「大志に会うとうれしい!親戚のような気持ちで見守っています(笑)」(市原)
「おいしい給食 season2」では、2020年3月に公開された『劇場版 おいしい給食 Final Battle』の2年後を描く。甘利田幸男が新しい中学に赴任して2年。相変わらず生徒たちには厳しく厳格な教師の甘利田だが、頭の中は給食のことしかない。ある日、甘利田が担任するクラスに1人の転校生がやってくる。その転校生は、かつて甘利田と給食対決を繰り広げていた宿敵、神野ゴウだったーー。
前作から続投の甘利田幸男役の市原隼人と神野ゴウ役の佐藤大志に、さらにパワーアップした「おいしい給食」の見どころや作品への想い、さらに“給食マニア”の甘利田&神野にちなみ、2人の“○○マニア”について語ってもらった。
——続編が決まったときにはどのように感じましたか?
市原「この作品を愛してくださったファンのみなさまの想いの賜物なので、感謝の気持ちでいっぱいです。役者をやること、作品を作る醍醐味はそこにあると思っていますので、ファンの方たちに恩返ししたいという気持ちで毎日現場に立っていました」
佐藤「前作の劇場版のタイトルに“Final Battle”とあったので、次はないと思っていました。続編があると聞いて、最初は“本当に?”と驚きましたが、ただただうれしい気持ちでいっぱいでした」
——2年ぶりの共演でお互いの印象に変化はありましたか?
市原「大志に会えるとすごくうれしいんです。セリフにもあるのですが、身長も伸びてデカくなっているんですよね。今、15歳。可能性に満ち溢れ、これからいろいろなことを吸収していくことを想像すると“大人になってしまう”という寂しさも勝手に感じてしまいます。“無垢な心のままで大人になってほしい”なんて、ちょっと押しつけがましいですが、親戚のような思いで見守っています」
佐藤「最初に会ったときは、緊張でいっぱいでした。もちろん今でも緊張はしますが、シーズン1、劇場版を経てのシーズン2なので、以前よりリラックスした気持ちで撮影に臨めました。安心感も分かるくらいの余裕は出てきたと思います」
——前作から2年後。久しぶりに演じたキャラクター、改めて感じた『おいしい給食』という作品の魅力を教えてください。
佐藤「2年経ったので、少し大人になった神野ゴウにするために、繊細な心を意識して演じてほしいと監督からのリクエストがありました。先生や友達と話すとき、前作まではずっとニコニコ笑顔で反応することが多かったのですが、今回は相手の言葉をきちんと受け止めるという違いが出ていると思います」
市原「同志のようでもあり、ライバルのようでもあるけれど、甘利田先生と神野ゴウの歯がゆい距離感は相変わらずあります。甘利田先生は神野ゴウがいないと人生が謳歌できないと思います。その逆もしかりで、その2人の共通ツールが給食というのも本当に愛くるしいですよね。1986年が舞台なのですが、当時は今よりもずっと面と向かって個々の主張をぶつけ合うことをしていた時代です。その分、登場人物すべてのキャラクターが愛くるしくて、人間臭さが出ています。それが滑稽でもあり、魅力でもあります。『おいしい給食』という作品の素敵でチャーミングなポイントなので、ぜひ楽しんでいただきたいです」
——甘利田先生は厳しさを増した感があり、神野ゴウからは余裕のような雰囲気を感じます。
市原「教師と生徒の差をつけたいという気持ちがあり、教師の威厳を失墜させないために、しっかりとわきまえる建前とか堅さのようなものは意識しました。『おいしい給食』はコメディですが、物事の本質を学べる作品でもあると思っています。観てくださる子どもたちにはテンポの良さや表情、動きなど肉体的な表現で分かりやすいものを楽しんでもらい、大人たちには目に見えない本質的なものをしっかり届けられるようにと心がけていました」
佐藤「神野ゴウは、甘利田先生を敵対視はしているというより、一緒に給食を楽しみたいと思っている気がしています。先生によろこんでほしいという気持ちがあるので、ちょっと余裕があるように見えるのだと思います」
——朝、校門で「顔が眠い!」と注意する甘利田先生のセリフは、言われた経験があるのでハッとしました(笑)
市原「あれはアドリブです(笑)。無茶苦茶なことを言っていますよね。あのシーンに限らず、台本には細かいことは書いていないのが『おいしい給食』の特徴です。給食のシーンなら“食べる”だけですから。“踊る”も“よろこぶ”も“ひじをぶつける”も台本にはありません。その場で僕が考えながら勝手に動いているのですが、遊びの部分がたくさんある中で、自分にしかできない芝居はなんだろうと常に考えながらやっています。そこでの発見が日々の楽しみに変わっていきました。いろんなことに挑戦できる素敵な現場です」
——シーズン2で気になったメニューはありますか?
