日本ホラー映画史上No.1と言われる『リング』(98)シリーズの最新作『貞子』が遂に完成! 
『リング』公開から20年―、伝説のオリジナルチームが、SNS時代に恐怖の原点を描いた今作で、ヒロインの弟役を演じた清水尋也のインタビューをお届けする。

【ストーリー】
心理カウンセラーの茉優(池田エライザ)のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。
やがてその少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江(ともさかりえ)が人知れず生み育てていた子供であることが判明。少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始めるー。
一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介(塚本高史)の薦めで
動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真(清水尋也)はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。
茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて……。

脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)

『リング』を手掛け、『スマホを落としただけなのに』(2018)の大ヒットも記憶に新しい中田秀夫が監督を務め、新ヒロインを演じるのは『ルームロンダリング』(2018)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)などの話題作に立て続けに出演し、若手実力派女優として躍進著しい池田エライザ。彼女が演じる秋山
茉優の弟・和真を演じた清水尋也に、今作の撮影エピソードや役について、更に好きなホラー映画などを語ってもらった。

ーー今作のお話を頂く前から『リング』はご存知だったかと思いますが、ご覧になっていましたか?
「テレビで放送されていたのを観たのか、ホラー映画を借りて観まくっていた時期に観たのか記憶が曖昧ですが、お話を頂くよりもかなり前に観ていました」

ーー『リング』の原作者である鈴木光司さんの「タイド」を元に、今作では新しい貞子が描かれています。台本を読んだ時はどんな感想を持ちましたか?
「最初はVHSテープが原因で貞子の呪いが蔓延していきましたけど、今作では動画配信サイトを通じて呪いが蔓延していきます。動画はネットを通じて世界中の誰もがアクセスできるようなコンテンツなので、貞子の呪いがチープになってしまったら嫌だなと、そこは意識していました。もちろん中田監督が撮られる安心感はありましたけど、僕が演じる役がまさに動画クリエイターなので、ある意味きっかけを作るとも言えます。だからこそ足を引っ張らないようにしなくてはいけないなと強く思いました。というのも、『リング』はアナログ的な要素を孕んでいるからこそ生々しい怖さがあると感じていたので、その怖さをデジタルの世界でも表現しなくてはいけないのではないかと。そういったことを意識しながら演じていましたね」

画像1: 脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)

ーー和真が動画クリエイターをしているという設定こそが、現代の若い人にも共感できるポイントだと思います。和真が物語を引っ張っていくようなところもあるので、プレッシャーも大きかったのではないでしょうか?
「参加する作品は毎回プレッシャーを感じます。どんな役でもつまらないお芝居をしてはいけないし、できるだけ高いクオリティのお芝居をするのはプロとして当然だと思っているからです。もちろん今回は大事な部分を担っているという意識はありました。ただ、そこで気持ちが引っ張られて面白いお芝居ができなくなるのも嫌なので、自分としては深く考えずに好きなことをやろうと。実は心霊スポットに潜入する場面は僕が実際にビデオカメラを回しながら撮っていたので、ネガティブなことを考えている暇も余裕もなかったというのもあります(笑)」

ーーそうだったんですか! あのシーンは凄く臨場感があって怖かったです。
「そう言って頂けて良かったです。あの場所に一人でビデオカメラを持って入って撮っていたんですけど、どういう風にこのシーンを面白くしようかと考えながらお芝居していましたね。そう言う意味ではあまり気負わずにできたかなと思います。ほとんどアドリブでやっていましたし(笑)。絶対にこう動いて欲しいというポイントだけ監督から指示を頂いて、それ以外は自分で考えて。こういう経験は初めてでした」

画像2: 脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)

ーー他の動画も清水さんが考えたのでしょうか?
「ふざけている動画に関しては、例えば“足つぼマットの上で縄跳びをします”といった何をやるかということと、“オッスみなさんおはこんばんにちは!ファンタスティック和真です”という挨拶だけ決まっていて、あとは全部アドリブでした。現場で台詞のテンションや言い方を考えているうちに本番が始まったりして、でも“ちょっと時間ください”とは言えないので(笑)、本当に即興で色々やっていました。例えば咄嗟にカメラの下に隠れてバーンとカメラの前に顔を出したら、監督が“それいいね!”と採用してくださったり(笑)。かなりライブ感のある撮影だったので楽しかったです」

