巨匠カーペンターの金字塔的3作品が劇場で上映!
SF・ホラー作品でカルト的な人気を誇る《ホラー映画の帝王》ジョン・カーペンター監督。40年以上にわたってシリーズが続く伝説的ホラー映画『ハロウィン』(78)のほか、SFホラーの大傑作と呼び声が高い『遊星からの物体X』(82)など数々の名作を生み出した。
映像業界にもファンは多く、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス、エドガー・ライト、J・J・エイブラムス、日本では、黒沢清、ゲームデザイナー・小島秀夫と数多くのビッグネームが熱狂的なファンであることを公言。自身の作品でカーペンターへオマージュを捧げている。
また、『イット・フォローズ』(14)、『サマー・オブ・84』(17)、『IT/イットTHE END“それ”が見えたら、終わり。』(19)、『レディ・プレイヤー1』(18)、そして社会現象にもなったNetflix ドラマ「ストレンジャー・シングス」など80年代映画へのノスタルジーが込められた昨今のヒット作品でもカーペンターオマージュシーンが見つけられる。
この度の特集上映ではそんなカーペンター監督の金字塔的な3作品『ニューヨーク1997』『ゼイリブ』『ザ・フォッグ』が上映される。
『ニューヨーク1997』(81)
熱狂的なファンの長年の期待にこたえ、81年の劇場公開から40年ぶりにリバイバル上映が実現した本作。犯罪率400%を越えたニューヨーク。政府はマンハッタン島を封鎖し、アメリカ最大の監獄にしていた。そこに大統領専用機が墜落。政府は、元特殊部隊の囚人スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)に、体内に埋め込んだ時限爆弾の解除と引き換えに大統領の救出を依頼する。地下プロレスに障害物だらけのカーチェイス、なんでもありのSFアクションの傑作だ。
『ニューヨーク1997』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル、リー・ヴァン・クリーフ、アイザック・ヘイズ
1981年/アメリカ/99分/原題:Escape from New York
© 1981 STUDIOCANAL SAS - All Rights Reserved
『ゼイリブ』(88)
カーペンターがプロレス好きすぎて、主人公に全米人気プロレスラーのロディ・パイパーを起用。あるサングラスをかけると街はドクロ顔のエイリアンに溢れ、サブリミナル戦略で地球侵略が始まっていることを知る。サングラスのみで見分けられる敵とライフル片手に戦う。カーペンター節が炸裂する、カルト的な人気を誇るSFスリラーだ。
『ゼイリブ』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:ロディ・パイパー、メグ・フォスター、キース・デヴィッド
1988年/アメリカ/94分/原題:They Live
© 1988 STUDIOCANAL S.A.S. All Rights Reserved.
『ザ・フォッグ』(80)
カーペンター監督初期のホラー。今回初の4Kレストア版で上映される。100年前の怨みを晴らすために濃霧ともに亡霊が港町に上陸し、住民を襲っていく。家に侵入する際は律儀にノックをする亡霊、町を救うのは生放送で殺人霧の行方を必死に伝える灯台のラジオDJ。隠れた名作ホラーと名高い一本だ。
『ザ・フォッグ』
監督・脚本:ジョン・カーペンター
出演:エイドリアン・バーボー、ジェイミー・リー・カーティス、ジャネット・リー
1980年/アメリカ/99分/原題:The Fog
© 1979 STUDIOCANAL
各界著名人のコメントが到着!
今回のレトロスペクティブ上映決定に、各界の著名人も大熱狂!「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画家・荒木飛呂彦は「現在観返しても、昔から考えても、ジョン・カーペンター作品は本当に革進のSF・ホラーエンターテイメントなのだ!と改めて思う。それはロックだ。その登場人物たちも音楽も現在へ受け継がれている世界観も。」とその影響力を断言。
「GANTZ」「いぬやしき」の漫画家・奥浩哉は「ジョン・カーペンター監督は僕の漫画人生でも特別な影響を与えてくださりました。」と崇め、映画監督の押井守は「この三本より「要塞警察」が好きなんです。」と心情を吐露!俳優の柄本佑は「大大大好きなカーペンターの傑作3 本!見逃す手はありませんぜ!ジョンはいつだって我々観客へのサプライズを忘れない、粋な男です。」とカーペンターへの熱烈な愛を綴った。
荒木飛呂彦 (漫画家)
現在観返しても、昔から考えても、ジョン・カーペンター作品は本当に革進のSF・ホラーエンターテインメントなのだ!と改めて思う。それはロックだ。その登場人物たちも音楽も現在へ受け継がれている世界観も。
押井守(映画監督)
この三本より「要塞警察」が好きなんです。
セーター姐さんがリボルバーを片手でリロードするシーンが最高です。
ジョン君が演奏してる単調なシンセも脳に焼き付いてます。
奥浩哉 (漫画家)
ジョン・カーペンター監督は僕の漫画人生でも特別な影響を与えてくださりました。
カーペンター監督の作品群のようなオリジナリティがありユニークで刺激に富んだエンタメ作品を漫画を一生描いて行けたら嬉しいです。
柄本佑(俳優)
dear ジョン
早く新作撮りなさい!と、思わず声を張り上げたくなります。傑作「監禁病棟ザウォード」以来毎年のように「ジョンカーペンター 新作」と調べては、なんの情報も得られず。と、そんなある時新作が!!ジョン、新作「録って」たんですね、、、。映画撮らんと何枚アルバム作ってんですか!?聞きましたよ!笑っちゃったよ!どっから聞いてもカーペンター節!最高かよ!!でもねジョン。そろそろスクリーンでも観たいので宜しくです!大大大好きなカーペンターの傑作3本!見逃す手はありませんぜ!ジョンはいつだって我々観客へのサプライズを忘れない、粋な男です。
マキヒロチ(漫画家)
ジョン・カーペンターをまだ観たことのない若者よ、ぜひゼイ・リブを映画館で観て欲しい。そしてこんな時代だから色んなものを疑って自分で考えていこう!
