地雷は誰しもが抱いている恐怖を象徴
『君の名前で僕を呼んで』で日本での人気もうなぎ上りのアーミー・ハマー。本作では自身初となるシチュエーションスリラーに挑み、製作総指揮も担当。テロリスト暗殺のミッションに失敗し、敵地から逃れる途中、3000万個以上の地雷が埋められた砂漠の地雷原に誤って足を踏み入れてしまい、地雷を踏み、援軍が到着するまでの52時間、1歩たりとも動けない極限の状況に陥った若きアメリカ兵マイクを、文字通り熱演している。
初めて脚本を読んだ時の感想を、「ただずっと膝をついていればいい、すごく楽な役でいいな」と思っていたことを告白。しかし、「それは大きな間違いだったよ」と苦笑いを浮かべる。
撮影が行われた1か月半、砂漠でひたすら右膝を跪いている状態だったといい、「砂の上だから、膝のサポーターなんて必要ないと甘くみていたけれど、砂がまるで紙やすりのように肌を痛めつけてすりむく。本当に大変で不快だった」というその過酷さを説明。
援軍が到着するまでの52時間以上、マイクは1歩も動けずひとところにい続ける。そこで自然の猛威に晒され続ける状況は、マイクの風貌を変えていくことで表現したといい、「60~70時間も日陰のない炎天下にいるとカリカリのベーコンのようになるんだ」とユニークな表現で説明。
唇はみるみる裂けて血まで出て、肌は焼けすぎて皮がむけ、脱水症状から幻覚まで見るようになる・・・など、マイクが劇中みるみる“劣化”していく痛ましい様子も収められているが、インタビューに答えるハマーの表情からは、過酷な撮影を乗り切った充実感が伺える。
ハマーは、「僕自身も、人生に立ちはだかる壁に直面してどう乗り越えたら良いかわからない時があった。それがどんなものであれ、地雷原に立っている状況とは比べられないけれど、何かしらのものに誰しもが抱いている恐怖を象徴していると思うんだ」と自身に置き換えつつ映画のテーマを語っている。
ALONE/アローン
2018年6月16日(土) 新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田 他全国公開
配給:パルコ
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