ーー和真を演じる上で一番大事にされた部分を教えて頂けますか。 
「最初に台本を読んだときに、和真は悪い奴じゃないなと思ったんです。ただ、平凡な動画クリエイターでは面白くないし、だからといってクリエイターとして自信満々なのも嫌で。動画クリエイターとして活動することにかけてるのに、なかなかうまくいかない葛藤みたいなものを大事に演じるようにしていました。一生懸命やっていても再生回数が伸びないという悩みは実際のクリエイターの方も感じたりすると思いますし、だからこそ人がやらないことをやろうとして炎上するようなこともしますよね。そういう部分は凄くリアルだと思うので、僕も“なにかしでそうな感じ”を意識するようにしていました」

ーーちなみに役作りとして和真のようなクリエイターの動画を見て研究することもありましたか?
「普段はよく動画を観るんですけど、今回は逆に和真が作るような動画は観ないようにしていました。例えば心霊スポットに行く動画を観たら絶対にマネしてしまうような気がして。なので普段通りに好きな動画だけを観ていたので、特に何かを参考にするということはなかったです」

ーー貞子の怖さってなんだと思いますか? 
「『リング』を観た時に怖いと思ったのが、やっぱりあのビジュアルですよね(笑)。あとはテレビから出てきた時も衝撃を受けました。貞子がテレビから出てくることをほとんどの人が知っていて、それはつまりあのシーンのインパクトの強さは相当なものなんじゃないかと。他のホラー作品と圧倒的に違うのはそこだと思うので、今回改めてこのシリーズの凄さに気付きました」

画像3: 脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)

ーー清水さんは普段ホラー映画はご覧になりますか?
「僕はジメットしたものよりも“くるぞくるぞ……バーン!”と脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)。ホラーの中のジャンルとしてはお化け系でもモンスター系でもなんでも。とにかくビックリしたくて(笑)。以前、映画館で『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を観た時に、思いっきり大きい声を出してしまったんです(笑)。そしたら前の列に男子高校生が4人ぐらい座っていたんですけど、全員こっちを振り向きました(笑)。あと『ドント・ブリーズ』や『ゲットアウト』も面白かったです。最近は脅かし系のホラーだけじゃなく、サイコパスな人間が出てくるホラーも好きでよく観ています」

ーー最後の質問になりますが、海外の俳優さんで好きな人はいますか?
「ヒース・レジャーが好きです。『ダークナイト』の芝居に圧倒されてしまって。未だに凄く好きでこの映画は何回も観ています。あと無理してない感じがするのでユアン・マクレガーやブラッド・ピットも好きです。それからクールな役の時のウィル・スミスとか(笑)。女優さんだったらキャメロン・ディアスが大好きです。小さい頃、『マスク』や『メリーに首ったけ』のDVDが家にあったので観たんですけど、“この人超可愛い!!”と思った記憶があります(笑)。もちろん昔の作品だけじゃなく、『ANNIE/アニー』とかも観ていて、昔からずっと好きです。あと『キック・アス』でクロエ・グレース・モレッツが気になって、その時はまだ幼かったんですけど、最近は美しくなりましたよね。他にもリリー・コリンズとか。まだまだ男女問わず好きなハリウッドスターが沢山いるので、次にインタビューして頂いた時にまたお話させてください(笑)」

(インタビュアー・文/奥村百恵)

画像4: 脅かしてくる系のホラーが好きです(笑)

『貞子』
5月24日(金)全国ロードショー
監督:中島貞夫
原作:鈴木光司「タイド」(角川ホラー文庫刊)
監督:中田秀夫
脚本:杉原憲明
出演:池田エライザ、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、桐山漣
   ともさかりえ、佐藤仁美
配給:KADOKAWA
©2019「貞子」製作委員会

画像: 映画『貞子』本予告/呪いは、投稿動画から youtu.be

映画『貞子』本予告/呪いは、投稿動画から

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