近代彫刻の父ロダンとはどんな人物だったのだろうか
“考える人”などの作品で知られる没後100年を迎える近代彫刻の父、オーギュスト・ロダンの、創作の苦悩、愛弟子カミーユ・クローデルら女性との愛憎などその半生を描くジャック・ドワイヨン(「ポネット」)監督作。パリ・ロダン美術館全面協力によって製作された。出演は「母の身終い」のヴァンサン・ランドン、「サンバ」のイジア・イジュラン、「ユマニテ」のセヴリーヌ・カネルら。劇中に箱根彫刻の森美術館に展示されているバルザック像も登場する。
愛弟子カミーユ・クローデルとの関係は?
1880年、長い下積み時代を経て名声を得たロダン(ランドン)は、国からダンテの“神曲”を材に取った『地獄門』の製作に取り組んでいた。その間、優秀な弟子でもあるカミーユ(イジア)との関係を深めるロダン。しかし『地獄門』の作業は遅々として進まなかった。
苦悩するロダンがカミーユに言い放った言葉は……
1888、年ロダンは『カレーの市民』を完成するが、その評判は芳しくなかった。続いて文豪バルザック像に着手するが、これも波紋を呼ぶ。カミーユとの関係は続いていたが、内縁の妻ローズ(セヴリーヌ)と別れることはなかった。二人の間には若い愛人とは別の想いがあったのだ。そんなロダンの優柔不断さに不安を抱くカミーユは、愛の成就を諦め、芸術家としての成功を目指すが、次第に精神を荒廃させていく。ロダンへの怒りを爆発させるカミーユに師は言い放つ。『芸術家としての君は脅威だ。私など必要ない』と。
「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」
監督/ジャック・ドワイヨン
出演/ヴァンサン・ランドン、イジア・イジュラン、セヴリーヌ・カネル
11月11日公開/松竹=コムストック・グループ配給
©Les films du Lendemain / Shanna Besson