撮影/奥田耕平(THE96) スタイリスト/鴇田晋哉 ヘアメイク/CHUUNi速水昭仁
――ホラー映画初出演です。高橋さんはもともとホラーや怪談ものは得意でしたか?
「(即答で)僕は苦手でした(笑)。出演させていただいて言うのもあれですが、怖いのは実は得意ではないんです」
――ちなみに高橋さんが一番怖いと感じるものはなんですか?
「それこそずっと怖かったのがおばけですね、これは今回の映画関係なく本当に。ですが今は『牛首村』を経験したおかげで、おばけに対する変な恐怖心もなくなりました」
――ホラーという苦手なジャンルに挑戦されたということで、それを克服するために特別な準備はされたのでしょうか。
「何もしていないです。ホラー映画だからといって他の作品と何かが特別に違うわけでもないですから。“ホラー映画だからこうしなきゃ!”みたいなことは決めずに、今まで通り作品と向き合おうと。ただ“撮影はどうやるのかな?”“怖い場所に行くけど大丈夫かな?”という不安はありました」
――今回共演されたKōki,さん、萩原さんとの思い出をお聞かせください。
「実はこの3人で同じシーンっていうのがそんなに多くないのですが、そんな中で初めて3人でのシーンを撮影する時の空き時間に好きな食べ物の話をしました。その延長で自分の好きな食べ物ランキングをほかの2人が当てるというゲームを始めたところ、予想外に盛り上がって、これをきっかけにすっごく距離も縮まりました。たしかこのゲームは利久くんが話を振ってくれたんだったけな?しかもこれが初めてこの3人で、撮影現場で会った日だったんです。そこからお芝居のことも話すことも増えましたし、空き時間も話すようになったので、とても思い出深いエピソードです」
――ちなみに好きな食べ物ランキングで高橋さんは何を入れたのでしょうか?
「僕はシャケ、メロン、……あと何かです(笑)!その日は好きな食べ物トップ3のうち、残りの2つを2人が予想するゲームでした。ただ2人の好きな食べ物はちょっと忘れちゃいました。たしかヨーグルトとか、トマトとかそんなことを言っていた気がします(笑)」
――清水監督からは現場でどんなことを求められましたか。
「清水監督は役者と向き合ってくださる方で、シーンを撮影する前に丁寧に役の心情とかを説明してくださいました。だから何かを強要されるということはなく、常に役者に寄り添ってくれる姿勢がありがたかったですし、その優しさのおかげで今回の現場では本当にのびのびとやらせていただきました。ちゃんと役者側の意見を大事にしつつ、アドバイスもしっかりしてくださる。毎日がその繰り返しでした」
――高橋さんから見たホラー界の巨匠・清水監督の素顔は、温かい方?
「温かいという言い方も間違ってはいないんですが、心が広いという表現のほうがしっくりくるかもしれません。あと清水監督はすごくオープンな方なんです。フランクな性格ですし、時には冗談もおっしゃって、常に現場を明るい雰囲気に導いてくださいました」
――清水監督が言う冗談とはどんなものなのでしょうか。
「これはたとえばですけど、“今日はもう撮影終わりにすっか!”みたいな。実際には言われていないですけど、こんなふうに映画監督が言ったら冗談に聞こえないような冗談をすんごく本気っぽく言ってくるので、“え?え?どっち?”ってめっちゃ焦るっていう(笑)。それで利久くんとも“今のどっちだろうね?”なんて話したりしていました。でもそういう冗談が通じる空気感もあって、みんなピリピリせずに楽しくやらせてもらっていました」
――俳優を始めてから1番変化した部分、逆に変わっていない部分はありますか。
「朝起きられるようになったのが1番変わりました(笑)。逆にそれ以外はあんま変わっていないかな?」
――ドラマの撮影なんて特に朝が早いですもんね。
「そうなんです。昔は学校へ行くにも寝坊しまくっていたような人間だったんです。でも役者を始めてからはそういうのもなくなりました。「仮面ライダーゼロワン」をやっている時は、親から“よく起きられるね〜”と1年間ずーっと言われていました。ある日、“たしかになんで起きられるんだろう?”と考えたんです。そうやって振り返るとデビューしてから現場に行くのが嫌だと思ったことが1秒もなくって。やっぱりこの仕事が楽しいんでしょうね」
――ちなみに今日は何時起きでしたか?
