いびつながらも愛すべき家族の形を描き、昨年公開されるやいなや多方面から賞賛を浴びた「半世界」「凪待ち」「台風家族」。各作品に主演する“新しい地図”の稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛が三者三様に新境地を開拓したことも話題となった3作品のBlu-ray&DVDが発売中(「台風家族」は4月2日発売)です。SCREEN ONLINEでは3週にわたり各作品の見どころを豪華すぎる特典と共にご紹介。最終回は、草彅剛×市井昌秀監督が贈る愛すべき“家族”の物語「台風家族」です。
文・清水久美子

Vol.3「台風家族」——草彅剛が演じる史上最高の“ダメ男”

【Chapter1】作品概要&ストーリー

漫才グループ「髭男爵」の元メンバーという異色の経歴を持つ市井昌秀監督。「箱入り息子の恋」で注目を集め、日本映画監督協会新人賞を受賞した市井監督が、12年間あたためてきた“両親への想い”をヒントに創作したオリジナル脚本で作られた映画「台風家族」。主人公の鈴木小鉄を、稲垣吾郎・香取慎吾と共に“新しい地図”としてのユニットでも活動の場を広げている草彅剛が演じると決まってからは、草彅を念頭において主人公を構築していったという家族の物語だ。

台風の近づく夏の日。鈴木家の4人きょうだいは10年ぶりに実家に集まる。彼らの父親・一鉄(藤竜也)が銀行で2000万円を強盗し、母親の光子(榊原るみ)と一緒に行方不明になったまま10年。集まったのは、両親の“見せかけ”の葬儀をして財産分与をするのが目的で、小鉄は自分が一番多く財産をもらおうと画策していた。

長男・小鉄をはじめ、世界一“クズ”な一家だが、なぜか憎めない鈴木家の面々。猛暑の中、民家で行われた撮影ではキャスト・スタッフが汗だくになりながら、市井監督の情熱のもと一丸となって作品に取り組んだという。映画制作ではかなり難しい順撮り(ストーリーの進行に合わせての撮影)に挑戦したことで、徐々に“家族”の絆が深まったという本作は、草彅を座長とする市井組の温かいムードが映画から滲み出ている。

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