アメリカ・ブロードウェイのコメディ作家ニール・サイモンの三部作(『ブライトン・ビーチ回顧録』『ビロクシー・ブルース』『ブロードウェイ・バウンド』)のうちの1作目となる『ブライトン・ビーチ回顧録』。
サイモンの少年時代を描いたとされ、貧しくもたくましく生きるユダヤ人一家と思春期のユージンの成長を描いた青春成長物語だ。
ブロードウェイでの上演が1306回を数える大ヒット作で、83年の初演でユージンを演じたマシュー・ブロデリックはその年のトニー賞を受賞、85年にはPARCO劇場にて日本初演され、大好評を博した。
本作の演出を務めるのは、ドイツ(ハンブルク)出身、2017年に『チック』にて小田島雄志・翻訳戯曲賞、2018年に読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞、劇団四季の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を手がけた、演出家・小山ゆうな。
主演は、今作が舞台初単独主演となるSexy Zoneの佐藤勝利。16-17年の『JOHNNYS` ALL STARS IsLAND』以来の舞台出演。
佐藤勝利が、主人公であるユダヤ人一家の次男ユージンを演じる。
そして、ユージンの母ケイトを松下由樹が、ユージンの兄スタンリーを、ドラマや舞台、声優としても活躍の入野自由、さらに父親のジャック役を神保悟志が演じる。
本作で描かれるのは、いつの時代も変わらない、家族の物語。家族の大切さ、しかしそこから自立して自分の物語を作っていこうとする青春の甘くて苦い旅立ちを、ユーモアを交えて描いていく。
取材会に出席したのは、主演の佐藤勝利(Sexy zone)、松下由樹、入野自由の3人。
開幕を迎えて
ストレートプレイ初出演、ジャニーズ以外の舞台での単独初主演の佐藤勝利。
佐藤勝利「感慨深いですね。4年前くらいに主演舞台、ショーでしたけど、ストレートプレイはいつか演ってみたいなと。そしてたくさん舞台を観てきて、東京芸術劇場は本当にステキでいつか立ってみたい舞台だと思っていたので、まさか立てる日が来るなんて、というよく舞台で言ってそうなコメントなんですが(笑)。メンバーも今、舞台を上演中で、メンバーのほとんどが舞台に立っているんですけど、(ほかのメンバーは始まっていて)僕は途中から始まるので不安で“幕を開けられるかなぁ”とボソッと言ったら、さっき松島聡からメールが入っていて“リラックスして、絶対大丈夫だから、稽古してきて頑張ったこと信じて、本番頑張ってください”って。先輩なのかな?舞台では先輩ではあるんですけど。若干ではありますけど。みんな舞台を演っているので、やっと今日を迎えられるなという気持ちです。風磨くんは、僕にというよりも風磨くん自身長いセリフのある緊張した舞台を演っているので、僕は噛まなかったということをめちゃくちゃ自慢してましたね。何がしたかったんですかね⁉︎(笑)。ケンティ以外ですけど、みんなが舞台を演っているというのは不思議というか、特に松島は同じ池袋で。みんなで切磋琢磨しながら頑張っていきたいです」
演出家からみた初ストレートプレイとなる佐藤勝利の印象
演出:小山ゆうな「(佐藤勝利の初ストレートプレイは)初めてという感じが稽古のはじめからしなくて、センスがすごいので、日々新しいことがたくさんあると思うんですけど、見ながらいつの間にかすごい勢いでどんどん良くなっていくので、毎日楽しみでした」
思春期の少年を演じて
佐藤勝利「実年齢よりも10歳若い年齢を演じるんですけど、無理して子どもっぽくしないようには気をつけているというか、14歳ですけど、14歳の時の自分って大人だと思っていたし、変に子どもっぽくしないほうが、逆にちゃんと14歳という役が純粋に伝わるかなと思っているのと、僕童顔なので。それは大丈夫ですか。14歳は僕が事務所に入った年齢なので、事務所入って、そしてグループが10周年で、10年前の年齢の役を演じる、初舞台でそれを演るのは感慨深いなと思います」
兄弟役の佐藤勝利と入野自由
