韓国の名優ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナがキャスティング
毎作品、現実と密接した主題意識をもとに様々な人物の物語を鋭い洞察力と温かい視線で描いてきた是枝裕和監督は、カンヌ映画祭コンペティション部門に5回招待され『そして父になる』(13)では審査委員賞を、『万引き家族』(18)ではパルムドールを受賞している。
フランス語と英語で演出した最新作『真実』(19)で作品の世界を広げている是枝裕和監督が韓国の製作陣、俳優と共に長年温めていた企画である韓国映画『ブローカー(仮)』がついに始動した。
『ブローカー(仮)』は子供を育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていくことができるように用意された“ベビーボックス”を巡って出会った人たちの話を描いた物語だ。
『ブローカー(仮)』にはソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナがキャスティングされた。『義兄弟 SECRET REUNION』(10)で共演したソン・ガンホとカン・ドンウォンの再会、そして『空気人形』(09)で是枝裕和監督の作品に参加したぺ・ドゥナまで、韓国映画を代表する3人の俳優と世界的巨匠是枝裕和監督の出会いに期待が高まる
今回の作品に対して是枝裕和監督は「3人の俳優はもとより、今回は尊敬する韓国のキャスト、スタッフの皆さんの胸を借りる気持ちで撮影に臨みます。頭の中で3人の名優を動かしながら、今脚本を書いているところで、僕自身が多分1番ワクワクしております。このワクワクを皆さんに共有していただけるような、スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています。」とコメントした。
『ブローカー(仮)』の制作は「#生きている」(原題)、「最も普通の恋愛」、「国家が破産する日」、「MASTER/マスター」、「プリースト〜悪魔を葬る者」などを制作した韓国の映画社ジップが手がけ、投資配給はCJ ENMが進行する。力強いストーリーテリングと繊細な演出、鋭いメッセージで全世界の映画ファンを魅了する是枝裕和監督の韓国映画『ブローカー』(仮)はシナリオを準備している段階で、2021年にクランクインする予定だ。
タイトル 「 ブローカー(仮)」
監督・脚本 : 是枝裕和
出演: ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナ
制作 : 映画社ジップ (ZIP CINEMA) 提供/配給 : CJエンターテインメント
是枝監督コメント全文
この『ブローカー』(仮)は、コロナ自粛中に「愛の不時着」や「梨泰院クラス」にハマったからやることになったわけではもちろん無く(ハマったのは事実ですが)、企画のスタートは、今から5年ほど前に遡るかと思います。
始まりは、やはり、役者さんでした。ソン・ガンホさんとは最初は釜山映画祭で、カン・ドンウォンさんは仕事で東京に来た時にお会いして以来、お二人と、東京や、ソウルや、釜山や、カンヌで交流を続けてきました。
最初はご挨拶程度でしたが、お話を重ねていくうちに、一緒に映画を、という流れに自然と変化していきました。
ペ・ドゥナさんとは2009年にご一緒してから、「また必ず一緒に、次は人間の役で」と固く誓っていたので、10年越しの夢が叶ったことになります。この3人はもとより、今回は尊敬する韓国のキャスト、スタッフの皆さんの胸を借りる気持ちで撮影に臨みます。
『ブローカー』(仮)はベビーボックスを巡る話です。
頭の中で3人の名優を動かしながら、今脚本を書いているところで、僕自身が多分1番ワクワクしております。このワクワクを皆さんに共有していただけるような、スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています。
今回は、僕にとっては前作に続いて母国と母国語を離れての映画作りになります。言語や文化の違いを超えて一体何が伝わり、共有出来るのか?そもそも監督とはどういう存在なのか?作品作りを通して、もう少し踏み込んで模索してみたいと思っています。