「ボーダーライン」「最後の追跡」など脚本家として活躍してきたテイラー・シェリダンの初監督(兼脚本)作品で、第70回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門にて監督賞を受賞。雪深いネイティブアメリカンの保留地で起きた謎めいた少女殺害事件を発端に、知られざる現代アメリカの闇を暴いていく重厚なクライム・サスペンス。
「アベンジャーズ」のジェレミー・レナー、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のエリザベス・オルセンのマーベル・シネマティック・ユニバースもので活躍する主演の二人が、全く違うタイプの演技を披露する。ほかに「ローン・レンジャー」のギル・バーミンガム、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のグレアム・グリーン、「フューリー」のジョン・バーンサル、ケルシー・アスビルらが共演。撮影を「ハッシュパピーバスタブ島の少女」のベン・リチャードソン、音楽をニック・ケイヴとウォーレン・エリスが担当している。
ワイオミング州のウィンド・リバーというネイティブアメリカン保留地。その雪原である少女の遺体が発見された。発見者は野生生物局のハンター、コリー(レナー)。彼はその遺体が、亡き娘の親友だったネイティブのナタリーだと気づく。FBI到着を待つコリーと部族警察長ベン(グリーン)の元に現われたのは、新米捜査官のジェーン(エリザベス)一人。ジェーンは、現場から周囲五キロには民家が一つもないのに、ナタリーが薄着に裸足で、肺が凍って破裂するほどの冷気を吸い込んで、息絶えた事実に違和感を持つ。
検視の結果、ナタリーは何者かから暴行を受けていたことが判明。彼女は犯人から逃走中に死亡したことは確実だが、死因は肺出血なので、殺人事件として立件できるのに、法医学的に他殺と認定できない。規定により専門チームを呼ぶことができず、単独捜査を決意したジェーンは、現地の事情に精通したコリーに捜査協力を求めるが……
2017年度作品。1時間47分。アメリカ映画。KADOKAWA配給。
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