芥川賞作家・綿矢りさが、高校生の思いつめた恋心、暴走する想いを描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説「ひらいて」が、弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜による脚本・監督にて映画化となり10月22日(金)に公開を迎える。
学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の「愛」。恐れを知らない彼女の熱い恋心は、彼の「恋人」にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいく・・・。エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた新感覚・乱反射する少女たちの切実でゆがんだ恋物語。
この完成披露舞台挨拶に登壇したのは、主演の山田杏奈をはじめ、作間龍斗、芋生悠、首藤凜監督、原作者の綿矢りさの面々。
冒頭の挨拶
山田杏奈「すごくたくさん女性の方たちが観に来てくださっていて。みなさん楽しんでいってください!」
作間龍斗「舞台挨拶は初めてなので、めちゃく ちゃ緊張しています」
芋生悠「こうしてお客さんが入った中で上映するのが久々なので、 感慨深いです。この映画がようやく届くんだなと嬉しいです」
原作者・綿矢りさ「青春の切なさが同居した、すごく素晴らしい作品になっていると思います」
首藤監督「満杯の映画館を見られて嬉しいです。(この作品と)出会ったのが17才の冬で10年位前。幾度も救われてきた原作をこうして映画化することができて、キャストスタッフとみなさんのおかげで出会い直せたなと。今日みなさんも出会っていただけたら嬉しいです」
綿矢りさ「こんな想いで映画にしてくださる読者がいたなんて本当に幸福だなと思うし、本当にその熱い想いが完全に100%実現するような形で映画になっている、傑作ができたんじゃないかなと観てて思いました」
映画化での新たな発見
綿矢りさ「私が書いた時は、大人っぽい主人公とか友達、高校生にしては大人っぽい恋愛関係で書いたんですけど、映画はキャストのみなさんの神がかった演技もあったせいか、本当に高校生の瑞々しい感性が出ていてそれは驚いたし、原作にはない素晴らしさだと思いました」
主人公の愛について、主演の山田杏奈
山田杏奈「これから観ていただいたらわかると思うんですけど、かなり突拍子もない行動をとる子だったので、最初に読んだ時『どうしよう、愛、分からないかもしれない』と思って、監督にもずっと『分からないです』と素直に言いながら。でも根本にある高校生の暴力的な感情とか、そういうのは誰しも共通するものだと思うので、そういう所は大事にしながら精いっぱいやらせていただきました」
作間龍斗「見るからに周りに女性が多いっていう撮影で(笑)。映画出演が今回初めてだったので、そこが僕の中では大きく、どうやっていこうかなという所から、撮影入ってからも周りの方々にたくさん教えや刺激をいただいて今日まで辿り着きました。女の子が中心の映画ではあるんですけど、男である僕でも共感できる所があったりして、男性の方でも楽しめる内容になっているなとすごく思ったので、みなさん何かしら感じ取ってモヤモヤしながら帰ると思うんで すけど、それを楽しんで帰っていただければ」
会場「拍手」
芋生悠「(演じた美雪は)自分で自分を満たすことが出来る人、自分を愛することができて愛を与える側にもなれる人だなと思って。愛ちゃんが路頭に迷って傷ついている姿を一番目の当たりにしていて、自分が愛を与える側になって抱擁するというか包み込むような優しさがある子だなと。作品を通して美雪から、自分を愛することで人にも優しくなれるということが感じられるなと思いました」
初共演の3人
作間龍斗「 (共演前に山田と芋生をWEBで検索し)「お2人とも活躍されている方々なので、撮影の時は『うわっやべっ』という感じで圧倒されていましたね」
山田&芋生「そんなことなく、堂々としていましたよ!撮影がない時も現場を見ていましたよね。撮影は いつも和やかで楽しかったです」
撮影時と今日の作間が違うと指摘
作間龍斗「監督にも人見知り発動されちゃって(笑)」
首藤監督「撮影終わってから全然うまく話せなくて」
作間龍斗「『知らない人来ちゃった』って言われるんですよ、毎回」
首藤監督「愛ちゃん役の杏奈ちゃんとはずっと静かな戦いをしていたような感じで、愛が分からないっていう所と、でもわかりながら演じたいという葛藤をすごくしてくださったと思っていて、どんどん表情が画面の中で変わっていくので、それを体験していただけたら。作間君は現場中はずっとたとえ君だったので親密に話せたんですけど、もう今はジャニーズのカッコいい人の立ち姿で...。とってもでも内面の美しい部分が映っているので、心表れるような気持ちです」
キャスト陣の演技について
綿矢りさ「特に愛は、自分が想い入れを持って書いた登場人物で、先に考えるより行動するっていうのがすごく強い目力で演じられていて、心奪われる場面が多いなと感じました」
山田杏奈「安心しました(笑)。やっぱり原作者の方からの感想というのは緊張しますけど、最初の試写の後に綿矢さんとご挨拶させていただいて、その時にも『愛、おもしろかったです』とおっしゃってくださったのですごく嬉しかったです」
「好きな人の好きな人を奪う」愛の行動にどう思ったか?
