東京・京橋の国立映画アーカイブでは2021年5月6日より23日まで上映企画 「NFAJ 所蔵外国映画選集 2021」を開催する。

本特集では、当館が所蔵する外国映画の中から、これまで上映する機会の少なかった映画を中心に、13作品(12プログラム)を上映。音声表現の様々な可能性を探る創意に満ちたトーキー初期の『予審』『脱走者』といった作品から、第二次世界大戦の緊迫をダイレクトに伝える戦中の傑作『戦火の大地』、また、戦後に「赤狩り」でハリウッドを追放された映画人が残した異色作『地の塩』、さらに、これらの映画を見ていたかもしれない、映画が大好きな青年を描いた90年代アメリカのインディペンデント映画の必見作『イン・ザ・スープ』まで、幅広いラインナップ。世界各国の映画を35㎜フィルムで楽しめる。

90年代アメリカを代表するインディペンデント映画『イン・ザ・スープ』を上映!

昨年の東京国際映画祭でも上映された新作『愛しい存在』(2020)など、現在も旺盛に活躍しているアレクサンダー・ロックウェル監督の代表作『イン・ザ・スープ』を上映する。本作はサンダンス映画祭グランプリ(1992)に輝き、90年代のアメリカ・インディペンデント映画を象徴する1本となった。スティーヴ・ブシェミと、ジョン・カサヴェテス作品でも有名なシーモア・カッセル、『フラッシュダンス』(エイドリアン・ライン、1983)で一躍有名になったジェニファー・ビールスの主演3人の名演と素敵なダンスシーンをお見逃しなく!

女性同士の恋心と、抑圧的な教育制度を描いた『制服の処女』は、監督、原作者、そして出演者が全員女性という大変珍しいドイツ映画。日本でも当時、川喜多かしこの尽力により公開され大ヒットとなった。

フランス、ドイツ、ハンガリーといったヨーロッパの映画から、アメリカ、ソ連、インド、中国の作品まで、幅広く楽しめる。有名作に加えて、上映機会の希少な作品も多くラインナップしており、これまで見たことのない国の作品にも足を運んでみたい。とくに、のちにハリウッドに渡りフィルム・ノワールを中心に活躍したローベルト・ジーオトマク(ロバート・シオドマク)監督の『予審』(1931)は、国立映画アーカイブ所蔵の可燃性フィルムを不燃化して作製したニュープリントでの上映となる。

上映作品(12プログラム、13作品)
1 「予審」 ドイツ (1931) ローベルト・ジーオトマク(ロバート・シオドマク)監督
2 「制服の処女」 ドイツ (1931) レオンティーネ・ザーガン監督
3 「春の驟雨」 ハンガリー、フランス(1932) パウル・フェヨシュ監督
4 「脱走者」 ソ連 (1933) フセヴォロド・プドフキン監督
5 「旅する人々」 ドイツ(1938) ジャック・フェデー監督
6 「続・深夜の歌声」 中国 (1941) 馬徐維邦監督
7 「戦火の大地」 ソ連 (1944) マルク・ドンスコイ監督
8 「諜報員」 ソ連 (1947) ボリス・バルネット監督
9 「2エーカーの土地」 インド (1953) ビマル・ラーイ監督
10 世界大藝術家シリーズピアノ篇
 「アレクサンドル・ブライロフスキイの華麗なるワルツ」仏(1936) マックス・オフュルス監督
 「たそがれの女心」 フランス、イタリア (1953) マックス・オフュルス監督
11 「地の塩」 アメリカ (1954) ハーバート・J・ビーバーマン監督
12 「イン・ザ・スープ」米、日、独、仏、スペイン、伊(1992) アレクサンダー・ロックウェル監督

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