入野自由「ユージン(佐藤勝利)とスタンリー(入野自由)という役柄と一緒だなと。観ていただいてわかると思うんですけど、兄ではあるんですが、基本的にユージンに助けてもらったり、いろいろサポートしてもらって、たててもらってるようなところがあるんですけども」
佐藤勝利「めちゃめちゃ助けてます(笑)、めちゃめちゃ助けてます。なぜかというと、(入野)自由くんが、舞台に入る時に、始まる前わざわざ、“大丈夫だよ、お前ならいける”と毎回やってくださるんです。僕が本番始まってスタンリー・自由くんは後から登場で、僕が舞台袖にはけて自由くんが袖でスタンバイしている時に、この世の終わりくらい緊張していて、“誰がアドバイスしてたんだろう”と思いました」
入野自由「昨日もやらかしたしね」
佐藤勝利「僕も緊張しいですけど、結構緊張しいの方がいて、逆に緊張しなくなって。お互い励まし合いながら」
入野自由「舞台上でもそうですけど、勝利くんの笑顔を見ると大丈夫に。先ほども14歳という話が出ましたけど、僕も18歳の役ですけど、年齢感とか意識するよりもとにかくこの2人、家族全員なんですけど、稽古場でコミュニケーションとってきたありのままを伝えていけば、いい作品になると信じて演じています」
松下由紀「本当にカワイイ2人の息子で、見惚れないように気をつけています(笑)。14歳や18歳の年齢を意識しないで演じている姿が、日に日に増していて、私も助けられてお母さん度がアップできるという感じがしますので、家族感が良いのと、初日を迎えるにあたってそいう姿を観ていただけたらいいなと思っています」
舞台の模様
STORY
第二次大戦前夜、
野球、セックス、勉強・・・揺れ動く多感な少年期の想い出と
家族愛を謳った心温まるニール・サイモンの自伝世界。
ニューヨークのブルックリン地区の南、中流の下の収入の人々が暮すブライトン・ビーチ。時は1937年9月。
人々は、深刻な不況と近づいてくる戦争の足音に、不安な日々を送っていた。思春期を迎えたユダヤ人の少年ユージン(佐藤勝利)は父ジャック(神保悟志)、母ケイト(松下由樹)、兄スタンリー(入野自由)の4人家族。ケイトの妹ブランチ(須藤理彩)が夫に先立たれ二人の娘を連れて居候している。
野球選手か作家になるのが夢で、毎日秘密の回顧録を書いているユージン。ケイトは身を粉にして働いてはいるが生活は苦しく、いつヒステリーが爆発してもおかしくない状態。従姉のノーラ(川島海荷)は、ブロードウェイの演出家に呼び出されて女優になると言い出し、ローリー(岩田華怜)は病気がちで本を読んでいるばかり。その上、スタンリーは正義感から同僚をかばい、この不況の中で失職しそうになる。ジャックは家族の問題を解決しようとするのだが...。
性に目覚め、戸惑いながらも成長してゆくユージンの目を通し、家族の姿がユーモラスに温かに描かれていく。時におかしく、時に真剣に、困難な時代に喧嘩や失敗を重ねながらも「自分」と「家族」を見出していく物語。
PARCO PRODUCE『ブライトン・ビーチ回顧録』
作:ニール・サイモン
翻訳:青井陽治
演出:小山ゆうな
出演:佐藤勝利(Sexy Zone) / 松下由樹 入野自由
須藤理彩 川島海荷 岩田華怜 神保悟志
企画製作:パルコ
<東京公演>
公演日程:2021年9月18日(土)~10月3日(日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
料金:10,000円 (全席指定・税込
チケットに関するお問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
(平日 12:00~18:00 ※当面の間は月~金 12:00~15:00 までの営業となります)
公演に関するお問合せ:パルコステージ 03-3477-5858(時間短縮営業中) https://stage.parco.jp/
<京都公演>
公演日程:2021年10月7日(木)~13日(水)
会場:京都劇場
料金:10,000円(全席指定・税込)
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 [11:00~16:00]※日曜・祝日は休業