「7時半くらいです。でも今では7時半も早起きに感じなくなってきました。撮影現場の入りが6時半と聞くとさすがに早いな、と思うけど8時起きならかなりゆっくりだなって。役者を始めてから時間の感覚がバグりました(笑)」
――最後に読者に映画の見どころとメッセージをお願いします。
「撮影に参加する前は僕自身ホラーが苦手で、“出演させていただくけど、ちゃんと観られるかな?”と不安だったんです。でも完成した『牛首村』を観るとどんどん物語に吸い込まれて、ほかの作品では味わえなかったドキドキ感や、怖さを楽しむことができました。だけど、そうやってただ怖いだけで終わらず映画としての魅力を感じられたのは、ストーリーの軸がしっかりしているからだと思うんです。映画が終わった後、“怖くてつい自分の背後が気になる……”という恐怖よりも、物語としてちゃんとまとまっていることへの安心感のほうが強く感じると思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただいてたくさん観てほしいなと思います!」
PROFILE
高橋文哉
TAKAHASHI FUMIYA
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。
〈近年の主な出演作〉
映画『仮面ライダー』シリーズ(2019-21年)
映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』(2021年)
映画『DIVOC-12』「死霊軍団 怒りのDIY」(2021年)
ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(2019-20年)
ドラマ「先生を消す方程式。」(2020年)
ドラマ「夢中さ、きみに。」(2021年)
ドラマ「着飾る恋には理由があって」(2021年)
ドラマ「うきわ-友達以上、不倫未満-」(2021年)
ドラマ「最愛」(2021年)
ドラマ「ドクターホワイト」(2022年放送中)
映画『牛首村』
九州を舞台にした『犬鳴村』(2020)、富士の『樹海村』(2021)に続く〈恐怖の村〉シリーズ第3弾『牛首村』が2月18日(金)に全国公開。メガホンをとったのは、これまでの村シリーズ全作を手掛けるホラー界の巨匠・清水崇監督。主演は、本作で映画初出演・初主演のKōki,。不可解な出来事に巻き込まれる女子高生姉妹の一人二役を熱演する。さらに萩原利久、高橋文哉ら若手実力派俳優が集結。
STORY
ウシノクビって……知ってる?この話を聞くとみんな呪われて、いなくなるんだって。
“私がもうひとりいる……?”
奏音(Kōki,)は、ある心霊動画に移った、自分そっくりの女子高生を見て驚愕する。牛首マスクを無理やり被せられ、廃墟に閉じ込められたところで、映像は切れた。
彼女は誰なのか?妙な胸騒ぎと、忍び寄る恐怖。何者かに導かれるように、動画の撮影地・坪野鉱泉へと向かう。
妹の存在、双子、牛の首……
「牛首村」と呼ばれるおぞましい場所の秘密と風習が、狂気と恐怖となり、彼女にまとわりついていく……!
映画『牛首村』
2月18日(金)公開
出演:Kōki,
萩原利久 高橋文哉
芋生悠 大谷凜香 莉子 松尾諭 堀内敬子 田中直樹 麿赤兒
監督:清水崇
脚本:保坂大輔 清水崇 音楽:村松崇継
製作:村松秀信 與田尚志 佐野真之 丸橋哲彦 中林千賀子 後藤明信 檜原麻希 吉村和文 福田剛紀 宮田昌広
企画:紀伊宗之
企画・プロデュース:高橋大典
プロデューサー:三宅はるえ
撮影:福本淳 照明:市川徳充 美術:稲付正人 録音:西山徹 編集:鈴木理 装飾:原島徳寿 衣裳:小磯和代 ヘアメイク:小出みさ
特殊スタイリスト:百武朋VFX
スーパーバイザー:鹿角剛 音響効果:赤澤勇二 助監::毛利安孝 制作担当:高橋輝光
「牛首村」製作委員会:東映 東映ビデオ アスミック・エース 山陽鋼業 ブースタープロジェクト 竹書房 ニッポン放送 ダイバーシティメディア 全日本プロレス ギャンビット
制作プロダクション:ブースタープロジェクト
配給:東映
2022年/115分/カラー/ビスタ/5.1ch
©2022「牛首村」製作委員会
www.ushikubi-movie.jp