ティム・バートン監督と長年組む衣装デザイナー、コリーン・アトウッド
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この度、ティム・バートン監督と『アリス・イン・ワンダーランド』や「シザーハンズ」など数多くの作品でタッグを組み、本作でも衣装デザイナーを担当したコリーン・アトウッドのインタビューコメントが到着した。
華々しく色彩豊かな本作の衣装を担当するのは、『アリス・イン・ワンダーランド』(11)や「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(17)などの作品で、アカデミー賞(R)を4度受賞しているコリーン・アトウッド。アカデミー賞常連の彼女が、エヴァ・グリーン演じるコレットやカラフルなサーカス団の衣装について語った。
——バートン監督と何度もタッグを組んでいますが、最初の『シザーハンズ』と比べて『ダンボ』はいかがでしたか?
『シザーハンズ』がバートン監督とともに仕事をした最初の作品で、一人のキャラクターを中心に彼を取りまく世界を描く小規模の作品でした。今回の『ダンボ』はとにかく超大作で、衣装の数も関わる人の数も膨大。一つのキャラクターを中心にしたストーリーですが、規模の大きさは比べものになりません。同時にあらゆることが起きる現場なので、必然的に監督との距離は遠くなり、仕事もプロセスも変わってきます。現場を見渡すと500人が目に入るのと、5人しか目に入らないのとでは、大きな違いですから。これほど大規模の作品となると、衣装以外の仕事も無数にあるわけですから、監督と直接会う機会は少なくなります。各仕事は基本的に担当に任され、必要な時だけ監督に確認するというスタンスです。バートン監督とは信頼し合っているので、作品の規模に関わらず任せてもらえます。俳優にどの靴を履かせたらいいかなど細かい質問で監督を煩わすことはありませんし、監督が細かなところまで指示することもありません。
——エヴァ・グリーン演じるコレットのキャラクターと衣装がファンの間で大人気です。コレットの華やかでかつ機能的なパフォーマー用の衣装をデザインするに当たって、どこからアイデアを得たのか、どんなリサーチをしたのか、ファンは興味があると思います。
コレットはサイレント映画の初期、19世紀の終わりから20世紀の初めに活躍した大女優リリー・ラングトリーのような銀幕の大スター的な設定です。彼女の世界(ニューヨークの巨大テーマパーク “ドリームランド”)で、これほどの大スターに匹敵するほどの看板スターなんです。ミステリアスで、華やかで、手の届かない存在です。でももとは大道芸人で、(ドリームランドの経営者ヴァンデヴァーから)才能を見出され、大成功を収めます。ところが、ストーリーが進むにつれ、自分自身を見つめ直し自己を再発見して自分を取り戻していきます。そんな彼女のキャラクターに合わせた衣装をデザインするのは、とてもやりがいのある仕事でした。装飾を施した美しい赤のドレスと金のドレスを「ビッグ・コスチューム」と呼んでいますが、かつらとメイクなしのシンプルなリハーサルドレスを着た時と比べると、コインの表裏のように彼女の対象的な姿を見ることができ、本当の彼女がどんな人物かを感じられるのです。シンプルな面を見れば華やかな面がより浮き立ち、コレットのストーリーをうまく表現できたと思います。
——今回の作品では、本物の象に着せる二つの衣装をデザインしたとお聞きしました。動物の衣装を作る作業はいかがでしたか。
実は本物の象ではなく、象の作り物に合わせて衣装を作りました。過去に本物の動物の衣装を作ったことはありますが、今回は実物大の象の模型でした。模型を使ったのは、ビジュアル・エフェクトのスタッフがコレットのスタントのシーンを把握しやすいようにという理由からです。コレットが他の演者から離れて落ちる時に衣装のパーツがどうなるか、ハーネスがどのように機能するかなど、模型は監督にもスタッフにも大変役に立ちました。ブランケットや頭飾りなど様々なものが映画ではダンボとどう絡むのか、リアルに理解することができます。ビジュアル・エフェクトはますます進化していますが、映画には映らない模型を作って撮影に使うことがよくあります。それをスキャンして、ビジュアル・エフェクトのリファレンスとして使用します。人間の場合も動物の場合もこの方法は効果的です。
——本作品はスケールが大きいということもあり、多くの衣装が作られています。これだけ多くの衣装を作ると知った時、どのように感じましたか?
映画に参加することがわかったのは、撮影よりもずっと前のことです。衣装担当の部署があり、優秀なアシスタントが支えてくれました。多くの人が関わりマネジメントは大変ですが、私と一緒に仕事をしてくれる素晴らしい人たちに囲まれています。コスチューム・スーパーバイザー、アシスタント、ショッパー、カラーフィッターなどがいて、外注にも頼みます。同時進行でいくつもの仕事をやりくりします。本作品ではメインの役柄の衣装だけでなく、大勢のエキストラの衣装も作りました。セット内には作業場があり、メインの役柄の衣装製作や、エキストラの衣装のサンプル製作など様々な作業が行われます。女性エキストラの衣装だけでも400~500はありました。ダンサーや他の役の衣装もあります。製作中は、一日中1秒たりとも仕事のことを考えない時はありません。止まらずに動いているとパニックになっても動揺しすぎることがないので、いつも動いています。デザインに行き詰まったら、一度その場を離れてから戻ります。ただじっと見つめているだけでは先に進まないので、一度離れてみると見方が変わって問題が解決できるんです。とは言え、他の製作や技術スタッフにずいぶん支えてもらっています。一見しただけではわからない苦労や努力に支えられているんです。
インタビューに加えて、貴重なスケッチアートも到着!ダークでファンタジックなバートンの世界観がさらに堪能できる。
MovieNEXとデジタル配信で異なるボーナス・コンテンツを収録
ディティールまでこだわり抜かれた煌びやかな衣装がたくさん登場する本作のMovieNEXには、“アニメーション映画『ダンボ』へのオマージュ”など貴重なボーナス・コンテンツを多数収録。デジタル配信(購入)には限定で、作中の魅惑的な「ドリームランド」のシーンを解説した“「ドリームランド」へようこそ!”が収録され、MovieNEXとデジタル配信で異なるコンテンツが楽しめる。子供から大人まで楽しめる感動必至の話題作『ダンボ』は、MovieNEXと4K UHD MovieNEXで発売中!デジタル配信中!