共演者の迫真の演技に感銘!「でもやっぱり辛い」
徹底したリアルな描写による圧巻の臨場感、先が読めない骨太でスリリングなストーリーテリングで、常に観客を圧倒してきたビゲロー監督の最新作は、1967年7月23日に起きたアメリカ史上最大級の<デトロイト暴動>渦中に起こった「アルジェ・モーテル事件」を描き出す。
デトロイト暴動発生から3日目の夜、銃声の報を受けて現場に急行した白人警官たちは、アルジェ・モーテルに居合わせた8人の若者たち全員を容疑者と断定し、暴力的な強制尋問を始める。密室と化した室内で一体何が行われていたのか。そして、被害者たちはどんな運命をたどることになるのか。キャスリン監督は、これまで歴史の闇に封印されていた“戦慄の一夜”を徹底してリアルに再現した。
キャスリン・ビグロー監督の大ファンだというイギリス人俳優ウィル・ポールターは、『デトロイト』で凶悪な差別主義者であるデトロイト市警の白人警官クラウスを演じている。『リトル・ランボーズ』でデビュー以来、『なんちゃって家族』(13)でMTVムービーアワードのキスシーン賞、ブレイクスルー演技賞を受賞、同年の英国アカデミー賞®のライジングスター賞を手にした。その後、世界的に大ヒットした『メイズ・ランナー』(14)で、主人公の宿敵を演じ圧巻の存在感を披露。アカデミー賞®3部門を制したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督『レヴェナント:蘇えりし者』(15)ではレオナルド・ディカプリオと共演している。作家性の強い監督からのオファーが続くウィルは、『デトロイト』日本公開直後の1月28日に25歳の誕生日を迎える。本作の演技が絶賛され、ますます注目を浴びる個性派俳優、ウィル・ポールターをパリで電撃取材した特別動画インタビューが到着した。
最初に脚本を読んだ時の印象を聞かれたポールターは、「あまりにも現在に通じる部分が多くてすごく驚いた」と正直な心情を吐露。「作品の舞台は今から50年前だ。だけどテーマとなっているのは現代と同じ問題ばかりだ。有色人種への社会的な不条理、警察の横暴、制度的な人種差別、そういう多くの問題が、脚本に反映されていた。それが とても残念で、悲しいと思った」と心中を率直に打ち明ける。
しかし、同時に「社会に訴える作品になるだろうとも思った。そういう社会問題を描く作品に参加できて嬉しかった」とこの作品に参加する意義について、熱く語っている。
尊敬するキャスリン・ビグロー監督について、「どんな時でも冷静に、物事がスムーズに進むよう最善を尽くし、この作品を監督するのには最適な人物だった」とコメントしている。
「こういう作品には大きな責任が伴うはずだ。作品で描かれたのは、それくらい重要な事件だ。何にも動じない人でなければ、監督は務まらなかっただろう」と最大の敬意を表してインタビューを締めくくった。
ビグロー監督の手腕に加え、このポールターの迫真の演技により究極のリアリティと息もできないほどの緊迫感を見事に表現している映画『デトロイト』。50年の歳月を経ても尚、変わることのないアメリカの深い闇を浮かびあがらせる“衝撃の40分間”を、劇場で確かめてほしい。
監督:キャスリン・ビゲロー(『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』)
脚本:マーク・ボール(『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』)
出演:ジョン・ボイエガ(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』)、ウィル・ポールター(『レヴェナント: 蘇えりし者』)ジャック・レーナー(『トランスフォーマー/ロストエイジ』)、アンソニー・マッキー(『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』) © 2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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