小さい時から大好きだったシャーリー・マクレーン。高校生の時、髪をものすごく短くしたら、みんながシャーリーに似ていると言ってくれて、それ以後、無意識なのか、何か運命に導かれたのでしょうか、自分の表情が彼女に似ているようになってきて、シャーリーの若い時から現在までの色々な写真を見るたびに、勝手に何と似ていることよ!と頷いているのです。

初めて会ったのはかなり前の1988年「マダム・スザーツカ」という映画の時ですが、当時54歳、もっと優しくて、柔らかい姿勢の女優だと思ったら、これがすごい毒舌で、わざと相手を痛めつけるようなジョークをさらっと言ってのけて、自分でわはわは笑っているという、大姉御なのでした。

あのタレ気味の細い目と、若い時から笑い皺があるような、愛嬌たっぷりの笑顔が、とびきりチャーミングで、キュートな女性と思わせてしまうのですよね。

つい最近あったのは、「ザ・ラスト・ワード」(2016)という、自己中心の権化のようなキャリアウーマンが隠居生活に入り、ある日、新聞の死亡欄を見て、自分が死んだ時は素晴らしい死亡記事を載せて欲しいと女性ライターを呼んで、自分がいかに才能があって、素晴らしい仕事をしてきたかなどを滔々と語っているうちに、他の人々の生活が目に入り、優しくて、親切なおばあさんになってゆくという映画の会見の時でした。

昔よりかなり体が丸くなって、それでも身長があるので、大柄な女性という存在になり、いたずらっぽい目つきで、かなり的を得た答えをしたかと思うと、相手の質問をはぐらかしたり、怖いほどにシャープな頭脳作戦を行使して、話を進めて行きます。

度忘れ、といったシニア・モーメントもなく、スムースに記憶が溢れ出てくるのも、柔軟な肉体に柔軟な脳細胞のタイアップのせいでしょうか。1934年4月24日、バージニア州リッチモンド生まれですから、今年83歳。

考えてみると昔から、グラマースターぶったり、自分が有名だということを全く意識していない、独特の飄々としたスタンスがあって、それが他の美女スターと異なる位置を保っていたのですね。親しみやすくて、頭が良くて、優しい女性というイメージの役がほとんどでしたし。

「最近、日本にいらしたことはありますか?」と聞いたら、「昔と違って、ちょっと変な国になってしまったから、あまり行きたくない」とはっきりとした口調で、答えてきました。

覚えてますか?その昔、シャーリーにはスティーブ・パーカーというビジネスマンの旦那様(1954−1982)がいて、彼はずっと東京暮らし、二人の間に生まれた娘はサチコと名付けられ、シャーリーは日本との往復を機会に「マイ・ゲイシャ(My Geisha )』(1962)という映画で、青い目のゲイシャを演じたりしてました。この時の日本の女性役の名前はヨーコ・モリだったのですよ!

のちに、シャーリーと夫君は、オープン・リレーションシップで、お互いに結婚に縛られずに、恋愛をしていたそうで、彼女な共演男優とすぐに仲良くなるので有名でした。例外は「ジャック・レモンとジャック・ニコルソンの二人のジャック」だったそうです。

何しろなんでも命令調で話すので、アンソニー・ホプキンスなどは「2度と一緒に仕事をしたくない。ひどく無礼な女優だ」とぶんぶんと怒っていたそうな。

去年のオスカー授賞式で、シャーリーズ・セロンから「私の最も尊敬し、目標としている大女優のシャーリー!」と名指しされ、二人で舞台に出てきた時は、たいそうな貫禄でした。まだまだスーパー現役で、映画4本が並んで公開を待ってます。「ザ・リトル・マーメイド」(2017)、「マザー・グース」などなど。

たくさんのツーショットがあるのですが、今手元にあるのは2枚だけ。最近はかなりエキセントリックなマダムの顔になってきました。彼女のような、永遠に続きそうなバイタリティとは、やはりスピリチュアリティの賜物なのかもしれません。

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