杉山すぴ豊
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
マーベルは「アベンジャーズ4」のネタバレを極力回避している
このコラムをお読みになっているころは「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のブルーレイ等がリリースされているので、お家でじっくりヒーロー大集合を味わうチャンスですが(あ、未公開シーン収録の「デッドプール2」も)、もう1本ぜひ観ていただきたいのは、「SUPERGIRL/スーパーガール」「ARROW/アロー」「THE FLASH/フラッシュ」「レジェンド・オブ・トゥモロー」というDCドラマ4作品の一大クロスオーバー「クライシス・オン・アースX/最強ヒーロー外伝」!
DCヒーローたちが、スーパー戦隊というか“西部警察”のようにズラっと横並びでやってくるシーンのかっこ良さ! 悪のスーパーガールが登場し、これをメリッサ・ブノワが一人二役で演じているのですが、ちょっとSなキャラが最高で、ブノワ・ファンは必見です!(笑)
本作の敵はパラレル・ワールドから来たナチス軍団。アメコミ・ヒーローの多くは第二次世界大戦前夜に作られたので、ナチスと戦うエピソードは少なくありません。ヒーローvs.ナチスというかつての定番をいまのTVドラマで見せてくれました。さて、今年のサンディエゴ・コミコン(SDCC)でマーベル・スタジオ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)絡みの発表が無かったことは前回書きましたが、これにはおそらく理由があって、ちょっとでも「アベンジャーズ4」の映像とか見せてしまうとかなりネタバレになってしまうからでしょうね。
「アントマン&ワスプ」のクレジット後のシーンは重要
昨年のSDCCは「インフィニティ・ウォー」の映像を先行して見せてくれましたが、ソーがガーディアンズの面々に救出されるくだりでした。この時点で「インフィニティ・ウォー」ではアベンジャーズとガーディアンズが共闘するということはファンは知っていたから、この映像を見てもストーリー的なネタバレにはなりません。でも「アベンジャーズ4」はストーリー自体が秘密のベールに包まれているから、ちょっとでもその内容がわかるようなことはしたくない。仮になんらかの映像を見せてそこにヒーローが映っていたら、それが特にサノスの指パッチンで消えたハズのキャラだったりしたら、何らかの理由で蘇る、とすぐにわかってしまいますからね。
実際、ネットに流れた「アベンジャーズ4」の撮影風景写真は、キャプテン・アメリカとアントマンが談笑しているスナップで、なぜかキャプテンのコスチュームが「アベンジャーズ」の時に着ていたものなのです。なのでファンの間では、アントマンがなんらかの理由でタイムスリップしてキャプテンに会う、と騒がれているわけです。そう考えると、いま絶賛公開中の「アントマン&ワスプ」の、クレジットの後のシーンと整合性もある。アントマンは一人“量子世界”に残されますが、初代ワスプ(演じるのはミシェール・ファイファー)の言葉によれば、ここには“時間のうねり”みたいなものがある、と。なのでアントマンは“量子世界”から抜け出すために時間の旅に出る?
蟻:アントマンと蜂:ワスプの話題が出たので、次は蜘蛛:スパイダー。来夏公開の「スパイダーマン:ホームカミング」の続編のタイトルが「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」と正式に発表されました。そしてこの映画ではピーターたちがNYを離れロンドンで活躍。この作品にサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーとコビー・スマルダーズのエージェント・ヒルが登場する模様です。この2人は「インフィニティ・ウォー」のクレジットの後の重要シーンに登場します。あえてこの2人をスパイダーマンに登場させるということはなにか“深い意味”がある?
映画ではないですが、この9月に発売されるPS4用の『Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン)』は、本当に自分がスパイダーマンになったかのようなアクションが楽しめます。こういうゲームって時々これからの映画の内容を先取りしていたりすることもあるので、スパイダーマン好きはこのゲームも注目してください。