1999年に公開されるや、これまで誰も観たことが無い未曾有の映像体験で世界中を熱狂させた『マトリックス』。
我々の生きるこの世界が、実は仮想世界であるという衝撃的な設定で、アクション映画の概念を塗り替えた超絶アクション、緑にきらめくマトリックス・コード、クールでかっこいいネオとトリニティーのルック、斬新な映像と撮影手法、VFX とカンフーの組み合わせや、日本のアニメから影響を受けた異文化的斬新なアクションなど、観るものに衝撃を与えた。
そして映画の域にとどまらず、映像/カルチャー/クリエイター/概念など、今日我々が目にする様々なものが『マトリックス』からの影響を受けているといっても過言ではない映像革命を起こした作品なのだ。
新章となる『マトリックス レザレクションズ』のメガホンをとったのは、『マトリックス』シリーズの生みの親であり、シリーズ全作品を監督しているラナ・ウォシャウスキー。
主人公・ネオ役はもちろん、前作に引き続きキアヌ・リーブスが演じる。
さらにトリニティー役のキャリー=アン・モス、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミスら前作からの続投キャストのほか、ネオを導くモーフィアス役のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世(『アクアマン』のブラックマンタ役など)、ネオの宿敵エージェント・スミス役のジョナサン・グロフ(Netflixオリジナルシリーズ「マインドハンター」主人公のFBI捜査官ホールデン役など)、ほかにもニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、プリヤンカー・チョープラーなど、新章で初登場するキャスト陣も多数登場する。
本作は、シリーズ3作目『マトリックス レボリューションズ』の続編ではなく、1作目の続編。果たして1作目の続きとして何が描かれているのか?公開されている予告編から、ファンの間では様々な考察・憶測が飛び交っているが、真相は未だベールに包まれている。
そんなベールに包まれた本作を紐解くために、今回は、新章とのつながりやヒントも満載!?な、『マトリックス』をより楽しむための10のキーワードを厳選してお届けする。
STORY
コンピュータープログラマーとして働くネオ(キアヌ・リーブス)は、ある日、正体不明の美女トリニティー(キャリー=アン・モス)に導かれ、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)と出会い、驚くべき世界の真実を見せられる。現実だと思って暮らしていた世界は、実は「マトリックス」と呼ばれる仮想現実だったのだ!そんな中、この世を人間の手に取り戻すことができる“救世主”に選ばれたネオは、仲間たちと共に、人類の命運をかけた壮絶な戦いを繰り広げていくー。
『マトリックス』を楽しむ 10 のキーワード
キーワード1◆マトリックス/Matrix
作品のタイトルでもある「マトリックス」は、人工知能が人間を生体電池として使うために作った仮想現実世界の名称。人間はポッドで眠らされていて、人間が現実と思って暮らしている世界は、実は仮想現実空間「マトリックス」である、という設定。人間たちは人工知能に支配され、脳に送られるスーパーリアルな幻を見せられているに過ぎなかったのだ!
キーワード2◆赤いピル、⻘いピル/red pill, blue pill
初めてモーフィアスに対面したネオは、赤いピルと⻘いピルどちらかを選ぶよう迫られる。赤いピルを選べば〈真実を知る〉。⻘いピルを選べば〈今までの生活に戻る〉。「マトリックス」の存在に気づいた人間たちはみなこの選択を迫られるようで、1作目でネオは赤いピルを選び、現実世界にある身体と共に目覚めることになる。映画を象徴するアイテムのひとつであるこのピルだが、新章となる『マトリックス レザレクションズ』予告編では、ネオが⻘いピルをグイッと飲む姿が映し出され、謎が深まる展開に!?果たしてその選択が導き出すものは...。
キーワード 3◆エージェント/Agent
「エージェント」は「マトリックス」の監視プログラムの名称で、「マトリックス」内に存在する人間なら誰にでも転移することができる。さらに、超人的な戦闘能力を持っており、その中心人物が、黒スーツ×黒サングラスでお馴染みのエージェント・スミス。ネオの強力な宿敵としてその前に立ちはだかる。
『マトリックス レザレクションズ』予告編では、パトカーを降りたばかりの警察にエージェントが一瞬で転移する姿が写し出されており、脅威再び!?ネオとのさらなるバトルにも期待が高まる。
キーワード 4◆救世主・選ばれし者/The One
英語では「The One」と表現されるこのワードは、聖書で「救世主」「選ばれし者」を意味する。また、このワードは主人公の名前ネオ(Neo)のアナグラム(文字の並べ替え)にもなっている。ネオは『マトリックス』1作目で、自分が人類を救う救世主なのか信じられずに悩む姿を見せていたが、『マトリックス レザレクションズ』予告編では、モーフィアスと戦うネオが「僕を誰だと?」という意味深なセリフを発するシーンも。“救世主ネオ”の再君臨となるのか、注目だ。
キーワード 5◆カンフー/Kung Fu
『マトリックス』で披露されるアクション演出は、〈VFX〉とワイヤワークを取り入れた〈カンフーアクション〉を融合したもの。メガホンをとったウォシャウスキーコンビが大ファンだった香港カンフーアクションの巨匠、ユエン・ウーピンが武術指導を担当し、キアヌをはじめとするキャスト陣は4ヵ月に及ぶトレーニングを実施。さらに、当時のハリウッド映画では珍しかったアクションの⻑回しや、ワイヤーを多用した演出も相まって、唯一無二の超人的な格闘シーンが誕生したのだった。
『マトリックス レザレクションズ』では、予告編にも登場しているネオとモーフィアスのバトルシーンをはじめ、進化を遂げたアクションを待ちわびるファンも多いはず。