三宅唱(映画監督)
小さい頃、父から「ピンチの時に笑うのがアメリカ映画だ。ピンチの時は笑え」と教わった。その後ジョン・カーペンターの映画を見たとき、これだ、と思った。しんどい時は、あの不敵な笑みと『ニューヨーク1997』のテーマ曲を思い出すことにしている。
宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
カーペンターを通過してきた監督とそうじゃない監督。映画に対する覚悟が違うので、作品を観れば一目で(一聴で)わかる。この10年、「通過してきた監督」が確実に増えていることを考えても、このレトロスペクティブは時代の要請に応えるものだろう。
樋口泰人(映画評論家、boid主宰)
わたしたちにはジョン・カーペンターがいる。そう思っただけで胸が熱くなる。心が躍る。明日がどうなろうとも今ここを蹴飛ばしてこの不毛な社会を終わりにさせたいと思う。それでいい。そのとき誰もが自由で平等で傷だらけで、そして喜びに溢れているはずだ。カーペンターはいつもそんな勇気を注入してくれる。つまりジョン・カーペンターの映画を観ることは、わたしたちの今を未来に変えることである。難しいことはなにもない。ただ映画館に足を運ぶだけでいいのだ。
鷲巣義明(映画文筆家)
私にとって、永遠のヒーローはスネークだ。
それは未来になっても変わらないし、あの世に逝っても変わらない。
反体制、反権力に生き、偽善や汚い理不尽さを忌み嫌う彼にとって、
隔絶された無法世界は、スネークこそが生き抜くべき世界かもしれない。
マッチョなヒーローが力で悪を押し潰していた時代に、
自分の信念をもって生きる彼の虜になった。
彼の最大の武器は、この信念にある。
途轍もなく遠い存在だが、遥か後ろから彼を追いかけたくなる。
スネークは、私にとって人生の教科書なのだ。
スネークの信念を、『ニューヨーク1997』から感じ取れ!
山崎圭司(映画ライター)
若手時代からカーペンターの映画は「クール」だった。ただし、その意味は「無機質で冷たく」「興行的成功を逃す一因」と評されたこともあったように思う。今、彼の映画は絶対的に「クール=カッコイイ」だ。うつろう言葉の価値を踏み越え、堂々と屹立する傑作たち。無法の暴力地帯に舞うヘリから差す一条のライトビーム、真夜中の海岸線を鋭利に裂く白い霧、そして洗脳異星人の野望を砕く大爆発の閃光。闇と光を眩く操る孤高の語りべ、娯楽の匠カーペンターの手仕事を見よ!
柳下毅一郎(映画評論家)
あのころ、カート・ラッセルの眼帯が、ワイヤーフレームの3DCG(風特撮が)、シンセサイザーのテーマ音楽が、首筋に埋めこまれた爆弾が、絶対にスネークにはなれないハリー・ディーン・スタントンが、くわえタバコが、映画タイトルの前につく「John Carpenter's」の一言が、どれほど胸を騒がせてくれたか、今ではとうてい伝えられない。
白石知聖(アパレル個人ブランド“マクラウド”代表。マッドマックス・コンベンション主催)
私が初めて劇場で観たカーペンター作品は『ニューヨーク1997』でした。主人公スネークは行きあたりばったりで、ドジで、派手な立ち回りもしませんが、立ち姿、ちょっとした仕草、セリフまわしがとにかく格好良かったのです。N.Y.刑務所の世界観、大半を占めるナイトシーンと音楽が醸し出すムードも抜群で、エンドテーマが耳に残っている中、劇場を出た時のあの多幸感たるや。最終上映だったので、もう夜9 時過ぎ。劇場から駅への道のり、人通りの途絶えたアーケード商店街を、スネーク気分になって“心の中で”片足を引きずりながら駅へ向かったのでした。高校1年でした。久々の劇場体験が叶うなら、再びそれをやっちゃうでしょうね。
カーペンターで年を越そう!大晦日レトロスペクティブ2022一挙見上映決定!!
1月7日からの上映スタートに先駆けて、2021年を締めくくるイベントの開催が決定!行く年来る年、カーペンターで年を越そう!2021年12月31日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷にて、ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022上映作品、『ニューヨーク1997』、『ザ・フォッグ』、『ゼイリブ』4Kレストア版の一挙上映を開催!1 つの劇場で3本一気に見られる貴重なチャンス!
そして、40年ぶりに『ニューヨーク1997』をスクリーンで見られる最初の機会になっている。今後もレトロスペクティブ2022を盛り上げるお祭り企画を続々発表!続報にご期待ください!いざ、スクリーンというタイムマシーンでカーペンターの80年代の世界へ!SFホラーの最高傑作が劇場を混沌の渦に巻き込む!
「ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022」
1月7日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町/新宿武蔵野館/UPLINK 吉祥寺にて3週間限定公開