ハリウッドスターインタビュワー歴37年の成田陽子がお送りする「風と共にハリウッド」では、自身のインタビュー内容はもちろん、スターのさまざまな情報をお届けします。
今回は、ニコールキッドマンにインタビュー。今年のゴールデングローブ授賞式では受賞者がそれぞれ女性の権利を話していましたが、テレビシリーズ「リトル・ビッグ・ライズ」(2017)で夫の暴力に苦しむ妻の役で主演賞を獲得しただけに、スピーチもひときわ熱が入ったものでした。

成田陽子(なりた・ようこ)
ハリウッドのスターをインタビューして37年!!ツーショットと来たらどっさりざくざく。最近は映画の記事も減ってきて発表してないお宝が貯まる一方。貯金は減る一方ですが、ともかくつたないブログで全く為にならないお話と、とっておきの古い写真とか新しいものも載せていきたいと思ってます。

海辺の高級住宅街に住むカップルは、夫役がアレクサンダー・スカルスガルド、背が高くて、スリムで、美形のスウェーデン人の俳優、ニコールと並んでも最高のプロポーションを見せてくれるだけに、二人の暴力シーンは美男美女の迫力が加わって、壮絶な効果が出ています。

ニコールはほとんど全裸での熱演、そのために二人は特別に親しくなり、お互いに全エネルギーを出し合った後、慰さめあったそう。

つまり、パワフルな感情の移入があったわけで、すでにエミー賞などいろいろ受賞しているニコールは受賞のスピーチの度に「アレキザンダーのおかげ、愛しているわー!」ってなことを言って、マスコミが、不倫!などと騒いでいますが、ニコールは非常に感情的で、敏感な女優ですから、ストレートにものを言ってしまうタイプ。

距離を置いてみると最初の夫であるトム・クルーズも現在の夫のカントリー歌手、キース・アーバンもニコールよりはるかに背が低くて、やはり自分より背が高い男性と組むと居心地が良いのではと思われます。

もっとも新年のゴールデングローブ賞では、セクハラ問題を提起する黒いドレスの日だったために、 ドメスティック・バイオレンスに苦しむ役だったと家庭内暴力をなくすようにと真剣にアピールしていました。

画像1: ニコール・キッドマン、ゴールデングローブ授賞式で女性権利を熱く語る【風と共にハリウッド】


それにしても彼女の選ぶ役はかなり変態風な女性が多くて、のっぽの美女が狂った役を演じるスクリーン上のインパクトを自覚しているのかもしれません。もちろん普通の主婦という役にはマッチしませんし、ドラマティックな女性でないとニコールの特色を活かせませんものね。

特に「ペーパー・ボーイ」(2012)、ここでは刑務所に閉じ込められている超変態の男(ジョン・キューザック)と鉄格子を隔ててのマスターベーションをお互いにするというなんとも摩訶不思議な役を楽しそうに演じていますし、「アイズ・ワイド・シャット」(1999)、「誘う女」(1995)、「毛皮のエロス」(2006)などなど、英国のシャーロット・ランプリングに迫る猟奇的女優となりつつあります。

アメリカ人女優がほとんど、ヌード場面はダメ、とか契約に禁止事項を並べている時に、ファンには嬉しい挑戦の役作りを見せていて、貴重な存在だとつくづく思います。

1967年6月20日、ハワイのホノルル生まれなのは学者の父親の赴任先だったから。昨年50歳になったので、私が毎月2回キネマ旬報に載せている「忘れられないスター」の316人目に登場しました。

この「忘れられないスター」という妙にセンチで真面目な題名には大いに不服で、最初はもっと愉快なタイトルだったのですが、許可されませんでした。
2003年からもう15数年も続いているので、その面白い題名さえ忘れてしまったという記憶の酷さです。

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