キーワード 6◆マトリックス・コード/Matrix code
黒い画面に緑色の文字が降り注ぐビジュアルでもおなじみ、「マトリックス」の世界を構築しているコードのこと。映画のポスターにもこのコードがモチーフとして活用され、映画のオープニング映像にも登場する。タテに流れる文字列は、「マトリックス」を形成するコードで、実は中には日本語のカタカナも混ざっている。一説によると、監督のウォシャウスキーコンビが「日本ではコンピュータのコードはタテに流れる」と信じていたからだという説もある。マトリックス・コードは、もちろん『マトリックス レザレクションズ』の予告編ポスターでも使用されている。
キーワード 7◆電話回線/telephone line
現実世界と「マトリックス」間を移動するときは、オーペレーターの操作で人間の意識のみが転送される。現実世界へ戻るときには、オーペレーターの指定した回線から意識が転送されるが、その転送の入口となるのが〈電話〉。エージェントに盗聴されないように、ダイヤル式のアナログ回線が使われているのも特徴的だ。『マトリックス・レザレクションズ』での“移動手段”も気になるところ。
キーワード 8◆バグ/bug
プログラムの不具合や欠陥を表すコンピュータ用語。「マトリックス」では、ネオやモーフィアスたちは「マトリックスというシステムに侵入するウィルス」で、彼らを追いかけるエージェントたちは「ウィルス駆除プログラム」という位置づけだった。また、“救世主”であるネオは「マトリックスというシステム中に存在する一種の〈バグ〉」として捉えられることもあり、「マトリックス」設計者の予測の範囲内であるが、決して排除できない存在でもあった。果たして『マトリックス レザレクションズ』でのネオも同様なのか?
キーワード 9◆不思議の国のアリス/Alice in Wonderland
ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」のアリスは、白ウサギの後を追って穴に落ちて冒険を始めるが、ネオにとっての「穴」は、不思議の国=マトリックスから現実世界へ向かう入口だった。ネオが逃げまどう古ぼけたビルには、ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」に登場した、チェス盤のような市松模様の床や、グニャっとした鏡がある。『マトリックス レザレクションズ』予告編では、ネオが訪れた食堂で「不思議の国のアリス」の本が登場し、こちらでもグニャっとした鏡を通過して別の場所に移動する姿も確認できる。新章でも「アリス」がキーワードになることが間違いなさそうだ。
キーワード 10◆ホワイト・ラビット/White Rabbit
「不思議の国のアリス」に登場し、アリスを冒険に連れ出すウサギ。『マトリックス』1作目の冒頭で、ネオは作業中のコンピュータ画面に現れた「白ウサギの後を追え!」という不思議なメッセージに誘われる。そして、向かった先で出会ったモーフィアスから「『不思議の国のアリス』の気分だろう?」と言われ、「赤いピルを飲むか、⻘いピルを飲むか」と選択を迫られる。〈今までの生活に戻る〉⻘いピルでなく、〈真実を知る〉赤いピルを飲んだネオは、「マトリックス」の謎を知る道を選ぶことに。ルイス・キャロルに影響を受けたアメリカのロックバンド「ジェファーソン・エアプレイン」の曲「ホワイト・ラビット」の歌詞にも、このピルが登場するのだが、『マトリックス レザレクションズ』予告編でも、この楽曲が象徴的に使われている。
常に時代の先を行き、はるか未来を見せてくれた『マトリックス』。11月17日には、デジタル・リマスターされた4K ULTRA HDの『マトリックス トリロジー<4K ULTRA HD & デジタル・リマスター ブルーレイ>(9枚組)』が発売される。
何が真実で、何が真実でないのか、先行き不透明な今の時代を生きる我々に、果たして新章となる『マトリックス レザレクションズ』はどんな未来を見せてくれるのか?謎が謎を呼ぶ『マトリックス レザレクションズ』は、12月17日(金)全国公開。
マトリックス トリロジー <4K ULTRA HD & デジタル・リマスター ブルーレイ>(9枚組)
価格:21,780円(税込)
発売日:11月17日(水)
© 1999, 2003 Village Roadshow Films (BVI) Limited. © 1999, 2003 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
『マトリックス レザレクションズ』
12月17日(金)より全国公開
目に見えるものが真実とは限らない。あなたが疑ったこともないこの[世界]は、本当に[現実]なのか?
未来を選ぶとき、あなたの世界は一変する。何を信じるべきか、自分の目で見極めろ。
主演キアヌ・リーブス
全世界で空前の社会現象を巻き起こしたアクション超大作の新章、ついに登場。
もし世界がまだ「仮想世界=マトリックス」に支配されていたとしたら、
もし主人公ネオが救世主ではなかったとしたらーー!
いま、新たな未体験の世界に飛び込む覚悟はあるか?
原題:『THE MATRIX RESURRECTIONS』
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、プリヤンカ・チョープラー・ジョナス、ニール・パトリック・ハリス、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、クリスティーナ・リッチ
オフィシャルサイト:matrix-movie.jp
オフィシャル Twitter:@matrix_movieJP #マトリックス
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