「イエロー・ハンカチーフ」や「ブーリン家の姉妹」など、小さくても印象に残る役を演じていたエディー・レッドメーンが、アンサンブル演技ながら初めて主演級の扱いを受けた作品。ヒロインを演じるジェシカ・ビールの相手役という役どころで、フォレスト・ホィッテカー、レイ・リオッタ、パトリック・スウェーズといったベテランの共演陣の中でも一歩も引けを取らない。監督・脚本を担当したのはプロデューサーとしての仕事が多いティモシー・リン・ブイ。
STORY
小さな葬儀屋を営む青年クワーティは、ある日車で犬をはねてしまい、傷が癒えるまで預かることにした。その犬は実はストリッパーのローズの飼い犬だったのだが、家を留守にしている間に抜け出し事故に遭ったのだ。探し犬の張り紙を見たクワーティはローズに連絡して会い、二人は意気投合する。一方、服役から出所した男ジャックがローズに付きまとっており、クワーティの方も元神父チャーリーから自分を殺してくれと懇願されたりする。錯綜する物語はどこに向かっていくのだろうか……
オススメPOINT 1
とにかくレッドメーンのイメージが初々しい。女性に対してうぶで、ローズのストリップを見てドギマギする様子などは必見もの。27歳という年齢の割には実際以上にシャイな雰囲気を漂わせて、実生活でもこうなのだろうかと思わせる演技ぶり。この頃からすでに演技派だったことが納得できる。周囲のベテランたちにも負けない演技力はやはり英国の演技学校と舞台で鍛えられたからだろう。
オススメPOINT 2
共演陣の豪華さに驚かされる。前述した以外にもTV「フレンズ」のリサ・クドローや人気歌手でもあるクリス・クリストファーソンといった面々が顔をそろえているのだ。そういった主演級の俳優たちを周りに配して主演を張るのだから、レッドメーンも抜擢されたと言っていいだろう。ストーリーも複雑に絡み合っていくが、クライマックスではうまく一本にまとめられており、小品ながら佳作と言っていい仕上がりになっている。
2009年製作というから、作品的には「HICK ルリ13歳の旅」の前にあたる作品。まだ27歳だったエディー・レッドメーンが若々しく、うぶな青年がまさにハマり役です。