ーーシリーズが改まってから、この「スター・トレックBEYOND」で三度目のカーク役を演じることになるクリス・パイン。今回のカークはどんなところが今までと違っているのだろう。
『これまで彼の心に火をつけていたのは、戦死した父親ジョージの影を生きるようなものとか、父が残したものに従って生きることとか、自分の力を証明し、かつての荒れていた時の己を認めてやる、といったようなことだった。それが少し薄れてきて、初めて今自分が何のためにこうしているのかを考えているところだと思う。モチベーションが変化してきて落ち着かなくなっているということかな』
ーーそしてスコッティ役のサイモン・ペグが脚本を担当している点も新しい変化だ。
『なんだか週末に両親が出かけた留守の時に、思いっきり騒がしいパーティーをやっているような感じだった(笑)。サイモンはお互いのことをよくわかっているから、現場で追加のセリフを入れたり、削ったり、アドリブもやったり、凄くスムーズに仕事ができたと思う。もちろん彼はユーモアも忘れないしね』
ーーアクション・シーンは楽しめた?
『モーターバイクに乗るシーンが面白かった。モトクロスのチャンピオンみたいな二人が教えてくれてね。怖いと思うこともあるけど、最高に爽快だった。バイクにハマったね。他にもアントン(イェルチン。このインタビューは彼が亡くなる前に行なわれた)と一緒に爆発の中でジャンプしたりする凄いアクション・シーンがあるんだ』
ーー「スター・トレック」は今年五〇周年を迎えるが、それに対してプレッシャーは?
『なかったね。僕は監督や脚本家のビジョンを具現化する仕事をする責任を負うだけ。ほかのプレッシャーは放っておかないと、自分を追いつめちゃうからね。でも今回扱っている問題は、五〇周年にふさわしく「スター・トレック」という作品世界の大きな構造に対するものなんだ。』
(続きはSCREEN11月号で御覧下さい)