2021年11月1日(月)~26日(金)歌舞伎座にて上演の「吉例顔見世大歌舞伎」の取材会が、10月8日(金)に行われ、演目『連獅子』に出演する片岡仁左衛門と孫の片岡千之助が出席した。

今回片岡仁左衛門は、本興行では最高齢となる、喜寿77歳で狂言師右近後に親獅子の精を勤め、そして孫の千之助は、狂言師左近後に仔獅子の精を勤める。『連獅子』で過去三度共演してきた二人が、平成26年以来7年ぶりに華やかで勇壮な歌舞伎舞踊の代表作『連獅子』を踊る。
公演に向けての思いを語った。

仁左衛門と千之助の『連獅子』共演は、過去3度。

・平成 23 年 6 月 「六月大歌舞伎」 新橋演舞場
※本興行では、戦後初めての祖父と孫での『連獅子』共演
当時:仁左衛門 67 歳、千之助 11 歳

・平成 23 年 10 月 8、9 日「吉野芸能祭 金峯山寺奉納歌舞伎」 金峯山寺蔵王堂特設舞台
当時:仁左衛門 67 歳、千之助 11 歳

・平成 26 年 9 月 「秀山祭九月大歌舞伎」 歌舞伎座
当時:仁左衛門 70 歳、千之助 14 歳

厳しくも温かい親獅子の情愛や谷を這い上がる子のけなげさ、親子の感動的な再会が描かれる『連獅子』。白毛の親獅子の精を片岡仁左衛門が、赤毛の仔獅子の精が片岡千之助が、勇壮かつ華麗な毛振りを披露する。

本興行では最高齢77歳での『連獅子』(仁左衛門)

「この歳になったらぜひ『連獅子』をやりたいと思っていました。35年前に十七代目の中村屋のおじ様(十七世中村勘三郎)が、76歳の時に、当時の勘九郎くん(十八世勘三郎)と一緒に踊られていて、もし歌舞伎座で『連獅子』を踊れる役者になれれば、ぜひおじ様と同い年の時に踊りたいと決めていたんです。今回、孫との共演で35年間抱いていた願いが、かなった公演でございます」

7年ぶりの『連獅子』での共演に期待(仁左衛門)

「私のことを“オーパ”と言うのですが、小さい頃に“オーパ”と『連獅子』を踊りたいというメッセージをくれまして、(千之助)11歳の時に実現しました。その時は本当に小さい子どもがよく頑張ったなとうれしく思いました。そして今から7年前に歌舞伎座でやらせていただいて、11歳の頃から成長した部分と、もうちょっと成長したほうがいいなという歯がゆさが入り乱れて……。身内の甘さと先輩後輩の厳しさの難しいところですね。ですから今回は、成人していますし、しっかりと踊ってもらわないといけない。そして今まではつくらなくても子獅子でしたが、21歳であどけない子獅子を表さなければいけない。そこに芸の難しさがひとつ加わりました。どこまで克服してくれるか期待しております」

憧れの祖父との『連獅子』での再共演(千之助)

「11月に祖父と『連獅子』を勤めさせていただくことになりました。とにかくこの21歳という若い歳ですけれども、この歳にできる自分のベストというものを懸命に勤めさせていただきたいと思います。『連獅子』という演目を小さい時から祖父とやらせていただきたいという思いがずっと強く、それを手紙にして送らせてもらったことがありますし、それを10年前にかなえていただいて。その時の一番の思い出は稽古の時です。10年前は子どもとして稽古をしていただいただき僕の中ではまだ優しいオーパという存在だったのですが、7年前(当時14歳)の連獅子の稽古から急に僕の中では祖父というよりも、役者の大先輩という存在に変わりまして、稽古が厳しく変わったなというイメージが強くあります。稽古から子獅子で谷底へ突き落されたというような感覚が少しあって、追いつきたい、這い上がらなければいけないという感覚を持たせていただけたことが、この『連獅子』につながったという思い出があります。21歳という歳で、子獅子をいかにあどけなく表現するか、それが連獅子という作品に当てはまるように、しっかりと踊ることを意識しながらチャレンジを続けなければいけないと思います」

10月14日(木)からチケット発売が予定されている。

華やかで勇壮な歌舞伎舞踊の代表作『連獅子』

ここは天竺の清涼山。文殊菩薩が住むという霊地の、その麓には神仏の力により出現したという石橋。 そこへ狂言師の右近と左近が手獅子を携えやってくると、石橋の由来に、文殊菩薩の使いである霊獣の 獅子は仔獅子を谷底へと蹴落とし、自力で這い上がってきた子だけを育てるという故事を見せる。やがて満開の牡丹の花に戯れ遊び、親獅子の精と仔獅子の精が現れると...。

画像: 華やかで勇壮な歌舞伎舞踊の代表作『連獅子』

歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」

2021年11月1日(月)~26日(金)

第一部:午前11時~
一、神の鳥(こうのとり)
二、井伊大老(いいたいろう)

第二部:午後2時30分~
一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精 仁左衛門
狂言師左近後に仔獅子の精 千之助
浄土僧専念        門之助
法華僧日門        又五郎

第三部:午後6時~
花競忠臣顔見勢(はなくらべぎしのかおみせ)

※開場は開演の40分前を予定
【休演】8日(月)、18日(木)
【貸切】第一部、第二部:12日(金)

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/731

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