3月16日、都内のホテルで行なわれた「ゴースト・イン・ザ・シェル」の来日記者会見場は久々に超満員のマスコミ陣でごったがえしていた。日本のコミックとしてすでに世界的に有名な『攻殻機動隊』を基にしたハリウッド超大作「ゴースト・イン・ザ・シェル」への期待度の高さが伝わってくる。そこに登場したスカーレット・ヨハンソン、ジュリエット・ビノシュ、ピルー・アスベック、ルパート・サンダーズ監督、そして日本が誇るビートたけしの5名。
主人公である“少佐”を演じたスカーレットは、自作の記者会見を日本で行なうのはこれが初めてだ。
『この映画を最初にお見せできるのが日本ということはうれしく、素晴らしいです。私自身興奮気味です』と紅潮して挨拶しつつも、堂々としている様子が頼もしい。
この映画に参加した感慨は?という質問に、スカーレットは真剣にこう答えた。
『押井(守)監督のアニメ版を見た時、その詩的で哲学的な世界観に圧倒され、自分に何ができるかを問いました。でもルパートに提示された“少佐”の資料を見て、次第に彼女に共感することが出来ました。私はこの役を通じて肉体的、精神的に追い詰められたのですが、それは人としても役者としても新たな自分の発見につながったと思います』
その発見はどんなことだろうか?という問いかけに、スカーレットはこう言った。
『個人的に最近興味を持っているやり方なんですが、不快感とか、肉体的な居心地の悪さ、恥ずかしさとかもろさを感じる状況に身を置いてみて、その時の感情なりを自分でどう捉え、掘り下げ、観察して、俳優の仕事に利用するということですね。それを乗り越えて何を発見したかということを具体的にいうのは難しいですが、役者として人として成長したのは間違いないと思います』
そんなスカーレットのストイックさを『スカーレットからプロの役者とは何かを教わった』と共演のたけしも絶賛。
名女優ジュリエットは、『こんなに才能ある人たちと共演できて光栄でした。脚本を読んだ時は暗号を見ているように感じましたが(笑)、3D技術者の息子が原作のファンで肩を押してくれたんです』と出演秘話を披露。
監督も『元々ファンが多い原作の映画化でプレッシャーはすごかったですが、とにかく皆さんが見たことのないものを作るつもりで邁進しました。ぜひ楽しんでほしいです』とようやく完成した喜びを顕わにした。
この日の晩、ワールドプレミアが新宿で行なわれ、ここでスカーレットはブルーのセクシーなドレスに衣装チェンジして集まったファンの歓声を浴びていた。