全米でスマッシュヒット!日本でも2017年8月19日より公開の新感覚クライム・アクション「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督が来日。観客にも批評家にも大受けの本作について語ってくれました。(平沢薫)
画像: エドガー・ライト監督 photo by Tsukasa Kubota

エドガー・ライト監督 photo by Tsukasa Kubota

「ショーン・オブ・ザ・デッド」ではゾンビ映画、「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」ではポリス映画、「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」ではSF映画と、ジャンル映画にオマージュを捧げてきたエドガー・ライト監督が今回挑むのは、カーチェイス映画。中でも原点はウォルター・ヒル監督の「ザ・ドライバー」(78)。ヒル監督は本編の最後にナレーターとして声のカメオ出演をしている。
「彼とは6、7年前から親しくしているけど、最初に"今度の映画はあなたの作品へのトリビュート(敬意の表明)なんです"と言う時は、ものすごく緊張したよ。声のカメオ出演をしてもらうことで、ヒル監督への感謝を表したんだ」
 そのヒル監督が試写に現れず、本作が見たくないのかと心配したが、監督は「この映画はお金を払って見たい。そうやってサポートすることが重要だから」と言って初日に劇場で見て「よかったよ」と電話をくれた。
「だから僕はディナーを1回、いや10回くらいお返ししなくちゃ。それに史上最高のカーチェイス映画2作、『フレンチ・コネクション』『L.A.大捜査線/狼たちの街』のウィリアム・フリードキン監督も映画を見てすてきな言葉をかけてくれた、とても嬉しいよ」

画像: 「ベイビー・ドライバー」(ソニー・ピクチャーズ配給)

「ベイビー・ドライバー」(ソニー・ピクチャーズ配給)

 そんな映画オタクのライト監督だけに、これまで彼の映画はオタク向きだと思われてきたが、今回はちょっと違う。
「僕はこれまでの自分の作品が大好きだし誇りに思っている。けど確かに、そのジャンルの映画をたくさん見ていないと、作品を完全には理解できないと思われてしまうところはあったかもしれない──僕はそうは思わないけどね、みんながそれぞれに楽しめばいいんだから。でも『ベイビー・ドライバー』を楽しむのに、カーチェイス映画をたくさん見ているかどうかは関係ないんだ。カーチェイスを楽しむのに、知識はいらないからね。
 もうひとつ、この映画を誰もが楽しめるのは、主人公ベイビーのキャラクターのせいだ。これまでの僕の映画でサイモン・ペグやマイケル・セラが演じた主人公たちは性格が偏ってたけど(笑)、ベイビーは銀行強盗の一員なのに根はいい奴で、まだ若くてやり直しができる。だから、観客は彼に幸せになって欲しいと思うんだ。普通のアクション映画では、観客は主人公にもっとアクションをやってくれと思うのにね(笑)」

画像: 演出中のライト監督と主演のアンセル・エルゴート

演出中のライト監督と主演のアンセル・エルゴート

This article is a sponsored article by
''.