LA在住の映画ジャーナリストとして活躍中の筆者が、“SCREEN”のインタビューなどで毎月たくさんのスターに会っている時に、彼らの思わぬ素顔を垣間見ることがあります。誰もが知りたい人気者たちの意外な面を毎月一人ずつお教えする興味シンシンのコーナー!今回は「グレイテスト・ショーマン」をはじめ今年大活躍のミシェル・ウィリアムズです。

成田陽子(なりたようこ)
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて37 年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。本誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。

「グレイテスト・ショーマン」の撮影現場は仕事と思えないほど楽しかった!

2017年はミシェル・ウィリアムズの大活躍の年だった。ミュージカル「グレイテスト・ショーマン」、誘拐ドラマ「ゲティ家の身代金」そしてファミリー・ミステリー・ドラマの「ワンダーストラック」の3本で、それぞれ大役を果たし、「ゲティ家…」の石油王ゲティの息子の嫁の役ではゴールデングローブ助演賞候補になるなどハリウッドの美人演技派のトップの存在である。

会見に現れたミシェルはシックでエレガントなルボタンのドレスに靴はモーゾとハイ・ファッションを気楽に着こなして、今やトレードマークになったブロンドのショートカットは、つい最近歌手のケイティ・ペリーが公式に『ミシェルのヘアーをコピーしたの!』と宣言する程に評判になってしまった。

画像: 「グレイテスト・ショーマン」

「グレイテスト・ショーマン」

『最近の役は悲劇的で厳しいものが多かったから、「グレイテスト・ショーマン」の仕事はもう、毎日楽しく歌って踊って、信じられない程優しくてダンスがうまいヒュー(ジャックマン)に手を取られ、彼に抱きしめられて、私のステップが怪しくなるとすぐに受け止めてくれて、夢のようだったのよ。』

『休憩時間もキアラ(セトル)やゼンデイヤとお喋りしたり、娘が休みの日には同伴して一緒に現場でみんなとゲームしたり、これが仕事?と首をかしげたくなる程、ハッピーでフレンドリーな撮影だった。私にとっては素晴らしい気分転換でしたね。小さい時から舞台女優志望だった私は一応、歌や踊りのレッスンを受けていたけれど、今回の共演者達の才能のレベルといったら超一級で、もの凄く励みになったし、娘と一緒に楽しめる映画に出られて本当にラッキーでした。』

『サーカスを見に行ったことはあるけれど、何となく動物達が可哀想で、妙におどろおどろしい雰囲気があってあんまり好きではなかったわね。それにしてもキアラの歌って凄いと思わない⁉ 聞いていると体中が震えて来てしまうパワーとエモーションの爆発でしょう』

そして、そのキアラが歌った「ディス・イズ・ミー」は映画音楽賞を次々と受賞して見事にオスカー候補にもなったのである。

16歳で親元を離れ、単身でLAに移ってオーディションを受けまくった根性の人

ミシェルは9歳のとき、サン・ディエゴで舞台劇を見て『私は女優になる!』と両親に宣言し、以後児童劇団では主役を次々とこなし、高校に通う時間が勿体ないと父親のもとに家庭教育を受け、3年の課程を8か月で終え15歳で高卒の資格を取り、16歳で親元を離れ、独りでロスアンジェルスに移ってオーディションに明け暮れる日を送り、同時に父親が投資のプロだったために、投資コンテストに応募して元金千ドルを10万ドル以上に増やして受賞したという驚異の闘志と根性の持ち主なのである。

画像: 筆者とミシェル

筆者とミシェル

「ゲティ家…」でケヴィン・スペーシーが演じたゲティの役を、総取り替えでクリストファー・プラマーが代わって演じた事件については、このように語った。

『私はリドリー(スコット監督)の映画を選んで出演して、彼のためにベストを尽くしました。ケヴィンのことについてはコメントしたくありませんが、クリストファーは短い時間で驚く程の役作りを見せてくれて、私はとっても誇りに感じています。娘が大きくなったら是非この映画を見せてあげたいと思っています。子供を誘拐された母親の苦しみは世界中の母親が共感するはず。私にとって娘は世界で一番大事な、考えただけで感情が高ぶる程に愛している存在ですから、もちろん私も一般の母親と同様、娘の行動にはいつも注意しすぎる程気を使っています』

世界中がミシェルの痛みを感じたヒース・レジャーの急死から10年、ふたりの間の娘、マティルダはもう12歳!なのである。

主演予定作の中にジャニス・ジョプリンを演じる「ジャニス」が控えている。さらなる激演が期待出来そうだ。

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