佐藤「コーヒー牛乳ゼリーです」
市原「そうなんだ」
佐藤「コーヒーゼリーを牛乳に入れてシェイクして飲むのですが、すごくおいしかったです」
市原「タピオカみたいな感じだよね」
佐藤「タピオカを入れすぎた感じの食感でした(笑)」
市原「そこでのセリフにもちょっとおもしろい演出があるので、ぜひ注目して下さい。」
——市原さんのお気に入りメニューは?
市原「僕は、ずっと変わらずきなこパン一択です。給食ならではのメニューで、小学生の頃は“いつ出るかな”と楽しみにしていました。今回、ちょっと変わった形で登場していますので、楽しみにしていただければ!」
——シーズン2では下校時の駄菓子屋さんも見どころのひとつです。駄菓子の思い出はありますか?
佐藤「僕は、蒲焼さん太郎が好きです。食わず嫌いなので、あまり自分から冒険しないのですが、友達に勧められて食べてみたら、ほどよいしょっぱさですごくおいしくて。一瞬で好きになりました」
市原「僕は、蒲焼さん太郎に似たような駄菓子、ビッグカツの思い出があります。インドでカツ丼を頼んだら、ハサミで切ったビッグカツに醤油をかけたもの出てきたんです。ビッグカツを見かけるとあのときの驚きを思い出すと同時に、無性に食べたくなってしまいます(笑)」
——甘利田先生と神野ゴウは“給食マニア”ですが、お二人は何マニアですか?
市原「写真です。現場が終わったら、スタジオにこもる予定です。てんてこまいになりながら、作品を作ると思います。僕は、答えがない世界が好きなんだと思います。スチール1枚をとっても、カメラマンが10人いれば10通りの表現があります。作品を見て、その人の考え方やその後のストーリーを想像するのが好きなんですよね」
佐藤「マニアと言えるかどうかはわからないけれど、ピンクが好きです」
市原「ピンク? 色ってこと?」
佐藤「はい、ピンク色です。ピンクを選びそうなイメージを持たれないのですが、自由に選んでいいよと言われたら、ピンク色のものを選びます」
市原「へーー」
佐藤「水筒も、シャープペンも、持ち物はピンクが多いんです」
市原「友だちに“ピンク好きなの?”とか言われない?」
佐藤「学校の友達は、僕がピンクが好きなことを知っているので、“佐藤ならそれを選ぶよね”という雰囲気になっています」
市原「ちょっと意外だけど、かわいらしいね」
「おいしい給食 season2」(全10話)
テレビ神奈川、TOKYO MX、BS12トゥエルビほかにて放送中
GYAO!、Amazonプライム・ビデオ、TSUTAYA TV、Paraviにて見逃し配信中
■スタッフ&キャスト:
監督:綾部真弥、田口桂
脚本:永森裕二
出演:市原隼人、土村芳、佐藤大志、勇翔(BOYS AND MEN)、山﨑玲奈、いとうまい子、直江喜一、木野花、酒井敏也
公式サイト:https://oishi-kyushoku2.com/
©2021「おいしい給食」製作委員会