2月25日公開となる奥野壮主演の映画『灰色の壁-大宮ノトーリアス-』の完成披露報告会が2月1日都内劇場にて行われ、主演の奥野壮をはじめ、陣内孝則、新羅慎二、安藤光造監督が、撮影を振り返り完成の喜びを語った。

本作は、元暴走族の総長・正樹が8年の刑に処され人生を賭けたリベンジを始めるストーリー。

主演を務めるのは、「仮面ライダージオウ」で主人公・仮面ライダージオウ/常磐ソウゴ役を演じた奥野壮。奥野壮・初の主演作品となる。奥野が演じる主人公の正樹は、暴走族の総長から一転、少年刑務所に収監されるという難しい役どころ。

そして正樹を待っている妻のさゆりには、紺野彩夏)が、厳しい看守・杉山を陣内孝則が演じる。

本作の役のために、主演の奥野壮は坊主に変え、体当たりで挑んだ。

奥野壮、主人公を演じてみて

画像: 奥野壮、主人公を演じてみて

た奥野壮は、「正直めちゃくちゃ大変でしたね。一番最初の撮影の時に監督から『もっと恐く!』と言われて、『恐いってどういうことだろう』と。もっと強く、もっと恐くっていう言葉がずっと頭に残っていて、疑問と戦いながらいましたね。その答えは出ませんでしたが、僕なりの恐さというのはずっと出そう出そうと、必死こいて撮影していました」

安藤監督は「恐さ、しっかり出てましたよ。劇中用でお金を渡すんですけど、『本当に捕られちゃうんじゃないかな』って思うくらいでした」

厳しい看守・杉山役の陣内孝則

画像: 厳しい看守・杉山役の陣内孝則

陣内孝則「奥野君を筆頭に若い人たちが非常に熱を持って演じていて、凄く現場にいて感動しましたね。私の役は主人公を正しい道に導く役でございまして、観ていただいた方に、陣内ってこういう人なんだなって思っていただけたら幸いです。今回、キャスティングプロデューサーの川口真五っていう、私の後輩のよく仕事していた俳優がいて、彼に『力を貸してください』と頼まれて出演したんですけど、彼と待ち時間に楽屋で話していて『僕、ロスに留学してたじゃないですか』というんです。僕10年くらい付き合っているけどそういう話は聞いたことなく、びっくりして『本当に?何年くらい?』って聞いたら『1ヵ月だ』と。『語学学校とか演劇学校とか行ったの?』って言ったら『日常生活をしながら勉強しようと思って』。『それ、観光っていうんだよ』って僕教えたんですけど、『違います!僕は留学したんです!』っていうから、『そういうことを言うと経歴詐称で訴えられるよ』って言ったんですけど頑なで。後輩を正しい道に導かなきゃいけない役なんで…常に正しい道に後輩も導かなきゃと思ってます」

若頭・門間を演じ、オープニング曲・エンディング曲も手がけた新羅慎二

画像: 若頭・門間を演じ、オープニング曲・エンディング曲も手がけた新羅慎二

新羅慎二「(楽曲制作について)オープニング曲はすんなり一発OKでしたけど、エンディングは苦しくて苦しくて。僕のスマホには灰色の壁という名の曲がまだ4曲分残っているんです。いい加減できないと思って監督に辞退させてほしいと一度頼みました。『僕これ以上、弾ないんです』って言っても『駄目だ!』っていうんですね、しごきにしごきで…。なんとか最後ゴールできましたけど。やってる最中、出演よりそっちしか頭になかったですね」

安藤監督「7 回くらいだった?」

新羅慎二「想像を絶しますよね、7 回もダメ出しって(笑)。恐ろしいですよね。2,3 週間かけて持って行ってダメだから、ずっと考えてました、頭の中で。家族で一番大事なものはな
にか悩んだときに、『あ、約束だ!』と思って、お互い1つずつ約束をまもってゆくような人間関係を描きました」

安藤監督「最後の方は完成形に近づくほどアレンジの区別がつかなくなってしまって編集のとき『どれだっけ?』わからなくなっちゃって」という発言には一同爆笑。「映画実際に観たら 5 回目くらいのが間違えて流れてたらめちゃくちゃ面白いですね(笑)」

新羅慎二「まぁありえますよ(笑)。たぶん最後の方、わかってないですよ監督も」

安藤監督「あと、居酒屋で曲の話で盛り上がって、あの日めちゃくちゃ飲んだんですよ。帰りに酔っぱらって転んで、前歯3本折りました。前歯を失いながらつくった映画です!」

奥野演じる正樹の妻役の紺野彩夏より動画メッセージが到着

紺野彩夏「撮影から 2 年がたってやっと皆さんにお届けができると思うと凄く嬉しい気持ちでいっぱいです。初めての母親役を演じたので、それを新しい一面として観ていただけたらすごく嬉しいなと思ってワクワクしています。(奥野)壮君とは『仮面ライダー』でご一緒していたので、凄く心強く、初めての役でも一緒なら楽しく演じられるかなと思って、素敵な撮影期間を過ごせました」

新羅慎二「『仮面ライダー』で奥野さんと紺野さんご一緒されてるんですね。陣内さんも出演されてましたよね。僕も主題歌をつくったこと
があって。全員関係してますね」

陣内孝則「『仮面ライダー』の主題歌は儲かるんですか?」

奥野壮「あんまりそういう話はできないと思いますよ(笑)(ツッコミ)(紺野との再共演について)。夫婦役ということで、最初は複雑でしたね。『仮面ライダー』では敵役で、紺野さんのことを『殺すような目で見てほしい』という演出があったりしたので。今回は絆をどう表現したら良いだろうということを考えました。やっぱり 1 年間一緒にやっていたということもあったから、安心して撮影できました。実際、モデルとなった吉田正樹さんに奥さんとの馴れ初めや当時のお話しを聞いて、そこからふたりの関係性を考えて演じました」

