商業性にとらわれず先鋭的・実験的な映像作品、話題作を世界中から集めて、映像アートの最新動向を紹介する「イメージフォーラム・フェスティバル2020」のラインナップが決定。

今年のイメージフォーラム・フェステイバルでは、「上映するという行為」そのものにフォーカスし、その現在的な意義について考察。100年以上に亘って特に疑念もなく続いてきた文化的行為=「映画上映」。しかし、急激に変容してきたメディア環境に加え、突如として勃発した疫病の流行により、これまでの映像環境の在り方を決定的に変えてしまうかもしれない状況が生まれた。閉じた暗闇の中、複数人でスクリーンに投射された光の影を見つめるという映画=シネマというシステムは、ついに過去のものとなるのか? あるいは、上映という行為に新たな意味を見出していくことになるのか?

特集「オン・スクリーン 上映について」では、「スクリーニング・コレクティブ新世代」として、これまで日本で上映される機会のない作品を数多く紹介し、刺激的な作品の上映活動を活発に行っているインディペンデントのオルガナイザーたちが集まり、いま観たい/上映すべき作品をプログラム。同時に、インディペンデント上映のこれからについて考えるシンポジウムも開催し、“上映すること”でさらに濃く映画と関わる活動に迫る。
上映オルガナイザーとして、グッチーズ・フリースクール、ノーマルスクリーン、SpiceFilms、イスラーム映画祭、肌蹴る光線、New Neighborsが参加。カンヌ・ヴェネチア・ベルリンをはじめ国際的に評価され、アメリカ映画において独自の地位を築いている女性映画監督ケリー・ライカートの作品などを紹介。

さらに、「オン・スクリーン LIVE」として、<映画の一回性>に着目した上映パフォーマンスを開催。複製可能な芸術でありながら、参加する観客が違えば、観る者の気分も、フィルムの状態も、映写機の調子も異なるという映画上映の一回性について考察。
こちらでは、新作中編『TOKYO TELEPATH 2020』も公開を控える映像作家・遠藤麻衣子が音楽家・服部峻と小林七生と共に贈るフリッツ・ラングの『メトロポリス』ライブ音楽上映などを行う。

また、日本、中国、香港、台湾、韓国の東アジア地域を対象とした公募部門である「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」を今年も実施。本年は世界的な新型コロナウィルス流行で映画、映像分野にも大きな影響があったが、最終的に462件と昨年を上回る応募があり、ドキュメンタリー、アニメーション、実験映画など、多種多様な東アジアの「今」を映し出す25作品がノミネートされた。10月4日に行われる授賞式で入賞5作品と観客賞を発表する。

「日本実験映画史」の特集上映では、2020年、亡くなるまで現役の映画監督として作品を発表し続けた大林宣彦の個人映画の代表作『EMOTION = 伝説の午後・いつか見たドラキュラ』(16ミリ〈デジタル上映〉/39分/1966~67)などの貴重な作品も上映される。

「イメージフォーラム・フェスティバル2020」 
東京:シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2) 9月26日(土)~10月2日(金)
スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23) 10月2日(金)~4日(日)
名古屋:愛知芸術文化センター(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2) 11月21日(土)~23日(月・祝)

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