・スタッフが集結したこの『ムーンライト・シャドウ』は、ある日突然に愛する人を亡くした主人公が、死者 ともう一度会えるかもしれない、という不思議な〈月影現象〉を知り、哀しみをどう乗り越えるのか、どうやって未来へ進んでいくのかを描いてい く。すべての人の心に沁みる、心を揺さぶる、「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。
STORY
さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかから なかった。等には 3 つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて 4 人で会ったときから意気投合し、 自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影 現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってき た。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘 れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとし ていた。ある日、2 人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで 語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会える かもしれない、という不思議な現象だった......。
映画『ムーンライト・シャドウ』
全国公開中
原作:「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社刊「キッチン」収録作品)
出演:小松菜奈 宮沢氷魚 佐藤緋美 中原ナナ 吉倉あおい 中野誠也 臼田あさ美
監督:エドモンド・ヨウ
脚本:高橋知由
宣伝:S・D・P 配給:エレファントハウス
©2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会
公式サイト:moonlight-shadow-movie.com
公式Twitter: @moonlight_sdw
公式Instagram:@moonlight_sdw