【ストーリー】
舞台は明治維新後の滋賀・大津。琵琶湖畔に建つ曇神社は、数百年に渡り大津の治安を預かってきた。第14代当主で三兄弟の長男・曇天火(福士)は、強く、優しく、お調子者だが民からは絶対的な信頼を寄せられている。そんな彼は次男の空丸(中山優馬)、三男の宙太郎(若山耀人)、そして10年前に大怪我をしていたところを天火に助けられた金城白子(桐山)と4人で暮らしていた。
300年に一度蘇り人に災いをもたらす巨大な力を持ったオロチ(大蛇)の復活を防ぐために、曇三兄弟と、明治政府右大臣・岩倉具視(東山紀之)の直属部隊・犲(やまいぬ)は、それぞれ違った方法でオロチの力を再び封印し、日本に平和をもたらそうとしていた。ところが、その力を手に入れ明治政府を転覆させるべく最強の忍者集団・風魔一族が動きだし、曇三兄弟は行く手を阻まれてしまう。三兄弟vs犲vs風魔一族の戦いの行方はいかに?!…。
役のためにここまで集中したのは初めてかもしれません
ーー今作の魅力をどんなところに感じましたか?
「アクションエンターテイメント作品でありながら、男同士の絆や友情も詰まっていて盛りだくさんなところに魅力を感じました。あと、登場人物がそれぞれに何かしらの運命を背負いながら生きているところも個人的に好きなポイントでした」
ーー中でも桐山さんが演じた白子は優しくて家事もできて、ちょっとミステリアスな雰囲気もあってとても素敵でした。
「彼はデキる男ですよね(笑)。一家にひとりいるととても便利だと思います(笑)」
ーーうちにも居候して欲しいぐらいです(笑)。ビジュアル面もかなりしっかりと原作に近づけてらっしゃる印象を受けたのですが、どのように役作りされたのでしょうか?
「お話が決まってから撮影までに一ヶ月ちょっとあったので、その間は集中的に体を絞ってトレーニングしていました。外面だけじゃなく内面も白子に近づけたかったので、原作と台本を読み込んでキャラクターを自分の中に入れる作業はストイックにしていたと思います。役のためにここまで集中したのは初めてかもしれません」
ーー本広監督から何かリクエストはありましたか?
「白子はもともと風魔の忍者だったこともあり、“心のどこかに抱えている闇”というものを表現しなければいけませんでした。監督が“いまのはちょっと闇の部分が出すぎているね”とか“それだと白子の闇がわかりづらいかな”など指示を出してくださって、シーンごとに相談しながらバランスを見て演じていました。演じるのが難しかったぶん、とてもやりがいのある貴重な経験をさせて頂いたと思います」
ーー獄門処での撮影を見学させて頂いたのですが、ロケ現場のセットや空間がかなり作り込まれていて圧倒されました。
「空間やセットなど非常にこだわって作られている現場でしたが、それに加えて衣装も細部にまでこだわりがあって驚きました。襟元にヘビ柄を使った風魔の忍者達の衣装がとてもカッコよくて、黒い衣装なのでよく見ないと一見わからないんですけど、ヘビ柄になっていることで重厚感があるんです。衣装さんや美術さん、色々な部署の方々がこだわりを持って挑まれている現場だったので、この作品に出演させて頂いたことは本当に幸せな経験になりました」
ーー1回目の鑑賞はストーリーを追っていただいて、2回目の鑑賞は衣装やセットなどに注目して観るのも面白そうですね。
「2回と言わず何度でも視点を変えて観て頂けたら嬉しいです。スクリーンだと見えないところもあるかもしれないので、もし衣裳が劇場に飾られる機会があったら是非生で見て頂きたいです」
ーーちなみに今作のようなアクション大作でお好きな作品はありますか?
「“アクション大作”と宣伝のポスターに書かれていると、ド派手なカーチェイスやヒーローが悪と戦うだけの映画みたいに先入観を持ってしまうこともありますよね。それだとアクションが苦手な人は観るのを悩んでしまうかもしれません。僕はアクションものにヒューマンドラマの要素が盛り込まれている映画やドラマが最強だと思っていて、まさに『曇天に笑う』がその最強の映画なんです。それと、僕が大好きな海外ドラマ『ウォーキング・デッド』もゾンビのいる世界でサバイバルする人間たちのアクションを描きながら、ヒューマンドラマもしっかりと描かれているので展開にのめり込むことができて最強なんです!」
ーー桐山さんのインスタで以前『ウォーキング・デッド』のマグカップの写真をアップされていたのを拝見しました。本当に『ウォーキング・デッド』がお好きなんですね!
「『ウォーキング・デッド』が大好きすぎて話し出すと止まらなくなることもあります(笑)。ゾンビに襲われる危機感や緊張感の中で、人間同士の裏切りや助け合いなどが見事に描かれているので、このドラマの世界観にシーズン1でガッチリとハートを掴まれてしまって(笑)。ガンアクションや刀を使ったアクションもありますから、ある意味『曇天に笑う』との共通点もありまよね(笑)。是非どちらの作品もお楽しみ頂いて、僕に感想を送ってください!」
衣装クレジット
アウター:Salvatore Piccolo
シャツ:Wacko maria
黒パンツ:KNOTT MEN
その他、本人私物
(文/奥村百恵)
監督:本広克行
原作:唐々煙「曇天に笑う」(マッグガーデン刊)全6巻+外伝
キャスト:福士蒼汰、中山優馬、古川雄輝、桐山漣、大東駿介、小関裕太、市川知宏、加治将樹、若山耀人
池田純矢、若葉竜也、奥野瑛太/東山紀之
配給:松竹
3月21日(水・祝)全国ロードショー
©2018映画「曇天に笑う」製作委員会
©唐々煙/マッグガーデン