エル・ファニング
姉ダコタ・ファニングと共に天才子役として出演作を重ね、ハリウッドでも引っ張りだこの若手女優に。14年の「マレフィセント」で世界的にブレーク。今回はそんな当たり役オーロラ姫のその後を演じる。ファッショニスタとしても有名。次回作は20年1月公開の『ティーンスピリット』。1998年4月9日米ジョージア州生まれ。
“自分はとてもラッキーだと思うけど、まだ達成できていないこともたくさんあるわ”
前作に続き、「マレフィセント2」でオーロラ姫を再び演じているエル・ファニング。一作目ではティーンだった彼女も今や二一歳。この間に「ネオン・デーモン」「アバウト・レイ16歳の決断」「The Beguiled/ビガイルド欲望のめざめ」「メアリーの総て」などなど様々な役をこなして、女優としてもぐんぐん成長しているが、やはり素顔はオーロラに近いフェアリーなナチュラルガールだ。
──数年ぶりにオーロラを演じる気持ちはどうでしたか?
『私自身これまで同じキャラクターを二回演じることがなかったから、オーロラのその後の姿を作り上げていく作業が楽しみだった。今回は私の意見もたっぷり聞いてもらえて、もっといい形で作品とコラボレーションできたと思うわ。前作の後、若い子たちが私に近づいてきて「オーロラだ!」って言ってくれるたびに、私は「ワオ!私ってこの人たちのお手本なんだ!」って感じたの。だから私は彼らのお手本に相応しく成長したオーロラの姿を見せたかった』
──オーロラが高い理想を掲げる人になっていったのは素晴らしいですね。
『彼女の素敵なところはね……生来の優しさがあって、自然を愛していて、強さもあるし、女性的な部分を大切にしているところ。それを決して悪いことだと思わないの。そういうプリンセスはあまり見ないのではないかしら?強さを見せるために鎧を着たりするでしょう?彼女はピンクのドレスを着ているけど強い女性なのよ』
──今回の続編ではロマンチックなシーンから始まりますよね。
『プロポーズされる撮影の日は楽しかった!でもほとんどグリーンスクリーンの前で演じたの。木々はあったけど、それだけで、クリーチャーも何も、みんな想像しなくちゃいけなかった。でもあそこは大事なシーンなのよ。オーロラが成長したことを示す象徴的なシーンだから。今、彼女はクィーンで、自分の人生を自分で歩もうとしているところ。自分はどのくらい厳しくて、どのくらい優しいリーダーになれるか考えているの。
王子と婚約するのだけど、それがまた新しい問題を生み出すことになる。彼女のママ(マレフィセント)と将来の義理の母の間にね。この映画のテーマは“家族”よ!それに私たちが現実の世界で見ている問題につながるところもあるわ。世の中ではたくさんのことが起こっている。社会は分断されてしまっている。それは悲しいことよね。この映画はそこにも触れているわ。自分と違う存在を受け入れ、一緒に力を合わせるというのも一つのテーマになってるの』
──義理の母になるのはミシェル・ファイファーですよね。
『ミシェールの演技は本当にサイコーだった。素晴らしいキャリアがあるのに、彼女はまだ女優業に対する新鮮な輝きを持っていて、感動的だった。彼女と共演できて光栄だったわ。覚えている方もいるかもしれないけど、私の姉ダコタが、初めて共演した大女優がミシェルだったの。「I am Sam/アイ・アム・サム」でね。ダコタはミシェルをとっても優しい人だと言っていたのを私も忘れていないわ。だけど今回はミシェルが演技をしている時、「怖い!」と思えるシーンがいっぱいあったの(笑)』
──そしてもちろんアンジェリーナ・ジョリーとも再共演です。
『実は私は監督をしてみたいという夢もあるので、アンジェリーナは監督もやれば、この「マレフィセント」二作で製作も担当するし、すごく良いお手本になってくれるの。直接アドバイスをくれるというのではなくて、セットで行動する彼女を見ているととてもためになるわ。彼女のように子供を育てて、世界平和のために貢献して、映画の仕事もする、なんて夢のようだけど、私もそうなるように夢を見ているところ。今の時点でも自分はラッキーだと思うけど、まだ達成できていないこともいろいろある。私自身のゴールはたくさんあるわ』