世界で今もっとも熱い視線を集める女性インディペンデント映画監督ケリー・ライカート監督のキャリア初期の傑作 4 本を一挙公開する特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」。
日本限定スペシャル予告編は『THE COCKPIT』(14)、『きみの鳥はうたえる』(18)、Netflix オリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』(20)などの映画監督・三宅唱氏と、杉田協士監督『ひかりのうた』(17)や現在公開中の『映画:フィッシュマンズ』(21)の編集を手がけた映画編集者の大川景子氏が、上映される『リバー・オブ・グラス』、『オールド・ジョイ』、『ウェンディ&ルーシー』、『ミークス・カットオフ』の 4 作品からショットを選び、共同で編集。冒頭、『ウェンディ&ルーシー』の劇中でミシェル・ウィリアムズが口ずさむ鼻歌メロディにのせて、ライカート監督作品に特徴的な地平線をゆっくりと横移動するそれぞれ 4 作品のショットがゆるやかに連なる。本楽曲は、『オールド・ジョイ』でカート役も演じた俳優であり、パレス・ミュージックなどさまざまな名義で活躍し、『荒野にて』(17)や『さらば愛しきアウトロー』(18)などの楽曲提供でも知られる「USインディ」を代表するミュージシャン、ウィル・オールダムが作曲したメロディに、ミシェル・ウィリアムズがアレンジを加えたもの。
特集タイトルバックに続く後半では、ヨ・ラ・テンゴが『オールド・ジョイ』のために提供した楽曲「Leaving Home」の浮遊感ただようギターの音色を BGM に、4 作品で登場する登場人物たちの顔のクロースアップ、そして一見すると見逃しがちな、アメリカのロードサイドで暮らす彼ら/彼女らのささやかな営みが細やかに切り取られている。
三宅唱氏は、「今年最高の特集上映だと思います。ここから一本選べと言われれば……『ウェンディ&ルーシー』をぜひ!」とコメントを寄せている。