近代建築の巨匠ル・コルビュジエには生涯でただ一人その才能を羨んだ女性がいた。彼女の名はアイリーン・グレイ。この二人のアンビバレンツな相克を「マン・オン・ザ・トレイン」のメーリー・マッガキアンが自ら脚本にし、監督したドラマ。
アイリーン役にはTVで活躍してきたオーラ・ブラディーが扮し、ル・コルビュジエを「皇帝と公爵」のヴァンサン・ペレーズが演じた。共演は「シチリア!シチリア!」のフランチェスコ・シャンナ、歌手のアラニス・モリセット、「天才スピヴェット」のドミニク・ピノンら。
モダニズム華やかな1920年代。新進建築家ル・コルビュジエ(ペレーズ)は、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン(オーラ)に出会う。彼女は恋人である建築評論家のジャン(シャンナ)と共に、建築デビュー作である海辺の別荘”E.1027”を手がけた。
完成したその家はまさにル・コルビュジエが提唱する近代建築の原則を具現化したもので、彼はアイリーンの才能に惹かれるが、その称賛の想いはやがて嫉妬に変わっていく。
アイリーンとジャンの関係は変転するが、ジャンの傍らにはル・コルビュジエがいることが多くなっていた。そして1938年、事件が起こる。ル・コルビュジエがアイリーンに断わりなく、邸内に卑猥なフレスコ画を描いたのだ。二人の亀裂は決定的なものになってしまう。
「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」
監督/メーリー・マッガキアン
出演/オーラ・ブラディー、ヴァンサン・ペレーズ、フランチェスコ・シャンナ
トランスフォーマー配給/10月14日公開
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