「本作を撮り切れたことを誇りに思う」
開口一番に「現場での撮影準備はまさに悪夢だった」とシャマラン監督が語る本作の撮影は、2020年新型コロナウイルスの世界的な流行によって、あらゆる主要都市がロックダウンされていた時期に行われた。
場面設定はほとんど一か所のみだったため、その撮影箇所を探すことが製作者にとって最重要タスクとなった本作。撮影の準備として、まずは主な舞台となる美しいプライベートビーチ、そして2つ目はホテルのロケ地探しから始まり、間もなくカリブ海に目を付け、中でもドミニカ共和国を検討するように。シャマラン監督と主なスタッフたちは3か所を候補として挙げ、最終的に、息を飲むほどの美しい景観だけでなく、本作の世界観に必須となる適度な孤立感を持つサンタ・バーバラ・デ・サマナのマジェスティック・ビーチを主な撮影場所に決めた。
このドミニカ共和国での撮影は、シャマラン監督において、初の試みである米国外での撮影となり、過去に『ヴィジット』(15)、『スプリット』(17)、『ミスター・ガラス』(19)といった近年のシャマラン監督作品で何度もタッグを組んできた製作のマーク・ビエンストックも「撮影は苦労の連続だった」と語るように、コロナ禍というだけでなく、撮影地がドミニカ共和国という小さな国での撮影ということで必要な備品や人材をすべて準備して現地入りしたこともあり撮影は過酷だったようだ。
美術監督のネイマン・マーシャルは、「崖に周囲を囲まれ周囲と遮断されたビーチという発想は面白い仕掛けだ。視覚的にも物語的にもね。思わずシャツを脱いで飛び込みたくなるような海だ」とロケ地として選ばれたサマナのビーチの魅力について語る。
しかし、悪夢のような撮影準備期間を乗り越えたスタッフたちを待ち受けていた障害は、コロナウイルスだけではなかった!ようやくロケ地が決まったものの、撮影期間は運悪くハリケーンのシーズンと重なってしまったという。「文字どおり世界中を探し回ったよ、私の頭の中にあるようなビーチをね。結局カリブ海で撮ることになったが、コロナもハリケーンも保険に入れなかった。そして崖を作ったところで、ハリケーンに襲われた。リスクの多い撮影だった」と当時起こったハリケーンによる壮絶なアクシデントについてシャマラン監督は語る。
しかし、そんな中「限られた時間で撮るからミスはできない。1日だって延期できない中、本作を撮り切れたことを誇りに思うよ」と語り、コロナウイルスやハリケーンなど数々のアクシデントや制約を乗り越えて完成した本作に自信を覗かせている。
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル(『天国の口、終わりの楽園』、『バベル』)、ヴィッキー・クリープス(『ファントム・スレッド』)、アレックス・ウルフ(『ジュマンジ/ネクスト・レベル』)トーマシン・マッケンジー(『ジョジョ・ラビット』)ほか
監督・脚本:M.ナイト・シャマラン、製作:M.ナイト・シャマラン、マーク・ビエンストックほか
配給:東宝東和
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