新型コロナウィルスが依然として猛威を振るっている中で、世界中の映画祭もその影響を受けており、多くが中止や延期、あるいは縮小等を余儀なくされている。そのような状況下でも東京国際映画祭としては、①映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す ②映画を通じて国際的な連帯を強める ③コロナ後の映像文化についての考察を深める、という目的を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本として実施したいと考えているという。シンポジウムやゲストのトークなどにオンラインも活用していく方針。
昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3 部門を今年は1 つの部門に統合、「TOKYO プレミア2020」とし、様々な賞を競う形ではなく、その中の全作品を対象に観客の皆様に投票していただく「観客賞」を設けることとした。
更には、これまで時期的に近接して開催していた東京フィルメックス映画祭との連携を深め、カンヌ映画祭の大きな枠組みの中で独立性をもって開催される「カンヌ監督週間」と似た形で、ほぼ時期を同じくして開催。
ただし今後の新型コロナウィルス状況の進展如何によっては、映画祭も開催の可否も含めて大きな影響を受ける可能性もあることを示唆した。
「TOKYO プレミア2020」部門概要
ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作の披露を観客と共に祝福するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、30 本程度のプログラムを予定。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを観客に味わってもらうことを目的とする。