舞台上には、奥野演じる吉田が門間との対決するトラブルの最初の火種となるスズキ・GSX400E

奥野壮「劇中で榊原から取り上げる、チキンレースの場面のバイクですね」

安藤監督「昔はおじさん型のバイクって言われていたものだけど、今は旧車ブームで、プレミアで値が付くようになってきたんです。僕はバイク好きで、細かいパーツも手が込んでいます。昔は、陣内さんわかると思うんですけど、目が合っただけで殴り合いになる時代で…。」

陣内孝則「自分、あんまりそういう世界の人と
は関わりが…。その世代ではあります」と陣内。「だから、『ビーバップハイスクール』は博多の人が描いているんですよね。あの時代、モデルになっている人たちは大概知ってますよ。…いや、だから、友達の友達ですよ!『あい
つ俺知っとうぜ』っていう感じ」

安藤監督「バイクでの集会シーンの撮影は梅雨時で、奇跡的にその 2 日間だけ晴れたんですよ。今までにないくらいの規模で。400~500 台くらい集まりましたね」

奥野壮「あれ大迫力ですよね、集会のシーン。いかつい人たちに囲まれながら喧嘩のシーンを撮るっていう、迫力が恐くて、『これ大丈夫かな』って思いながらやってましたね(笑)」

「自身のやんちゃしたエピソード」

奥野壮「いや、僕はないですよ(笑) 本当に小学生の頃の友達との取っ組み合いくらい、可愛いもんです。新羅さんや陣内さんの方がありますよね?」

新羅慎二「僕の頃も、目が合ったら喧嘩する時代だったんですよ。僕は体格が大きいので、その世界では頑張ってた方だったんですけど、性格が乙女な部分も持っていまして。通学の時は緊迫感ある雰囲気だったんですけど、読んでるマンガが『キャンディ キャンディ』だったんですよ。ある時、不良にバスの中でからまれて、『「キャンディキャンディ」なんか読んでんじゃねえよ』って言われましたね。『キャンディ♡キャンディ』を舐められて、それが自分の中でちょっと許せなくて、バス降りて『キャンディ♡キャンディ』の本を使ってボッコボコにしてやりました(笑)。まさかそんな使われ方をしているなんて関係者の方は思ってないと思いますけど」

陣内孝則「僕は全然ないんですけど。子どもの頃から家で勉強ばっかりしている“もやしっこ”で。でもバイクにちなんだ話をすると、僕の先輩が高校時代、嫌いな先生のバイクを、高校の裏が海になっていて、そこにバイクを埋めた事件が起きまして。ところが満ち潮の時に埋めたもんですから、引き潮になって見つかって大問題になりまして。大人になってからその先輩に会って、『バイクを埋める時は潮の満ち引きは考えて埋めんといかん』って。僕は、潮が満ち引きとか、先生が好き嫌いとかそういう問題じゃない、『人のバイクは埋めちゃいけない!』と。これを今の若い人にくれぐれも言っていきたいと思いますね。正しい道に。絶対に人のバイクは埋めない!」

新羅慎二「それでも、もし埋めるとしたら?」

陣内孝則「引き潮の時に埋めることですね」

最後にメッセージ

奥野壮「魂込めて撮影した作品になっています。シリアスなシーンが多い作品なんですけど、この映画を通してなにかを思っていただけたら。素敵な作品ですので多くの方にご覧いただけたらと思います」

『灰色の壁-大宮ノトーリアス-』は 2月25日(金)よりヒュー マントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。

STORY

すべてを失った男。孤高のリベンジがいま、始まる―。
1996年 関東の郊外、埼玉県岩槻市。暴力団「青葉会」が支配する大宮周辺では巨大暴走族が蔓延り、日々若者の抗争が絶えなかった。そこで一躍名を上げていたのが、県下一の勢力を誇る暴走族「桜神會」(おうじんかい)の吉田正樹 (奥野壮)だ。しかし、その活躍を面白く思わない青葉会と、その傘下に入った暴走族「魅死巌」(みしがん)の企みにより正樹は少年刑務所に送られてしまう。少年刑務所での酷い仕打ちに抵抗する正樹だったが、娑婆に残った桜神會のメ ンバーが次々と青葉会に買収され、妻や娘も不当なゆすりに遭っていることを知る。正樹は青葉会や魅死巌への復讐を誓い、一刻も早く、この灰色の壁を出るべく、まずは模範囚になることから始めるのだった。いま、ある男の人生を賭けたリベンジが静かに始まった―。

『灰色の壁-大宮ノトーリアス-』

2 月 25 日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

奥野 壮
紺野彩夏 金子昇 新羅慎二
吉村界人 後藤剛範 木田佳介 小嶌宣輝 濱正悟
高橋龍輝 玉城裕規 湊祥希 馬場海河
井倉光一 LUNA 兒玉遥 杉江大志 陽向謙斗 澤井一希 ID SAM BIGZAM 陣内孝則

監督:安藤光造
脚本:朝比奈徹、安祖兄小屋次 撮影:野村次郎/照明:溝渕健二/録音:桐山裕行/音楽:小河原周作 ヘアメイク:征矢杏子/スチール:タイナカジュンペイ プロデューサー:安藤光造、吉田正樹、藤田真一/キャスティングプロデューサー:川口真五 製作:モンキースパイス/制作協力:アーティット

配給:アルバトロス・フィルム

©2022「灰色の壁-大宮ノトーリアス-」 製作委員会

公式サイト:https://omiya-notorious.jp
公式 Twitter:@OMIYA_NOTORIOUS

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