芋生悠「でも好きな人の好きな人だから、きっと魅力的な人。分からないでもない」
山田杏奈「奪うまではいかなくとも、興味が湧くみたいな...」
綿矢りさ「完全に片想いだったら、好きな人のその好きな人の髪型を真似たり、少し怖い方に走る可能性もある かなって思いました」
首藤監督は「自分が選ばれなくて、好きな人が好きな人だと、自分に持ってないものを持ってると思っちゃうので、すごい好きになってネットで調べちゃったりします(笑)。Facebookで調べちゃったり...」
作間龍斗「でももし僕が誰か好きになって、その 人が好きな人がいるとしたら、僕は面倒くさがりなんで「やめまーす!」とやめちゃうと思います(笑)」
一同「(笑)」
タイトルにちなんで、キャスト3人が最近の「ひらいた」出来事
山田杏奈「サウナ—への道」
山田杏奈「(芋生がサウナ大好きと聞いて)えっ一緒にいこう?!」
芋生悠「整うっていうのを感じられている感じがする」
作間龍斗「20歳への扉」
作間龍斗「先日19歳を迎えまして、4年前位から楽しみにしているんですけど、本格的に20歳が近づいてきたなと。で色々な所でコーヒーメーカーが欲しいと言っていたら、親が頼んでくれて、さらに当日になったらメンバーの4人からコーヒーメーカーをもらいまして(笑)」
会場「(笑)」
芋生悠「料理への道」
芋生悠「最近パエリアを作って、結構楽ちんでした」
コロナ禍で打ち上げができずの面々
監督・キャスト一同「打ち上げしたいですね」
最後にメッセージ
山田杏奈「初めてみなさんに届くということで、すごくソワソワしています。綿矢さんが生みだされた作品が首藤さんに届いて、首藤さんが映画化を念願かなってされて、それをご縁があって愛という役をやらせていただく事になって、そこまで色んな人の想いが詰まっているんですけど、私自身も今までにない位追い詰められ たし、自分自身をすり減らしながら向き合った役だったので、それが出ているといいなと。作間君、芋生さん とも一緒にやらせていただいて、あの時でしか生みだせなかったものがたくさん詰まっていると思うので、それがみなさん一人一人に届いて、それぞれの新しい感情を生みだすといいなと思っています。ありがとうございました」
首藤監督「10年前に原作を読ませていただいて、とっても愛という人に感情移入をして生きてきたんですが、作っていく過程でどうやら愛に感情移入する人というのはそんなに多くはないらしいという事を知って。でもとっても色んな感情になれる映画なのではないかと思っているので、いろんな気持ちを持って帰っていただけたら嬉しいです」
あらすじ
高校3年生の愛(山田杏奈)は、成績優秀、明るくて校内では人気者。
そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”にずっと片思いをしている。
彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。
自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。
しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。
「たとえに、恋人がいるのではないかー」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。
手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに付き合っていることを知るのだった。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かしたー。「もう、爆発しそうー」
愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで・・・。
映画『ひらいて』
2021年10月22日(金) 全国ロードショー
山田杏奈
作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズ Jr.) 芋生悠
山本浩司 河井青葉 木下あかり
板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本・編集:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎 主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
制作プロダクション:テレビマンユニオン 製作:「ひらいて」製作委員会 配給:ショウゲート
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会 PG -12
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