若く美しい作家が謎の娼婦との出会いで官能と破滅の道を突き進んでゆく
原作は英国の人気作家ジェームズ・ハドリー・チェイス(1906-1985没)の小説「悪女イヴ」。謎めいた娼婦エヴァとの出会いによって、周囲の人間を巻き込み、官能と破滅の道を突き進んでゆく新進作家の運命が描かれる。
メガホンを取ったブノワ・ジャコ監督は「初めて『悪女イヴ』を読んだのは13歳くらい。映画監督になることを真剣に考えはじめていたころだ。好奇心に駆られて読み始めたが、たちまち夢中になった。あのときからずっとこの小説を映画にすることを考えてきた』と振り返る。そして、その強い思いは50年以上の歳月を経て、舞台をアメリカからフランス(パリとアヌシー)に移し、信頼を寄せる豪華俳優陣と共についに映画化が実現した。
主演はフランスを代表する演技派女優として国際的にも活躍するイザベル・ユペール。1972年のスクリーンデビュー以降、クロード・シャブロル、アンドレ・テシネ、ジャン=リュック・ゴダール、ミヒャエル・ハネケなど名だたる監督作品に出演し、ポール・バーホーべン監督の『エル ELLE』(17)では第89回アカデミー賞®主演女優賞にノミネートされた。エヴァを演じるに当たり、「大変だったのは、役ということを忘れてしまうこと。これはフィクションだということを忘れてしまうの。小説を読んだとき、ハドリー・チェイスは私のためにこれを書いたという感じがしたの。」と語るほど本作にのめりこんだ。彼女に魅了され、堕ちていく作家ベルトラン役には『サンローラン』(15)、『たかが世界の終わり』(17)のギャスパー・ウリエル。
今回解禁された予告編は、カジノで賭けに興じているイザベル・ユペール演じる謎の娼婦エヴァと、彼女に話しかけるギャスパー・ウリエル演じる若く美しい新進作家・ベルトランの偶然の再会シーンから始まる。ある運命的な出会いを経て、秘密を抱えたまま次作の創作の題材にとエヴァに近づくベルトラン。パトロンに自ら彼女に近づく思惑について語りながらも、冷酷で身勝手だが抗えない魅力を持つエヴァに心を奪われ、のめり込むようになる。終盤では「君を殺す」と思いつめた言葉を発するベルトランと、その言葉を受けて「面白い人ね」と彼に向き合うエヴァ。キーワードの「罠」「嫉妬」「鞭」などが示すものとは? そして官能と破滅の匂いに満ちた関係の行きつく先はーー。
エヴァ
7月7日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:ファインフィルムズ
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