俳優業に留まらず、声優やパリコレモデルとしても活躍の幅を広げている竜星涼。8月7日に公開した『ぐらんぶる』のような体当たりの振り切った役から今回の出演作のような心温まるヒューマンストーリーまで、ふり幅の広い演技力を魅せている。古川雄輝とW主演を務めた映画『リスタートはただいまのあとで』が、9月4日に公開。長野の美しい景色の中で紡がれた“癒し系純愛映画となる本作で、田舎暮らしで優しい熊井大和役を演じている。撮影での裏話や共演した古川さんの印象など語ってくれた。
撮影/大西 基 スタイリスト/山本隆司 ヘアメイク/TAKAI

――撮影をされたのはいつ頃だったんでしょうか。長野県の美しい自然が映し出されていて、コロナ禍だからこそ余計に大切なもの・本質に気付けると言いますか、とても心に響く作品に感じました。

「今年の1月です。観ている人がいろいろな見方と言いますか、いろいろ思想を巡らせてもらうのが僕ら役者の仕事だと思っているので、ある意味、実際のリアルな話よりもフィクションが現実を浮き彫りにするものもありますし。この作品はくくりでいったら同性愛のBLというところにはなるのかもしれないですけど、これまでのBL作品とはまた違って、そもそも同性同士が好きでという恋愛ものではなくて、その気持ちに気づいていくという、その変化というのが、この作品の一番の核なのかなと思いますし、だから演ってみたいなと思ったんです」

画像1: ©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

――パリコレモデルの竜星さんが、現地になじんでいて地元の人にしか見えなかったのですが。

「(笑)。それはやっぱり長野にずっと居たからです。1か月くらい。結構地元の人と仲良くなりまして、もう撮影も終わって、最後東京に帰るとなった時には、全員に挨拶に行くくらい。それくらい僕は仲良くなりました。その土地を知るには、その土地で生きている人たちと仲良くなりたいという気持ちがあったので。そういう風に言うとお芝居のためにやってましたと聞こえるかもしれないですけど、個人としてはそんなに深く考えずに仲良くなりたいし、おいしいごはんどこなんだろうと(笑)。例えばおいしいごはん屋さんに行ったら、大将に話し掛けてみて、仲良くなって、結果的に“今度あそこうまいから行ってみろよ、紹介するよ”とそこからドンドン輪が広がっていくんです。親よりも年上の世代の方が多いんですけど、僕が矢沢永吉さんが好きということもあって、一緒にカラオケしたりとか、みんなでワイワイしながら、気付いたらいつのまにか、地元の人しかいないという状況でした。撮影期間は楽しく過ごしていました(笑)」

画像1: 竜星涼:映画『リスタートはただいまのあとで』インタビュー「古川さんは、お兄ちゃんのような面もあったり、作品に向かって監督とディスカッションしていく姿が印象的」

――本作は古川雄輝さんとのW主演で、今回が初共演ということですが、古川雄輝さんの撮影前とあとでの印象の変化はありましたか?

「最初はミステリアスな方なのかなという感じがありましたけど、撮影入っていってお兄ちゃんのような面もあったり、作品に向かって監督とディスカッションしていく姿が印象的でした。常に毎日のように監督とディスカッションしていましたし、聞いたりもしてましたので、情熱的な方なのかなと感じました。井上監督は初めての監督作品でもありますし、古川さんが事務所に入る時から知っているという縁があって、今回の作品を一緒にやろうという情熱感があったように思います。2人で記念になるようなものをという感じがあったので、2人の情熱みたいなものを持ってディスカッションしている姿は印象的でしたね」

画像2: ©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

――完成した作品を観て、ご自分では気づかなかった発見はありましたか。

「今回は髪を下ろしていたんですけど、新鮮でした。監督からのリクエストでもあったので、役作りの上で今回はそういう髪型にしましょうとなりました。映像になったのを観ると新鮮ですよね」

画像3: ©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

――竜星さんの一番好きなシーンはどこでしたか。お風呂のシーンもありましたけど。

「(笑)。お風呂のシーンはすごく寒かったんですよ、1月です。(古川雄輝さんは湯船に浸かっていて)僕は、浴槽の外だったので(笑)。一番好きなシーンはやっぱり最後のおじいちゃんとのシーンですね。すごく思い出深いというか。東京に行くと告げるシーンは、おじいちゃんに対してもしかしたら裏切る形になるかもしれないシーンで、上手く関係性が出ていたんじゃないかなと思います」

PROFILE

竜星 涼 RYO RYUSEI

1993年3月24日生まれ、東京都出身。

〈近年の主な映画出演作〉
『泣くな赤鬼』(2019年)
『トイ・ストーリー4』(2019年 ※日本語吹き替え版 声の出演)
『ぐらんぶる』(2020年8月7日公開)
『弱虫ペダル』(2020年8月14日公開)

画像2: 竜星涼:映画『リスタートはただいまのあとで』インタビュー「古川さんは、お兄ちゃんのような面もあったり、作品に向かって監督とディスカッションしていく姿が印象的」

方言や役者としての姿勢など竜星涼さんのグラビア&インタビュー詳細は8月25日発売の「SCREEN+Plus(スクリーンプラス)Vol.68」本誌にてご紹介しています。

画像: 竜星涼さん:映画『リスタートはただいまのあとで』コメント youtu.be

竜星涼さん:映画『リスタートはただいまのあとで』コメント

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予告映像

画像: 映画『リスタートはただいまのあとで』予告映像(9月4日公開) youtu.be

映画『リスタートはただいまのあとで』予告映像(9月4日公開)

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あらすじ

職場で上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣(古川雄輝)は、近所で農園を営んでいる熊井のじいちゃんの養子・大和(竜星涼)と出会う。
大和のことを「馴れ馴れしくてウザい奴」と思っていた光臣だが、父親に実家の家具店を継ぐ事を拒絶され、農園の手伝いをはじめると、大和と過ごす時間が増えていく。
ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。次第に、自分の弱さも受け入れてくれる大切な存在に変わっていく。
ある夜、酔いつぶれた二人だったが、目が覚めた光臣は寝ている大和に思わずキスをしてしまい・・・抱いている感情にハッとする。
大和の高校の同級生で親友の上田(佐野岳)から、「アイツには秘密がある」と耳打ちされたことを思い出した光臣の前に、親しげに大和と話す年上の女性が現れて・・・。
光臣は大和へ想いを伝えることはできるのか?
そして、親との確執を乗り越えて、自分の夢と向き合う事ができるのか?

映画『リスタートはただいまのあとで』

2020年9月4日(金)シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

出演:古川雄輝 竜星 涼
   村川 絵梨 佐野 岳 / 中島 ひろ子 螢 雪次朗 甲本 雅裕

監督:井上竜太
脚本:佐藤久美子
原作:ココミ著書「リスタートはただいまのあとで」(プランタン出版 刊)
配給:キャンター

©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

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